掲示板バックナンバー: 2007年


2007年

■ 2007年1月1日(月) さらに一歩前進

二つめのRIETAN-FP支援GUI環境に少しだけ手を加えました。*.insがユーザーあるいはRIETAN-FPによって更新される場合に備え、RIETAN-FPの実行前後に*.insを自動的に保存・再読込するよう改善しました。

先に試作した簡易ランチャー的環境より高度で使い勝手がよい支援環境が構築できることが判明したため、今後はこちらを本命として扱うことにしました。

■ 2007年1月2日(火) 秀丸マクロの助けを借りて…

もう察しがついた方も多いでしょうが、この年末年始に私が熱中していたのは、Windows用エディタを利用したRIETAN-FP支援環境の構築です。まずTeraPad、次いで秀丸エディタを対象に選びました。どちらでも同じような環境を実現できますが、無料ソフトのTeraPadが簡易ランチャー的機能しか持ち合わせていないのに対し、秀丸エディタではC言語に似た秀丸マクロという強力な武器を備えています。またSDI(Single Document Interface)のTeraPadはMDI (Multiple Document Interface)の秀丸エディタに比べ、時代遅れの感を否めません。今後は、秀丸エディタ上の環境に磨きをかけていくつもりです。

本支援環境を利用する際は、まず*.insを秀丸エディタで開きます。後は、そのウィンドウから抜けることなく、すべてプルダウンメニュー、ツールバー上のアイコン、ユーザーメニュー(ポップアップメニュー)、あるいはキーボードショートカットを通じてRIETAN-FP、グラフ作成ソフト、ORFFE、PRIMA、ALBA、VESTA、Adobe Reader(マニュアル閲覧)、Explorer(カレントフォルダを開く)などを実行します。*.lstや*.dstなどは同じウィンドウ内の別なタブに割り付けられますが、タブのdrag & dropにより別ウィンドウとして分離したり、元のウィンドウに戻したりすることもできます。各タブには[閉じる]ボタンが付いています。あのTeXShopといえども、タブ操作は不可能です。

単純な秀丸マクロしか使っていないにもかかわらず、本支援環境の使い勝手は非常に優れています。地獄から来たエディタEmacsと違って瞬時に起動でき、しかも動作が軽快なので、ストレスを感じません。一度この醍醐味を味わうと、時代遅れのバッチファイルなど二度と使う気にならないでしょう。*.insを編集しているウィンドウ内ですべて事が済むというのは堪えられません。波及効果はきわめて大きいはずです。

難点は、秀丸エディタがシェアウェア(4,200円)だということです。しかし、学生およびフリーソフトウェアの作者の場合は無料なので、よしとして差し支えにでしょう。ちなみに、秀丸エディタ専用のLaTeX入力支援環境として祝鳥が配布されており、つい最近、書籍も刊行されました:

秀丸マクロの利用がこれほど簡単かつ有用だと知っていたら、とうの昔にRIETAN支援環境を拵えていたに違いありません。生憎、エディタを利用した実行環境の可能性を示唆してくれた賢人は、これまで皆無でした。人を当てにしてはいけない、という教訓ですね。とはいえ、TeXShopから知恵を授かるまで長年待つしかなかったのは、惜しんでも余りあることです。

なおMac OS XではJedit Xあるいはmi、LinuxではEmacsを使えば、同様なことを容易に実現できるはずです。どなたか、チャレンジしてみませんか。(← 誰もやらないことを承知の上で、こういうことを言い出すようになったのは、Mac OSやLinux切り捨ての前兆かもしれません)

■ 2007年1月3日(水) ついうっかり…

今日はRIETAN-FP支援環境にPRIMAの実行を追加しました。あっという間に終わるさ、と高をくくっていたのですが、得体の知れないエラーメッセージが出て、四苦八苦。相当な時間を費やした末わかったのは、環境変数PRIMAの末尾は"¥"であるべきなのに、秀丸マクロ用バッチファイル中で環境変数PRIMAを再定義しており、しかもその末尾には"¥"が欠落しているという二重の誤りでした。バッチファイル中での再定義の行を削除したら、正常に終了しました。

もう一つ面食らったのが、*.xyzが存在しないのにORFFEを実行したとき、警告なしに異常終了するという不具合です。早急に改善しましょう。

なお、環境変数PRIMAが未定義の場合も、とんでもないことが起こります。システムというコントロールパネルで定義しておくことは、くれぐれもお忘れなく!

■ 2007年1月4日(木) ファイル・チェック(メモ代わり)

*.xyzがカレント・フォルダに存在するか否かのチェックを早速、秀丸マクロORFFE.mac中に挿入しました。*.insや*.intなどの共通ベースネームを$bnとすれば、

$xyz = $bn + ".xyz";
if (!existfile($xyz)) {
 message "下のファイルがカレント・フォルダに存在しません。ORFFE.macの実行を中止します。¥n¥n"+$xyz;
 endmacro;
}

となります。C言語とよく似ていますね。

■ 2007年1月5日(金) これでようやくまともになったような気が…

第3回有機・粉末結晶構造解析研究会と第3回データ解析技術研究会の参加者向けに配布しているアーカイブファイルRIETAN-FP.zipを更新しました。

RIETAN-FPのマニュアルRIETAN-FP_manual.pdfを改訂しました。昨年の12月31日に記したHyperTeXの仕組みを徹底利用したリンク張りまくり版です。文献番号が[1-4]というように記載されていた箇所は[1, 2, 3, 4]というように変えました。エジンバラ大学の小松一生氏からご指摘いただいた多数の誤りも修正しました(深謝)。ようやく救世主が現れたという訳です。

RIETAN-FPを使って得た成果を発表する際、引用すべき論文をRIETAN-2000の場合と同じもの(Mater. Sci. Forum)に変えました。現在、印刷中の論文(Solid State Phenom.)が活字になった時点で再度、変更するつもりです。

FapatiteE.insとCu3Fe4P6E.ins中の注釈を少しだけ修正しました。

さらに、二つのバッチファイルDD2.batとsetupDD2.batはそれぞれDD3.batとsetupDD3.batと改名しました。後者の中身は不変です。

■ 2007年1月6日(土) I love tabs

RIETAN-FP支援環境のテストでIgor Proを使っていて、古くさいGUIだなぁ、と感じました。複数のグラフの表示をタブで切り替えられません。TeraPadJedit Xを使用している際にも、同様な印象を受けました。

一度FirefoxSafari秀丸エディタ、VESTAなどでタブ切り替えの利便性を享受してしまうと、タブ抜きのマルチウィンドウにはストレスが溜まる一方です。SDIでは、同時に処理するテキストファイルの数が多くなると、窓の選択・移動・リサイズ・消去が面倒で、やってられません。画面が狭いノート型PCでは、なおさら不便です。

もう元には戻れません。タブ関連機能にかけては最先端を走っている秀丸エディタ上にRIETAN-FP支援環境を築いたのは、そのためです。

■ 2007年1月7日(日) 秀丸マクロのアイコン

秀丸のツールバーにRIETAN, Igor, ORFFE, PRIMA, VESTA/ins, VESTA/denなどのアイコンを貼り付けました。マウスでクリックするだけで各プログラムを実行できます。一般ユーザーにとっては、キーボードショートカットより親しみやすいでしょう。少なくとも、ポップアップ・ウィンドウ、ツールバーアイコン、タブ付きウィンドウの具備においてはTeXShopを凌駕したと自負しています。

さらに、*.ins中のIf, else, Select case, case, Go toなどのキーワードを3色で強調表示するよう変更しました。秀丸の強調表示機能をそのまま利用したに過ぎません。

■ 2007年1月8日(月) 冬休みの成果

門馬綱一君がVESTA v0.99をリリースしました。2D Data Dsiplayの機能が大幅に向上しています。Projection modeの表示や、等高線の色・太さの指定が可能になりました。これで一段と正式版の完成へと近づいたことになります。

ベータ版のテストユーザーはぜひご試用ください。多くのコメントと不具合の指摘を期待しております。

私と門馬君にとって、誠に実り多き年末年始でした。収穫した果実は、今後、多くの人々に味わっていただくつもりです。秀丸エディタを利用した支援環境の出現により、RIETAN-FPとVESTAの連携は、より緊密となりました。タブ・ツールバー付きマルチウィンドウを使えるアプリケーション・支援環境として、将来開発される科学技術ソフトウェアの良き手本たり得ると確信しています。

■ 2007年1月9日(火) 大丈夫かな

オーストラリアの研究者がRIETAN-2000を使って、非標準的な空間群に基づいたリートベルト解析を行いたいが、どうしたらいいのか、と尋ねてきました。RIETAN-2000の大ファンなんだそうです。ひょっとしたら、数年前にダルムシュタットで会った、あの人(当時、学生)かも知れない。

RIETAN-FPにはSTRUCTURE TIDYが組み込まれているし、詳細な英文マニュアルも提供しているから、そちらを使うことを推奨する、と返事しておきました。

メールを送った直後に、RIETAN-FP用のReadme_win.txtが日本語文書だということを思い出しました。英語で書くべきでしたね。外国人によるベータ版の試用は想定外でした。

■ 2007年1月10日(水) ざっとこんな感じ

秀丸エディタのマクロ機能を徹底活用したRIETAN-FP・VENUS支援環境の構築が完了しました。現時点で、次の11個のマクロが登録済みです:

  1. RIETAN-FPによる全回折パターンフィッティングあるいは粉末回折パターンのシミュレーション
  2. Igor ProやRIETVIEWなどによるリートベルト解析・シミュレーション結果(*.itx)のグラフ表示、
  3. ORFFEによる幾何学的パラメータの計算
  4. PRIMAによるMEM解析
  5. ALBAによる最大エントロピー・パターソン解析
  6. VESTAによる*.ins中の結晶データの3D可視化(結晶構造モデルの表示)
  7. VESTAによる*.den中の電子・原子核密度データの3D可視化(等値曲面の表示)
  8. VESTAによる*.vesta中のデータの3D可視化
  9. lst2cifによるファイル変換(*.lst → *.cif)
  10. res2insによる*.res(EXPO2004の出力ファイル)から*.insへの結晶データの取り込み
  11. Adobe ReaderによるRIETAN-FPのマニュアル(RIETAN-FP_Manual.pdf)の閲覧

フッ素アパタイトのリートベルト・MEM解析を実行している際のスクリーンショットをご覧ください。四つのファイル(*.ins、*.lst、*.dst、*.cif)が開かれており、それらの内、*.lstを表示しています。RIETAN-FPが*.insを更新したならば、自動的に新しいファイルに切り替わります。*.lst、*.dst、*.cifはそれぞれRIETAN-FP、ORFFE、lst2cifによる計算終了後に自動的にオープンされます。

カレントファイル名の横には改行コードが[CR+LF]というように表示されるため、Mac OS XやUNIXを搭載したマシンから転送されたファイルの行末が一目で確認できます。

このスクリーンショットでは、ポップアップメニュー(ユーザーメニュー)からMEM解析を実行しようしています。自作マクロ以外に3つの既成秀丸マクロがユーザーメニューに登録されています。「常用フォルダ」というマクロは、*.insや*.intが存在するフォルダをExplorerで表示してくれるため、そのフォルダ中の各ファイルに素早くアクセスするのに役立ちます。上に列挙したマクロのアイコン(No. 1〜10)がメニューバーに勢揃いしていることにも注目してください。このほか、マクロメニューやキーボードショートカットでもマクロを実行できます。

本支援環境の出現により、Windows用RIETAN-FP・VENUSの使い勝手は劇的に向上しました。バッチファイルはもはや不用で、秀丸から抜けずにすべて事が済みます。リートベルト・MPF解析と3D可視化の効率アップが見込めます。

本支援環境は4月26・27日に関西で開催する粉末構造解析の講演・講習会の参加者に進呈する予定です。

なお、自分の全財産をWebで無差別に配布するという愚かな行為は今後、止めようと考えています。すでにJ-PARCにおけるVENUSの利用規制やAlchemyに関する最重要な情報(GSASとFullProfの解析結果の処理方法)の未開示にその兆候が現れていましたが、このような意志が固まったのは、つい最近のことです。

■ 2007年1月11日(木) VESTA v0.99.1のリリース

この3日ほど、門馬綱一君と3Dデータの単位について相当数のメールをやり取りしました。その間、行き交った情報が本バージョンに反映されています。

拡張子の位置を調べるのに田楽DLLに備わっている関数STRRSTRとRUNを使うこととし、すべての秀丸マクロをバージョンアップしました。さらに、ALBAの実行とVESTAによる*.vestaの入力用のマクロも追加しました。昨日の書き込みとスクリーンショットは、これらの改善点を反映したものに変えました。

ついにマクロ地獄にはまり込んでしまったなぁ。なにしろ、こういう道具作りが根っから好きな上、C言語もどきで、取っつきやすいときているから、…

しかし、情報処理以外の知識が不要な、この類のプログラミングは、本来、マクロから呼び出す科学技術計算プログラム(RIETAN-FP、PRIMA、ALBAなど)の開発者がやるべきことじゃないな。文科系の人でもできる程度のことなのだから。実は来年度に派遣会社の社員でも雇って、やってもらおうかと思案していたんですが、雇用手続きが面倒くさい上、有能な人材が見つかる保障はありません。結局、自分でさっさと片付けてしまいました。

まあマクロのプログラミングなんて、所詮、さほど高度な仕事じゃないし、今後も自分で様々なマクロを組めるようになったのだから、これでよかったんじゃないかな。

■ 2007年1月12日(金) Heavy-duty version

粉末X線回折による有機化合物の非経験的構造解析がますます盛んになってきている状況を鑑み、非対称単位内の原子数を最大300に増やしたORFFEを作成しました。従来は、事実上99個までしか処理できませんでした。一桁増えたため手直しする箇所が多く、多少手こずりましたが、なんとか半日で作業を終了。来週は、この新バージョンにRIETAN-FPを対応させます。

■ 2007年1月13日(土) RIETAN-FP.macのブラッシュアップ

RIETAN-FP起動用秀丸マクロRIETAN-FP.macを修正。カレント・ファイルの窓でマクロを起動したか否かをチェックするとともに、*.insの内容が変更された場合に限り、事前にそれを上書き保存するよう改造しました。

■ 2007年1月14日(日) 悪平等の忌避という処世術

門馬綱一君にVESTA v0.99.2をリリースしていただきました。1月24日に東工大で開催されるDV-Xα分子軌道計算講習会での実習用に提供するための特別版です。同講習会は満員御礼の盛況なので、多くの方々にVESTAの素晴らしさを体験していただけます。

この1年余り、私と門馬綱一君は色々な研究集会・講習会におけるデモンストレーション・配布に間に合うように、自作ソフトや配布物を作成・改善してきました。今後も、われわれが講師を勤める集会やわれわれのソフトを紹介・宣伝してもらえる集会の参加者を大切にし、優遇措置を講じるという姿勢は不変です。わざわざ足を運んでくれる人々、広い意味でわれわれに協力してくれる人々を特別扱いするのは当然と考えます。1月10日にも書いたように、何もかもWebで公開する気はもうなくなりました。

逆に言えば、われわれのソフトをただダウンロードし使っているだけの(ブラックホールのような)人々との差別化を図らなければ、参加者・協力者の数が十分に増えるはずはないのです。Rubenの雇用経費の捻出に苦しんでいた極貧状態のころ、私はこういう認識に達しました。私を援助しても何も得るところがないのに、窮地に陥った私を誰が救ってくれるでしょうか。皆、自分のことだけで精一杯です。そんな当たり前なことを悟るのに、何十年もかかったのですから、馬鹿、阿保、間抜けというしかありません。

魯迅は、裕福だった実家が没落し零落の身となった後、初めて冷酷かつ非情な世間がわかったと述べています。天賦の才に恵まれた人にしてそんな有様なのですから、凡才が現実の厳しさを認識するのに長い年月を要したのは無理もないのかもしれません。

軍資金の枯渇は過去の話ではありません。現在もわれわれはVESTAの開発経費に窮しており、Mac OS X版のバージョンアップにまで手が回らないという情けない状況に陥っています。極端な人手不足のため、英文マニュアルの作成に取りかかれるのは当分先です。

量子ビームプロジェクトの名の下に税金(運営費交付金)を使って開発しているRIETAN-FPとは大違いです。将来は、好景気に沸いている大企業にまで無償でVESTAを配布する訳にはいかなくなるかもしれません。われわれに過大な個人的負担がのしかかっている以上、やむを得ないのではないでしょうか。金持ちが貧乏人にたかるという不条理な構図を耐え忍ぶのは、次第に困難になってきました。

■ 2007年1月15日(月) さらに一歩前進

非対称単位内の原子数を300に増やしたORFFE(1月12日参照)に対応したRIETAN-FPのheavy-duty版(v.1.33b)を作成しました。抑制条件下のリートベルト解析を実行する際には、既存の*.xyzをORFFEの最新版で処理し直す必要があります。改訂すべき箇所が予想外に多く、意外と手間どりました。110サイトの有機化合物を扱えたので、もう大丈夫でしょう。

■ 2007年1月16日(火) 支援環境のベータ版が完成

RIETAN-FP・VENUS支援環境の使用説明書Readme_macros.txtを書き上げ、秀丸マクロ、RIETAN-FP v1.33b、ORFFE・lst2cifの最新版などとともにアーカイブファイルとしてアップロードし、パワーユーザーの一人に動作試験を委託しました。今のところ、正常に動いているそうです。「最強のCUIシステム」との評をいただきました。今月中には、どこに出しても恥ずかしくないものに仕上げるつもりです。

秀丸マクロの作成に役立てようと、昨年暮れに

を購入しました。しかし、この本には、マクロのプログラミングについてはまったく触れておらず、結局、秀丸内でマクロヘルプ(マクロメニューの一番下)を参照せざるを得ませんでした。要するに、既製のマクロを使う人のために書かれた本に過ぎなかったのです。

■ 2007年1月17日(水) 追悼

Acta Crystallogr., Sect. Bの最新号でErvin Parthé先生、ご逝去の報に接しました。謹んで哀悼の意を表します。

Parthé先生は中性子回折の先達の一人であり、RIETAN-FPに組み込んだSTRUCTURE TIDYとLAZY PULVERIXの作者でもあります。先生との交流については、2006年1月15日の掲示板に書き込みましたので、ぜひお読みください。

RIETAN-FPに実装したSTRUCTURE TIDYで結晶データを標準化するたびに、その利便性と有用性に感嘆の声を上げています。結晶学の神髄を極めた方でないと、ここまで手の込んだ、洗練されたプログラムは到底作れません。TeXと同様な奥の深さを感じます。

実は三月初めに、RIETAN-FPのマニュアル(第二版)を発行するための準備を進めている最中でした。12月の第3回データ解析技術研究会で配布した初版を増訂したものです。このマニュアルにはSTRUCTURE TIDYの使用法について相当詳しく書きましたので、印刷所から届き次第、Parthé先生に発送するつもりでしたが、残念ながら間に合いませんでした。

STRUCTURE TIDY以外の本体が見劣りすると誹られないように、今後も鋭意、RIETAN-FPの改善を進めていく所存です。残された時間がじりじり減っていくので、最近は急き立てられるような心情で働いています。焦り狂っているといって過言でありません。ハイエンドMac Proには見向きもせず、「フラガール」も観に行かずにマニュアル作りに励み、年末年始・週末の間、一日も休まずにRIETAN-FP・VENUS支援環境の構築に取り組んだのは、そのためです。我ながら鬼気迫るものがあります。しかし一方では、体調の悪さを考えると、このハイペースもそう長くは続かないな、と冷静沈着に自己診断しています。

■ 2007年1月18日(木) 興味のある方は、スケジュールを空けておいてください

3月5日(月)の午後、NIMS(千現地区)で粉末構造解析と3D可視化に関する講習会を催すことになりました。現時点では、少なくとも私と門馬綱一君(東北大学)がそれぞれRIETAN-FPとVESTAについて講演することが決まっているだけです。

昨年12月に開いた二つの講演・講習会に参加された方々にとっても有益な講習会となるような企画を立案中です。昨日書き込んだ「RIETAN-FPのマニュアル(第2版)」(約154ページ、一部カラー印刷)は、この講習会で配布するものにほかなりません。それ以外にも目新しく、なおかつ貴重なお土産をいくつか差し上げるつもりです。本講習会はNIMSの量子ビームプロジェクトにおける活動の一環として開催しますが、われわれの研究成果を広く社会に還元するため、NIMSの研究者ばかりでなく大学、産総研、民間企業などの方々(学生を含む)の来聴も歓迎します。もちろん参加費は無料です。

プログラムなどの詳細については、後日、改めて本Webサイトでお知らせいたします。

■ 2007年1月19日(金) 二つめのおみやげ

RIETAN-FP・VENUS支援環境ですが、秀丸エディタにおける排他制御のオプションを変更したところ、使い勝手がかなり向上しました。使用説明書(Readme_macros.txt)の記述もさらに懇切丁寧になってきました。このように、少しずつ改善が進んでいます。今日までに、3人の方々にテストを依頼しました。

このような支援環境はとうの昔に構築して然るべきでしたが、調べてみると、秀丸エディタでタブをドラッグしてウィンドウを分離したり合体したりできるようになったのは、約2年前です。この神業的機能が支援環境の値打ちをぐっと高めているのです。2年程度のタイムラグは仕方ないかな、と思いました。

もう高度なタブ機能なしには生きていけません(笑)。たとえば本支援環境では、RIETAN-FPを実行終了後には*.lstが自動的に読み込まれ、新たなタブが同一ウィンドウに現れます。*.lstが別なウィンドウに表示されたりしたら、げんなりです。

「懇切丁寧」といえば、坂根弦太氏からいただいたPDFファイル(VESTA_eduDV.pdf)には、まさにこの言葉がぴたりと当てはまります。これは1月24日に東工大で開かれるDV-Xα分子軌道計算講習会における、VESTAによる3D可視化の実習用に執筆された36ページの文書でして、

の2部からなっています。前者にはVESTA v0.99.2による電子状態計算結果の3D可視化の手順が、多くの画面キャプチャイメージとともに詳細に記述されています。この文書はSCATのユーザーばかりでなくVESTAの初心者にとっても大いに役立ちます。そこで坂根氏にお願いし、昨日書き込んだ講習会(3月5日)の出席者への配布を特別に許可していただきました。参加者へのおみやげが一つ増えたのは嬉しい限りです。

秀丸マクロはSCATのユーザーにも貢献しうるに違いありません。SCAT関連の入力テキストファイルの形式は一般に単純なので、とりたててダイアログボックスなどで入力するまでもなく、エディターで編集すれば十分だと思われます。とすると、秀丸エディタに基づくSCAT・VENUS支援環境の出現は大いに歓迎されるはずです。ファイル名が固定されているので、秀丸マクロのプロミングは楽なもんです。RIETAN-FP・VENUS支援環境用の秀丸マクロを手本とすれば、ちょちょいのちょい、といったところ。赤ん坊の手をねじるようなもの、といって過言でありません。

いずれその気になったら、やってみます。二日もあれば十分でしょう。

■ 2007年1月20日(土) 金字塔

RIETAN-2000で得た成果を発表する際、引用すべき論文の被引用数が500を突破しました(現在、505回)。Co酸化物超伝導体発見の論文の激しい追い上げにあいつつも、現役のNIMS研究者としてトップを維持したまま500回地点を通過しました。

以後は、あらずもがなの余談です。昨年12月21日の第7回中性子散乱セミナーにおける講演では、「この論文の1年あたりの被引用数は単調に増加していますが、RIETAN-FPのリリースとブラッシュアップによってこの勢いを保ち続け、被引用数1000回を目指します。4、5年のうちに間違いなく達成できるでしょう。」と述べました。そこまではよかったのですが、その後がまずかった:

 泉: といっても、その前にあの世に逝ってしまうかもしれませんが。
聴衆: (シーン)

見事にスベっちゃいました、このジョークは。田代まさし一世一代のギャグ「ミニにタコができる」顔負けのスベり方でした。

よく考えれば、笑うわけにもいきませんよね。お笑いの才能ゼロで、空気を読めない男ということを再認識しました。

■ 2007年1月21日(日) RIETAN-FP・VENUS支援環境のマイナーチェンジ

RIETAN、ORFFE、PRIMA、ALBAの標準出力を書き込み禁止状態で読み込むよう変更するとともに、res2ins.mac実行時のカレントファイルが*.insでないときはエラーメッセージを表示して停止するよう改善しました。4つの秀丸マクロファイルをRIETAN.mac、VESTA_ins.mac、VESTA_den.mac、VESTA_vesta.macと改名しました。さらに、Readme_macros.txtも加筆しました。

新たなマクロをテストしながら感じたのは、RIETAN-FPと関連ソフトの使い勝手と連携の密接さを劇的に向上させる本支援環境は、RIETAN-FPにおける最重要な新機能だ、ということです。RIETAN-FPの後ろに控えているVENUS(PRIMA、ALBA、VESTA)の存在がますます活きてきます。

実のところ、3月5日の講習会(NIMS)を開く気になったのは、昨年暮れの三つの講演・講習会の時には影も形もなかった本支援環境を可及的速やかに披露(自慢?)したくなったからです。その後、VESTAの2Dマップ描画機能も大幅に改善されました。500回引用祝賀会などという浮ついた気分の、後ろ向きの催しでは断固ありません。その証拠に、ギャグなどかまさず、格調高くやりますよ、今度は。

■ 2007年1月22日(月) RIETAN-FP配布ファイルの更新

原子数の多い有機化合物も扱えるように、RIETAN-FPをv1.34bにアップグレードしました。精密化するパラメータの数の最大値NRが1500に、精密化する構造パラメーターの数の最大値NSFが1200に増えており、相当複雑な分子でも安心して解析できます。Intel Visual Fortranの最新版v9.1.034によりPRIMA、Alchemyとともに再ビルドしました。

さらに、二つの秀丸マクロRIETAN.macとres2ins.macも改訂しました。*.ins以外のファイルのウィンドウで実行できるようになり、自由度が一段と高まりました。またRIETAN.macではRIETAN-FPが*.xyzを出力した場合は、それを表示するよう改めました。自作秀丸マクロ群は大分洗練されてきました。あと一息という感じです。

配布ファイルには、Webで公開されているGe(SnMe3)4の放射光粉末回折データのリートベルト解析結果を5番目の解析例として追加しました。非対称単位内の原子数は53個です。RIETAN-FPに組み込んだ柔軟性の高い抑制条件付加機能と共役方向法を駆使した再解析により到達したR因子は、Rwp = 7.86 % (8.44 %)とRF = 3.50 % (10.3 %)でした。ただし、カッコ内の値(Dinnebier, 2002)はGSASで得られたR因子です。RFの悪さから見て、Dinnebierらは局所的な最小値に落ち込んだ解を報告したものと推定されます。一般に、非常に多くの抑制(制約)条件を課したリートベルト解析は、最小二乗計算が悪条件になりやすく、真の解に到達しにくいということを肝に銘じなければなりません(2006年7月19日参照)。

RIETAN-FP_Manual.pdfとReadme_macros.txtも、ほんの少しずつ修正しました。

現時点では、3人のテストユーザーにだけ試用してもらっています。3月5日の講習会(1月18日参照)の参加者全員に配布する予定です。

■ 2007年1月23日(火) 読み/書き権限付与

RIETAN-FP・VENUS支援環境用の秀丸マクロRIETAN.macとORFFE.macでは、計算終了後に*.xyzを書き込み禁止モードで読み込んでいましたが、この制限をはずしました。ORFFEを2回走らせて結合角計算用のORFFE命令をファイル末尾に追加したり、*.xyz中のORFFE命令の部分をユーザーが編集したりすることもあるからです。

■ 2007年1月24日(水) 年の功?

門馬綱一君がVisual C++ 2005のバグに起因するVESTAの動作不良に四苦八苦していたので、Intel Visual Fortran for Windowsのバグ回避法(自家製)を試してみるといいですよ、とアドバイスしました。結果は、大成功。メジャー中のメジャーともいうべき両コンパイラですが、似たような不具合を抱えているんですね。困ったものです。

VESTAはあと一歩で完成します。RIETAN-FP・VENUS支援環境との親和性が改善された後にリリースされるでしょう。その際には、1月14日に記した民間企業への有償提供の可能性を明記します。つまり民間企業の無償利用が、ある日突然、禁止されるかもしれない、ということです。実際にそうするか否かは、諸情勢から慎重に判断します。この方針に関してご意見・ご批判・ご要望がありましたら、私にメールをお送りください。

■ 2007年1月25日(木) Igor Pro 6

ついに発売されました。もちろん、Intel Mac専用コードも含んでいます。来年度になったら、アップグレードしましょう(高いんだろうなぁ)。

■ 2007年1月26日(金) 病膏肓に入るとは、このことか

RIETAN-FP・VENUS支援環境に整形&連結&引用マクロ Ver. 2.15を追加しました。この秀丸マクロは選択行の末尾のCR+LFを削除するのに便利です。

RIETAN-FPの実行前に*.insのバックアップを取るようRIETAN.macを改善しました。バックアップファイルの名前は*.ins.BAKです。いつのまにやら、すべての自作マクロ中で田楽DLLが提供する関数を使うまでに至っておりました。病みつきになりそうです。

さらに、Readme_macros.txtを少しだけ修正しました。これだけ懇切丁寧に説明しておけば、操作に戸惑うユーザーはまずいないはずです。

ここのところ、当ホームページのアクセス数が一段と増えています。ご覧の通りの堅苦しい話題が受けているのは、正直なところ意外です。本支援環境に対する関心の高さを忠実に反映しているのでしょう。

■ 2007年1月27日(土) ハイエンドMacさえあれば、…

Mac Proの最上位機種(3.0 GHz デュアルコアIntel Xenonプロセッサ×2)にParallels Desktop for Macをインストールしたところ、RIETAN-FP・VENUS支援環境が完璧かつ高速に動いたという報告を受けました。つまり、Mac OS Xから抜けることなく、Windows用のRIETAN-FP、PRIMA、VESTA、秀丸エディタなどが実行可能だということが実証されたのです。そんな高級機を所有しているのだったら、もはやWindowsデスクトップ機を買う必要はありませんね。

かくしてMac OS X用のRIETAN-FP・VENUS支援環境の存在意義はなくなった —— ということにしちゃおうかな。あれもこれも、やってられませんから(← 老化現象)。第一、分離・合体可能なタブ付きのマルチウィンドウと高度なマクロを使えるMac OS X用エディタって、この世に存在するんですか。そういう優れものがあるんだったら、教えてほしいです。仮に存在しないのならば、支援環境はおろか、RIETAN-FPやPRIMAなどをIntel Macに移植する気は失せちゃいますよ。

それに当ホームページの訪問者の83 %はWindowsユーザーなんです(最近3000件についての解析結果)。Vistaが普及するにつれ、Windows全体のシェアはさらに増えると予想しています。Mac OS X版をリリースするのはVESTAだけ、という妥協案は如何。

■ 2007年1月28日(日) 結果よければすべてよし

秀丸エディタの一つのウィンドウで複数のファイルを開いているとしましょう。もちろん、各ファイルに相当するタブが表示されます。自作秀丸マクロはベースネームさえ一致していれば、どのファイルが表示されていても実行できますが、マクロの終了後にどのファイルを表示するかをコントロールできません。たとえば秀丸マクロORFFE.batを実行後は*.dstを表示するのが自然ですが、現在のORFFE.batでは、必ずしもそうは行きません。*.insや*.lstが表示されることがあります。こういう不可解な挙動は、秀丸エディタの不具合に発しているようです。ともあれ、それではあまりにも使い勝手が悪いので、自作秀丸マクロの改善に取り組みました。

悪戦苦闘の末、常に所望のファイルを表示させるためのノウハウを会得しました。どうしてそうなるのか理解不能ですが、再現性よく動きさえすればいいでしょう。

■ 2007年1月29日(月) いったい、いつになったら…

RIETAN-FP・VENUS支援環境が一通り動くようになるのはすこぶる早かったのですが、ブラッシュアップの段階に入ってからは、長期戦の様相を呈してきました。田楽DLLの関数を呼び出す箇所が減り、フェールセーフ・ルーチン、サブルーチン、検索コマンドなどを含む、すっきりしたコードに変貌しつつあります。

う〜ん、秀丸マクロは奥が深い。C言語似で、とっつきやすく、いじり甲斐がある。Microsoftの技術力の低さを象徴するコマンドプロンプトとお付き合いせずに済むので、ストレスがたまりません。

でも、そろそろ次の仕事に移行しないと、まずいなぁ。

■ 2007年1月30日(火) VESTA v0.99.3

いくつかの不具合を解消するとともに、WinGXの出力ファイル*.fouに対応しました。*.fou作成・読み込みの際の注意点については、小松一生氏のホームページをご参照ください。目下一人勝ち状態の単結晶構造解析プログラムSHELXのユーザーには見逃せない情報です。PRIMAにしろ、VESTAにしろ、粉末回折専用ではありません。それぞれ、単結晶回折データのMEM解析や解析結果の3D可視化に広く活用されるよう願ってやみません。

本バージョンのリリースにより、VESTAは研究・教育・業務用のheavy-duty softwareとしての体裁を整えたと言ってよいでしょう。しかし、ある事情からリリースを急いだため、新たなバグが発生する恐れがあります。何か問題がありましたら、門馬綱一君に連絡してください。

■ 2007年1月31日(水) 三機関連携の始動

昨年暮れに、物質・材料研究機構、理化学研究所、日本原子力研究機構開発(JAEA)は「量子ビームテクノロジーの先導的研究開発に関する研究協力協定」を締結しました。それぞれの研究機関が単独では遂行不可能な研究を共同で実施していこうという趣旨なので、量子ビーム(中性子・放射光)を用いた構造解析技術の活用を図る場として好適である、と考えています。

連携活動の一環として、2月1日(木)に燃料電池研究会がJAEA(東海)で開催されます。MPFの技術やRIETAN-FPが燃料電池の研究に貢献しうるのは言うまでもありません。そこで、当方が推進しているソフトウェア開発について、その研究会で紹介することになりました。RIETAN-FP・VENUS支援環境も、ちらっとお見せするつもりです。

■ 2007年2月1日(木) おとな計画

3月5日の講習会(1月18日参照)で、RIETAN-FP、そのマニュアル、VESTAの最新版に加え、RIETAN-FP・VENUS支援環境を全参加者にプレゼントする準備がほぼ整いました。

本支援環境の使い勝手がきわめて良いことから、Mac用のRIETAN-FPとPRIMAはほぼ息の根を止められたいう感が強いです。Parallels Desktop for MacBoot Campの出現も、Mac版開発のモチベーションを萎えさせます。

Jedit Xにマルチウィンドウ・マルチタブ機能が追加されないようだったら、もうMac版なんて要らないんじゃないかな。マイノリティーには見切りを付けるべきですよ。ドライかつ非情にね。

この一二年で、私は大分「おとな」になりました。無駄なこと、手柄にならないこと、銭にならないことには目もくれない、ダメな奴は遠ざけ、優秀な人、力のある人に近づく、手を抜いても実害がないときは手を抜く、ひたすら自分の頭の上の蠅を追う、というのが「おとな」の態度でしょう。さらに無慈悲に、さらに「おとな」になるのに欠かせないセレモニーがMac版切り捨てなんだ、と自分に言い聞かせています。なんの役にも立たぬ児戯に目の色を変えるのは、ガキやヲタクの所行です。

頼まれもせぬのにJ-PARCのために一肌脱ぐなんて愚行に走ったりはいたしません。ダボハゼみたいに何でも食いつくのは控える、というのも賢い「おとな」のたしなみです。

もっとも、誰か移植してくれるのだったら、RIETAN-FPやPRIMAなどのソースコードを提供するにやぶさかでありません。しかし、いないでしょ、そんな物好きは。IntelのFortranコンパイラは高価ですし、その習得にはそれなりの手間がかかりますよ。

■ 2007年2月2日(金) 1週間分の成果

各結晶学的サイトの名前によってはSTRUCTURE TIDYの出力が乱れるという不具合を解消したRIETAN-FP v1.35bを作成しました。今後は、STRUCTURE TIDYによる結晶データ標準化時に限り、サイト名を化学種名(最大2つまでのアルファベット)+番号(最大4桁)とすることにしました。実際には「番号」が"_"、"@"、アルファベット(最初の一文字を除く)などを含んでいても大丈夫なのですが、単純明快な仕様に留めました。

RIETAN-FP・VENUS支援環境も刷新しました。各秀丸マクロを大幅に書き直すとともに、macrosフォルダはRIETAN-FPフォルダに、田楽DLL秀丸エディタのフォルダに置くことにしました。

なお、秀丸エディタは先行開発版v6.50β11以降をお使いください。さもないと、openbyshellという命令を引数つきで使っている二つのマクロが正常に作動しません(本掲示板の日付同様、先走りの極致)。

これらの修正に伴い、Readme_win.txt、Readme_macros.txt、RIETAN-FP_Manual.pdf、New_features.pdfも更新しました。

いつもの場所にアップロードしておきましたので、テストユーザーの皆様(現状では実働人員一人)は各自ダウンロードするようお願いします。

■ 2007年2月3日(土) このデータって別に機密事項じゃないよね

さる部署から、これまでに発表した全論文の数とそれらの論文の総引用回数の調査依頼が届きました。辛気くさい雑用です。泣く泣く2時間ほどかけてWeb of Scienceによる検索と集計を行いました。

総論文数は、まあそんなもんだろ、という数値でした。以前、とある賞に応募したとき、全論文のリストを提出したことがあるので、大体、見当が付くんです。一方、6,380回という総引用回数にはビックリ仰天。思わず口をあんぐり開けちゃいました。アンビリーバボー。でもホント。

結論: オイラはRIETANやVENUSを開発しただけじゃなかったんだ!!!

そう、かつては水熱合成のプロフェッショナルで、装置はパーツから自作。銀蝋付けや水溶液入り白金パイプの溶接はお手のものでした。化学輸送法も少々。はっきり言って、プログラミングより無機合成の方が得意なくらいです(自己客観視の能力は正常な範囲内に収まってます)。

超伝導フィーバー後は、日米仏の中性子源をガツガツ使いまくりました。原子炉・パルス取り混ぜてね。当時は抜群の営業能力を発揮し、貴重な試料を次から次へと調達しました。大半のビームタイムが顔パスだったなぁ。1週間丸々ビームタイムいただき、ということさえありました。大体、プロポーザルって、ほとんど書いたことがないんだよな。今後はこういうことのないよう十分気をつけます(← 誰に向かって言ってるんだろ)。

ということで、1997年ごろから、ポスドクは別として自分自身は粉末中性子回折データをほとんど解析しなくなりました。疲れると同時に飽き飽きした結果、プログラミングに専念したくなったのです。その辺の事情については、「統合パターン・フィッティングシステムRIETAN-2000を語る」の冒頭をお読みください。

■ 2007年2月4日(日) 絶妙のバランス感覚

私は本掲示板を世論・評判・レスポンスを調査する場としても積極的に活用しています。

過去1年を振り返ると、訪問者がもっとも多かったのは昨年7月でした。三機関連携ならぬ三者ダメ出し、すなわち

  1. J-PARC用リートベルト解析プログラムに対する事前勧告(7月4日)
  2. 早大、K女史のスキャンダル(7月7日7月13日
  3. フラーレンの結晶構造の連発解析ミス(7月8日7月18日7月19日7月23日
における舌鋒鋭い論評がバカ受けしたのは明らかです。中でも1番目と3番目のダメ出しは、粉末回折のソフトや解析を裏の裏まで知り尽くした者でないと書けない文章だと自負しています。現時点ではJ-PARCでのTOF粉末中性子回折に関心を抱いている人はごく僅かですから、もっぱら残りの二つだけが人目を引いたのでしょう。

破壊は建設も伴わなければなりません。その通りの展開となっています。1月は実質的に約1/3が休日であるにもかかわらず、アクセス件数が昨年7月に迫る勢いでした。流し読みしていただけばすぐわかることですが、1月の掲示板はRIETAN-FP・VENUS支援環境構築の進捗状況の記述に終始しました。この事実は、本支援環境がきわめて多くの方々の関心を集めていることを示しています。3月5日の講習会(1月18日参照)までには必ずブラッシュアップを完了させ、RIETAN-FPとVESTAの最新版とともに参加者全員に配布いたしますので、ご期待ください。

こういうように、講演・講習会を一種のペースメーカーとして利用するのが常套手段となってきました。これまでのところ、効果てきめんです。

■ 2007年2月5日(月) さらなる進化を遂げたRIETAN-FP・VENUS支援環境

拡張子分岐マクロExtDriver.macはまさにRIETAN-FP・VENUS支援環境のために作られたような秀丸マクロです。カレントファイル(現在表示されているファイル)の拡張子に対応する秀丸マクロ*.macを自動的に起動してくれます。これをctrl-Eに割り付けました。

たとえば、*.insを表示している状態でctrl-Eを押すと、RIETAN.macが作動します。*.xyzの場合はORFFE.mac、*.lstの場合はlst2cif.macです。マウスを使わずに種々のアプリケーションを立ち上げられるため、キーボードから指を離すのを嫌うパワーユーザーは狂喜するに違いありません。

テキストファイルを処理の対象とするVESTA/ins、VESTA/den、VESTA/vestaはユーザーメニュー(ポップアップメニュー)に移し、VESTA、Explorer、Manualの3アイコンをツールバーに新設しました。VESTAアイコンをクリックすると、VESTAが立ち上がり、カレントファイルを読み込みます。その実体はExtDriver.macにほかなりません。さらに、VESTA/cifとVESTA/priをユーザーメニューに追加しました。VESTAを起動した場合は、*.vestaが必ず読み込まれます。

当支援環境から起動したVESTAで*.vestaを保存すると、*.ffeに誤ったパス名が付けられるという不具合を見つけました。さっそく門馬綱一君にVESTAの修正を依頼し、解決していただきました。次のバージョン(v0.99.4?)では問題なく動くようになります。

さらに、マクロlst2cif.macの不具合も修正しました。バッチファイルlst2cif.batの新バージョンを通じてlst2cif.exeを実行するよう改めました。

フッ素アパタイトのリートベルト・MEM解析を実行している際のスクリーンショットをご覧ください。ツールバーにはNo. 1−10の秀丸マクロに対応したアイコンが表示されています。五つのファイル(*.ins、*.lst、*.xyz、*.dst、*.cif)が開かれており、カレントファイルは*.lstです。ポップアップメニューには全秀丸マクロ(内14個が自作マクロ)が含まれています。

上記の改善点を反映させた配布ファイルRIETAN-FP.macros.zipをアップロードしておきました。Readme_macros.txtが刷新されましたので、これをよくお読みになってから、再インストールしてください。

■ 2007年2月6日(火) 意外性の発揮

RIETAN-FP・VENUS統合環境の完成度は日増しに高まっています。自信作といって過言でありません。昨年暮れまでは、よりによってWindow専用の統合環境の構築に私が熱中するとは誰も予想していなかったでしょう。この間、Mac関連の開発は事実上停止しています(今後どうするかは白紙)。まさに「君子豹変す」。人の期待を裏切るのは私の得意技ですが、意外性にも富んでおり、ときどき意表を突いた仕事をやってのけます。そういうときは、大抵、血のにじむような努力を重ねてるんですよ。事実、本統合環境を作成し始めて以来、年末年始はもとより、週末も自宅でそのブラッシュアップに精を出してきました。3月5日の講習会(1月18日参照)での配布を目指して、現在でも奮闘中です。

「どうせろくなもんじゃねえだろう」という下馬評を覆し、基幹的知的資産にまで成長したという点では、PRIMA・ALBAのようなオリジナルのMEM解析プログラムやVICS・VEND(それらの発展形としてのVESTA)のような3Dグラフィック・プログラムも同様です。ボブ・ディランでさえ、フォークからロックに転向したときはブーイングを浴びたのです。VENUS開発の意義を疑問視した人々は大勢いたようですが、自らの先見の明の無さを恥じ、頭を垂れるべきでしょう。今や、その瞠目すべき波及効果を否定する人はいないはずです。

■ 2007年2月7日(水) 忍耐、我慢、忍耐、我慢

「君子豹変す」と昨日書き込んだばかりですが、一昨年あたりから私は人前に立つのを躊躇しなくなりました。というよりは、人前で講演(講義)するのを耐え忍ぶようになりました。昨年3月以降は、出ずっぱり状態(約1回/月)。苦手意識を抑えつつ、手を変え品を変え、できるだけ多くの聴衆を集めようと努めているのですから、変われば変わったものです。

それ以外にも、様々な重圧に耐えています。平静を装いながら。

必死に耐え忍んでいるのですから、ストレスの溜まり具合も尋常でありません。ときどきガス抜きをしないと、爆発して木っ端微塵になりそうで、我ながら恐ろしいです。しかし、どうやってガス抜きすればいいのか —— 途方に暮れるばかりです。

■ 2007年2月8日(木) ソフトウェアの話とお土産だけでは迫力不足なので…

3月5日午後にNIMS(千現地区)で開催予定の講習会ですが、泉(RIETAN-FP)と門馬(VESTA)に3人目の講演者(未知構造の解析)を追加するべく交渉中です。できるだけ新鮮で、訴求効果のある内容にするためです。連休明けの2月13日(火)には本Webサイトにプログラムと申込み方法を掲示し、参加申込みの受付を開始しますので、もうしばらくお待ちください。

■ 2007年2月9日(金) 高みの見物

RIETAN-FP・VENUS支援環境と名乗るからには、もう一つ必要不可欠な秀丸マクロがありました。そう、Alchemy.macです。とりあえずRIETAN-FPの出力するテキストファイル*.fosを*.memへ変換できるようにしました。これを追加したアーカイブファイルをアップロードしておきました。

Alchemyはもともと量子ビームプロジェクトの前倒しとして軍資金を供与され、J-PARCにおける利用を念頭に置いて開発しました。リートベルト解析プログラム、具体的にはGSASあるいはFullProfとペアで使います。

ついでに言わせてもらえば、私はJ-PARC用リートベルト解析プログラムなんぞを作成する気はこれっぽっちもありません。余の辞書には「見るに見かねて」という言葉はなし。自分の頭の上の蠅を追うのが先決問題です(2月1日参照)。

J-PARCの関係者が作成しているとかいうリートベルト解析プログラムについての辛口コメントは7月4日の記事をお読みください。

誰でも想像できることですが、そのJ-PARC製ソフトは、10年以上の歳月をかけて現在の形にまで肥大成長を遂げたGSAS、FullProf、RIETAN-FPとは比べるべくもないプリミティブな代物となるのに決まっています。既製著名ソフトを凌駕し得ぬ貧弱なソフトを後出ししても、まったく評価されないのは言うまでもありません。へたをしたら、プロユースに耐えないISIS・DASH用リートベルト解析プログラムであえなく討ち死にしたBill Davidの二の舞です。

はたして、複雑な磁気構造やX線回折データを解析できるようにしてくれるんでしょうか。これらだけは絶対、手を抜かないでほしいです。さもないと、存在意義が事実上なくなってしまいます。

本体だけ出来上がったところで、周辺ソフト、すなわちパターン分解、幾何学的パラメータの計算、CIFの作成、MEM解析、3D可視化など、統合支援環境などが充実していないと、話になりません。

一般に、枯れていないソフトはヤバいです。単位胞内の総電子数が設定値から大なり小なり逸脱していくというMEM解析プログラムMEEDのトンデモない欠陥(2004年4月11日参照)が明るみに出るまでにかかった長い年月を思い起こしてください。実際にパルス中性子ビームが出るようになった後、テストにテストを重ねてデバッグしてからリリースするんでしょうね。

J-PARCが国際的な研究施設だと称するなら、RIETAN-FPを見習って、外国人研究者向けに詳細な英文マニュアルを提供して然るべきですが、果たしてその覚悟はあるんでしょうか。簡易日本語マニュアルでお茶を濁していたら、domesticな施設とみなされても仕方ありません。

上記の仕事全部に真っ向から取り組んだら、10人年(10人月にあらず)はかかりますよ。人材(人柱?)と予算は十分確保してるんでしょうか。前途多難だなぁ。

GSASやFullProfにも結構、弱点はあります。制約(抑制)条件下でのリートベルト解析において、いずれも局所的な最小値に落ち込みやすいのは、RIETAN-FPのアーカイブファイルに含めた三つの放射光データの解析結果から明らかです。古典的なフーリエ・D合成しか利用できないのにも、不満が募ります。はっきりいって、フーリエ・D合成は粉末回折と相性が悪すぎます。ゴーストやrippleだらけのイメージは、かえって有害かもしれません。

そこで、せめてマルチバンクで測定したTOF粉末中性子回折データのMEM解析くらいは実行できるようにしておこう、という意図で開発したのが、Alchemyです。もちろんX線回折データや原子炉を利用した粉末中性子回折にも適用できますが、RIETAN-FPがあれば十分なので、角度分散型回折法は眼中にありません。それにFullProfが出力する■■■■■■は●●が▲▲ていて、◆◆◆になりません(伏せ字希望)。

AlchemyはJ-PARCで測定したマルチバンクのTOF粉末回折データの解析にすこぶる役立つと思われます。もちろん、J-PARCの粉末回折装置で測定した粉末回折パターンにおける実測回折プロファイルにGSASやFullProfのプロファイル関数がよくフィットすればの話ですが。どうなんでしょうか、私には予測不可能。不幸にも、あまりよくフィットしなかったら、「錬金術」の出る幕はありません。その場合は、Alchemyには単なる*.fos→*.mem用コンバータとして余命を保ってもらいましょう。どちらにころんでも無用の長物にはならないような仕様としたので、気楽なもんです。

■ 2007年2月10日(土) 再評価? こちらの方面は真面目にこなします

二つの学会とセミナー業者から相次いで講演を依頼されました。本掲示板に何度も書き込んだことですが、最近は営利事業以外の依頼講演・講義は一も二もなく引き受けることにしています。もちろん、学会からの依頼だけ応諾しました。いずれプログラムなどが確定したら、本掲示板でお知らせします。

デスクトップ機にInternet Explorer 7をインストール。ところが、肝心要のタブ機能が死んでいる! 色々調べたところ、窓の手で"従来のWindowsスタイルでウィンドウ表示する"のチェックを外せばいいということがわかりました。確かにそれで問題解決。ただ私は用心深いので、従来通りFirefoxを使っていくつもりです。

■ 2007年2月11日(日) 最新トレンドに乗り遅れるな!

8日と9日に第一線の有機・錯体化学の専門家が一人ずつ訪問され、有機・錯化合物の粉末構造解析や当該分野の研究動向について長時間、議論しました。非経験的構造解析の重要性を再認識。最先端ナノテクノロジーや医薬品などの分野での需要が急増しており、今や粉末X線回折における最重要研究テーマといって過言でありません(注: 中性子回折はab initio構造解析には本質的に不向き)。

ニッチなこと、時代遅れなこと、誰でもできそうなことには背を向け、高度な技術力を必要とし、旺盛な需要のある新分野に進出すべきです。今後、私も有機化合物や錯体の構造解析に積極的に関与していくつもりです。これこそ、まさに「君子豹変す」(2月6日参照)。4月26・27日に関西で開く粉末構造解析の研究会・講習会の主要テーマが有機化合物のab initio構造解析であることは、今後の方向性と合致しています。

旧金材研と旧無機材研を母体とするNIMSは有機化学や錯体化学の人材が少なく、大学研究室との共同研究が欠かせません。来年度は、我が国でトップクラスの実績と知名度をもち、しかも単結晶X線解析の経験豊富な研究室との密接な連携を通じてRIETAN-FPやVENUSの機能増強とブラッシュアップを図っていく予定です。

■ 2007年2月12日(月) 恥ずかしい話ですが、

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境の製作過程では、RIETAN-FPの計算結果出力*.lstがVESTAで読み込めることをケロっと忘れておりました。サイトの多重度とWyckoff文字も表示できるんでしたね。

RIETAN-FPとVENUSの密接な連携を謳う支援環境がVESTAによる*.lst入力のマクロを欠いているとは、間抜けもいいところ。まだらボケが出てきたんじゃなかろうか。もっとも「フラガール*」と「エコール」のDVDが発売されたら、すぐ観る、と心に誓ったこと(2006年11月29日参照)は忘れておりませんので、真性ボケではありません、ハイ(どっちが大事だと思ってるんだ、バカ、アホ、マヌケ!!!)。

遅ればせながら、支援環境にVESTA/lstの秀丸マクロを追加することにしました。これで、ユーザーメニュー20個が全部埋め尽くされたことになります。

*注: 私が「フラガール」を観そびれたのは、実のところ、RIETAN-FPのマニュアルつくりに忙しかったためでなく、しずちゃん(南海キャンディーズ)がくねくね踊る姿を予告編で見てしまったせいです。

■ 2007年2月13日(火) 「粉末構造解析 —— 次世代ソフトウェアの開発と応用」講習会

に関する詳細な情報を講演と講習のお知らせに掲示しました。これは量子ビーム技術の普及と発展を図り、われわれの研究成果を社会還元するための活動の一環であり、NIMSの研究者はもとより、外部の方々(学生も含む)にもオープンな無料講習会です。多孔質物質、有機化合物、錯体の構造解析を中心テーマとすると謳ってはいるものの、無機・金属化合物の構造解析に興味をもつ人々にも有益な催しとなるはずです。

広い会場、十分な数のRIETAN-FPのマニュアル、お土産15点(参加登録者限定)を用意しました。もちろん目玉商品はRIETAN-FP・VENUS統合支援環境です。配布文書(マニュアル、PDF)の総ページ数は261ページに達しています。坂根弦太氏執筆の懇切丁寧なテキストはVESTAの簡易マニュアルとしても役立ちます。

年度末のあわただしい時期ではありますが、奮ってご参加くださるようお願いいたします。

当日の参加登録も受け付けますが、RIETAN-FPとVESTAの最新版、RIETAN-FP・VENUS統合支援環境などをご所望の方(NIMSの研究者も含む)は、「参加登録の連絡先」の箇所をお読みになった上、私宛にメールをお送りください。

NIMS(千現地区)は東京から意外に近いです。秋葉原駅でつくばエクスプレス(TX)の快速電車に乗りますと、45分でつくば駅に到着します。そこから会場のNIMS(千現地区)までは、歩いて15分程度です。また、東京駅八重洲南口からつくばセンター行き高速バスに乗り、千現1丁目で下車しますと、徒歩5分でNIMSに到着します。北関東・信越・東北地方から来られる場合は、大宮駅東口で土浦・つくば行き高速バスに乗り、千現1丁目で下車するとよいでしょう。

■ 2007年2月14日(水) とるものもとりあえず

3月5日の講習会の参加者に配布するRIETAN-FPの英文マニュアル(第2版)のPDFファイルをそろそろ印刷所に渡さなければなりません。ところが、TeX統合支援環境TeXShopの新バージョンv2.10beta8がリリースされたばかりで、しかもそれを使うにはTeXパッケージ全体をTeXLive-2007に更新する必要があるということを偶然知り、そっちの方を優先しました。といっても、両者のインストールは実に簡単で、すぐ終了。

マニュアル仕上げの合間を縫ってRIETAN-FP・VENUS統合支援環境を少々手直しし、アップロードしました。テストユーザーの方々、よろしくお願いいたします。VESTA関連の不具合は次期バージョンのVESTA(講習会の事前参加登録者に配布)で解決します。

秀丸マクロは追加したり、順番を変えたり、キー割り当てを変えたりするのが実に面倒です。一括管理できるダイアログボックスがあれば助かるのですが。設定法はしっかりメモっておいたものの、もうこれ以上弄りたくないですね。

講習会のお知らせに明記しましたが、配布ファイルのダウンロードを希望される方は、必ず当日までに「ダウンロード希望」という件名のメールを私にお送りください。そうお願いする理由は簡単 —— メールアドレスを打ち込まずに済むからです(要するに手抜きのため)。

■ 2007年2月15日(木) サバイバル・ゲーム

いつの間にやら神奈川に舞い戻っていた古谷龍也君がcrystal blog2月14日2月15日)で3月5日の講習会とRIETAN-FP・VENUS統合支援環境を紹介してくれました。そう、彼は本支援環境のテストユーザーなんです。彼のおかげで、マニュアルの間違いとマクロの不備な点が一つずつ見つかりました。VESTAの改善につながるような建設的な提案もいただきました。拙作(秀丸マクロ)の芸の細かさを褒めてもらったのには意を強くしました。RIETAN-FPとVENUSの使用効率が劇的に向上するのは事実で、自分自身が重宝しています。Mac用のRIETAN-FPとVENUSの開発は息の根を止められた感が強いです。

「中性子は未知構造解析向きではない」 —— その通りです。一般に、中性子回折では構成原子にコントラストがつきませんから、位相問題を解決しにくいです。

また、有機化合物やタンパク質に含まれている水素原子は、25.274 fmという大きな非干渉性散乱径のためにバックグラウンドを著しく上昇させ、S/N比を悪化させます。水素をすべて重水素化するわけにいかぬ場合が圧倒的に多く、質の高い回折データの測定が困難となります。次世代パルス中性子源でビーム強度がいくら強まろうが、事情は不変。したがって、この種の化合物を扱う場合、中性子回折は主として水素を見るというニッチな目的に使うに過ぎません。高い水素認識能力はS/N比の悪さで相殺されます。おまけに、タンパク質の構造解析では、かなりサイズの大きな結晶が必要です。民間企業がおいそれと乗ってくるはずはありません。中性子回折の専門家はこういう欠点のことになると口をつぐむ傾向がありますので、ご注意を。

もちろん、放射光で飯を食っている人々も、自分たちに都合の悪いことは極力隠そうとします。陰でヒソヒソ囁いているだけ。コストパフォーマンスが悪い施設の関係者は皆、生き残りに必死ですから、良い事は誇張し、悪い事については沈黙します。仲人口みたいなもんですね。

それらの人々が"under the carpet"に秘匿している事実を公衆の面前でズケズケしゃべる御仁は、業界にしがらみをもたず、高みの見物を決め込んでいるI先生くらいです(笑)。研究資金の争奪戦を繰り広げている競争社会とは無縁の存在ですから、恐い者知らず。「競争」はおろか、「利他」しか頭にありません。人を押しのけパイを奪い合うのでなく、ひたすらソフトと情報を他者に与えるだけ。そういう脂っ気の抜けた傍観者(出過ぎた釘?)が一人くらいいる方が、世のため人のため、SR・中性子源ユーザーのためになるのではないでしょうか。

上記の講習会、2月15日のDV-Xα&VENUS日誌でもご紹介いただきました。講演者一同、坂根弦太氏のような単結晶X線解析のエキスパートにも参考になるよう精一杯努めます。

■ 2007年2月16日(金) 準備進行中

RIETAN-FPの英文マニュアル第2版の原稿を印刷会社に渡しました。かなりの出費を負担してくださるスポンサー様はNIMSの量子ビームセンターです。第1版と異なり、表紙は空色にするようお願いしました。NIMS内部向けの開催通知は近日中に出してもらいます。

「粉末構造解析 — 次世代ソフトウェアの開発と応用」講習会をつくば市で開くのは勤務先や地元も大切にするという姿勢を示すためですが、東京と違って交通至便という訳にはいきません。さぞかしローカルで閑散とした催しになるんだろうな、と危惧しておりましたが、そういう事態には陥っておりません。最も遠方はなんとイギリスから、そのほか愛媛、岡山、大阪、京都、福井、愛知、宮城からもお越しいただきます。外国人登録者もお二人ほど。登録数もまずまず。せっかくNIMSで開催するのですから、つくば市内の産総研、筑波大、KEK、民間企業などの研究者にもぜひ参加していただきたいと願っております。

茨城くんだりまで足を運ぶ気にならねえ、というのだったら、逆に私を呼べばいい。1年余り前からは、あらゆる要請(営利事業を除く)に応えるよう努めているのですから。「君子豹変す」とはまさにこのこと。

「いくぜ! どこへでもいくぜ!」

というのは、とある映画(匿名希望)のセリフですが、私も同じ気持ち。お声がかかればどこへでもいく覚悟はできています。PCを詰め込んだリュックを背負ってね。それで疲れ果て、病に倒れたところで、本望です。

■ 2007年2月17日(土) サイエンスと無縁の汚れ仕事

TeX統合支援環境TeXShopの素晴らしさに触発されてRIETAN-FP・VENUS統合支援環境を開発し始めてから、早2ヶ月近くになります。年末年始や週末も費やした末、ようやく収束に向かっています。新たな知識の習得が次第に困難になりつつあります。秀丸マクロの文法がC言語ライクだったから飛びつけたものの、emacsのようにLispでマクロを記述しなければならないのだとしたらお手上げだったでしょう。ここまで到達するのに2ヶ月もかかったのも、明らかに年のせいです。

いずれRIETAN-FP正式版をリリースしたとしても、本支援環境を配布パッケージには含めるつもりはありません。科学技術計算エンジンと支援環境は独立なパーツとみなしているので。支援環境をWebで配布するかどうかは未定です。あらゆる自作ソフトと情報をWebで配布するのは止めるという既定方針(1月10日参照)に従い、3月5日の講習会のような催しの参加者だけに差し上げる可能性もあります。

本来、科学技術計算ソフトのエンジン以外の部分は別な人が作って然るべきものです。誰もやってくれないから、仕方なく自ら手を染めた次第。GSAS用のGUIプログラムEXPGUIを作成したのはNIST(現在はANL)のTobyでした。歯に衣着せぬ言い方をすれば、GUIつくりなんて創造性もやり甲斐もない苦役にすぎないんですよ。VESTAのように、手の込んだアルゴリズムを実装した科学技術アプリケーションの一部としてGUIを実装するのなら大したもんですが、さんざん手間暇かけた末、不完全なGUIだけ拵えたTobyは、いったい何を考えているんでしょうか。ちょっと高度な機能を使う段となると、コマンドを打ち込まなければならないんですよね。

■ 2007年2月18日(日) 秀丸エディタの最適化

秀丸エディタは"その他"メニュー下の"動作環境"と"ファイルタイプ別の設定"で非常に多くの項目をカスタマイズできます。今日は、RIETAN-FP・VENUS統合支援環境用に一部の設定を変更しました。Readme_macros.txtも少しだけ加筆。講習会(3月5日)に先だつ完成を目指し、本支援環境の開発はついに最終ステージ入りしました。ここまで作り込めば、もうfinal candidateといってよいでしょう。

■ 2007年2月19日(月) テストユーザー様、よろしくお願いいたします

RIETAN-FP v1.36bをリリースしました。*.insと同じフォルダに*.vestaが存在する場合、リートベルト解析終了後に*.vesta中の格子・構造パラメータを更新するよう改めました。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境で用いている田楽DLLの新バージョンv2.92が公開されたので、配布ファイルにはそれを含めました。もちろん、昨日記した改善点も反映されています。

なお、本支援環境を利用する際には、先行開発バージョン6.50β2Xの秀丸エディタをインストールする必要があることにご注意ください。さもないと、一部の秀丸マクロがエラーを引き起こします。この度が過ぎた先走りっぷりには、我ながら呆れております。

■ 2007年2月20日(火) まあ、そう貴重なデータではありませんが、

講習会(3月5日)への参加登録を呼びかけ始めてから1週間、早くも参加人員が目標(40人)を突破しました。年度末という時節柄、うら寂しい集会になりかねないな、とおびえていましたが、これだけ集まれば一安心。NIMS内への開催アナウンスはこれからなので、最終的な参加者は今後もじりじり増えていくでしょう。明日までには50人に達しそうな勢いです。

千現地区で一番広い部屋を確保しましたので、満員御礼になる恐れは絶対ありません。ぜひご出席ください。参加登録は講習会前日まで受け付けます。

参加者(というより配布ファイル・ダウンロード希望者)名簿をExcelで作っている最中に、Mac OS XのメーラーMailが暴走し始め、過去の受信メールのほとんどすべてを失ってしまいました。私がなにか操作ミスしたのでしょう。昨年末までの送受信メール全体をDVD-Rに焼いておいたので、約1.5ヶ月分の喪失で済みましたが、とんだ災難でした。

■ 2007年2月21日(水) 少数者の悲哀

プレゼンテーション用のノート型PCにはMcAfeeのセキュリティ対策ソフトがインストールされていましたが、更新が異様に遅い上、近頃はウィルス定義が更新できなくなってしまったので、えいやっと削除し、NIMS内で利用可能なウィルスバスター コーポレートエディションと選手交代させました。自分でウィルス定義を更新しなくても済み、実に便利です。Adobe Updaterも問題なく動くようになりました。

ただ、Mac用のウィルス対策ソフトが提供されていないのは片手落ち。なんとかしてくれませんかね。

■ 2007年2月22日(木) 集客状況

予想通り、昨日、3月5日の講習会の参加予定者が50名を越えました。定員倍増伝説のときと同じくらい聴衆が集まれば申し分ないですが、東大(駒場)ほど地の利を得てないし、学協会の会誌やWebサイトなどで開催を通知した訳ではないから、無理だろうなぁ。もっとも、本講習会は即戦力のお土産がいくつも手に入るという点で訴求力が高まっているはずですが。今回初めて披露するRIETAN-FP・VENUS統合支援環境はとりわけ魅力的です。

秀丸エディタの不適切な設定を一つだけ修正し、Readme_macros.txtもわずかながら改訂しました。これに伴いRIETAN-FP_macros.zipをアップデートしました。

■ 2007年2月23日(金) 講習会に向けて二歩前進

「粉末構造解析 — 次世代ソフトウェアの開発と応用」講習会(3月5日)の参加者に配布するために、「三次元可視化システムVENUS、教育用分子軌道計算システムeduDV」というタイトルの文書(36ページ)を坂根弦太氏に改訂していただきました。VESTAの最新版v0.99.4に対応しています。

これはもともとDV-Xα法で得た計算結果を3D可視化しようとする方々のために執筆された文書ですが、カラーの図を多用した懇切丁寧な記述はVESTAの初心者にも大いに参考になるに違いありません。

RIETAN-FPの標準出力*.lstをVESTAで読み込んだ場合に限り、VESTA形式ファイル*.vesta中の構造パラメータの後ろに(サイトの多重度)+(Wyckoff文字)が記録されます。そして、RIETAN-FPによるリートベルト解析終了後に*.insと同一のフォルダに*.vestaが存在すると、RIETAN-FPは*.vesta中の格子・構造パラメータを精密化値に更新します。その際、(サイトの多重度)+(Wyckoff文字)が記録されないというバグが報告されましたので、v1.37b(これまた上記講習会の参加者に配布)で修正しました。さらにVESTAに合わせて、分率座標x、y、zの更新値のフォーマットを3F11.6に変更しました。配布ファイルをアップロードしましたので、テストユーザーの方々はよろしくお願いいたします。

■ 2007年2月24日(土) 独法ともあろうものが商売っ気なしでいいんかいな?

本日、「粉末構造解析 — 次世代ソフトウェアの開発と応用」講習会の参加登録者はその後もじりじり増え続け、本日、60人の壁を突破しました。3月5日まであと9日を残していますから、ひょっとすると定員倍増伝説の記録を抜くかもしれません。

年度末の閑散期に茨城で開かれる、一研究グループのセミナーに毛の生えたようなマイナーな集会がなぜ人を引き寄せる得るのか —— 理由は明白、てんこ盛りの豪華みやげ付き講習会という斬新なビジネスモデルのおかげです。しかも目玉のRIETAN-FP・VENUS統合支援環境は参加登録者しか手に入らないという仕組みになっているのですから、60人程度のお客は集まって当然といえば当然。VESTAの素晴らしさが口コミで伝わりつつあることも追い風になっているのでしょう。

まるで興行師みたいになってきたな。おっと、一銭も儲からないんだったっけ(汗)。何がビジネスモデルだ!

■ 2007年2月25日(日) Windows Vista UltimateとVisual Studio 2005を発注

主目的はIntel Visual Fortran Compilerで64ビットCPU用PRIMAをビルドするためです。事実上2 GBの実メモリしかユーザーに解放されていないWindows XPに比べ、Vista x64 Editionでは桁違いに広大なメモリ空間(最大128 GB)を利用できます。メモリさえ大量に積めば、仮想記憶の作動やエラーの発生なしにピクセル数や反射数が非常に多いデータを処理できるようになります。

もちろんRIETAN-FPの64ビットアプリケーション化も視野に置いています。来年度は既成アプリケーションの64ビット化を遂行していく予定です。

■ 2007年2月26日(月) 新たな伝説の誕生

門馬綱一君がVESTA v0.99.4をリリースしてくれました。*.vesta中に*.ffeなどのファイルの相対パスが正常に記録されるようになりました。またManipulationにショートカットキーが割り当てられました。

これで、3月5日の講習会の参加登録者へのプレゼント16個の準備が完了したことになります(RIETAN-FPのマニュアルは印刷中ですが)。

本講習会の参加登録者は依然として順調に増えており、本日ついに定員倍増伝説のときの参加者数を越え、75名に達しました。

「立ち見でも構いませんので、参加させていただけないでしょうか?」というメールが届きましたが、2月22日にも書き込んだように、千現地区一広い部屋(収容人員200人?)が予約してありますので、参加者全員が必ず座れます。ご心配なく。

ある方から講習会の内容についてメールで問い合わせがあったので、お答えします。「中性子散乱セミナー」という看板を掲げてはいるものの、中性子回折の話はほんの一部、とくに池田氏の講演は粉末X線回折データの解析技術に関するお話です。といっても、RIETAN-FPとVESTAは放射光・X線・中性子回折といった量子ビームの種類を問わずに利用できますので、必ずしも羊頭狗肉という訳ではありません。

■ 2007年2月27日(火) 目指せ、90名!!!

本日、3月5日の講習会の参加登録者が82名にまで増えました。本講習会に関する情報はさほど広まっていないはずですから、82人というのは驚くべき数字です。正直なところ、これほど集まるとは夢にも思っていませんでした。学協会の会誌・Webサイトに会告を出していたら、軽く大台(100人)に乗っていたはずです。

■ 2007年2月28日(水) オブジェクト操作における利便性の向上

VESTA v0.99.4に組み込まれたManipulationのショートカットキーについて門馬君から教えてもらいました。Graphic Window内にカーソルが位置している状態で、Rotate, Magnify, Translate, Select, Distance, Angleの先頭文字を押すだけだそうです。実際に試してみると、実に便利。v1.0の名に値する改良だな、と感じました。

3月5日の講習会の参加者には大いに喜んでいただけることでしょう。結晶・電子構造の3D可視化に対する需要はきわめて旺盛なはずです。VESTAをいち早く入手できるというだけで、本講習会に参加する値打ちは十分あるといって過言でありません。

v0.99.4のリリース後に不具合が二つ見つかりました。3月5日の講習会までに門馬綱一君にデバッグしてもらい、参加登録者にはv0.99.5を配布する予定です。

■ 2007年3月1日(木) タイムラグなし、即戦力、しかもコストパフォーマンス最高

「粉末構造解析 — 次世代ソフトウェアの開発と応用」講習会の参加登録は、できれば3月2日(金)までに済ますようお願いいたします。もちろん週末の間も受け付けますが、当日私が行うべき作業をできるだけ減らしたいのです。

その後、同講習会の登録者数は97名にまで増え、100名の大台に乗る可能性さえ出てきました。定員倍増伝説など、どこかに吹き飛んでしまいました。茨城で開催するローカルな催しでも集客力が一向に衰えないことが判明し、嬉しい限りです。

自ら取り仕切った集会の参加人員の多寡は、私にとって死活問題なんです。閑古鳥が鳴くということは、「お前はもう死んでいる。」と戦力外の烙印を押されるようなもんですから。気力・体力ともに衰えつつある今、●●●のヒモ付き研究会みたいにたかだか二三十人しか集められなかったとしたら、鬱状態に陥りかねません。

この一年、我ながらよくがんばったなぁ、と感じています。地道にソフトを開発する傍ら、自作自演入りの講演も頻繁に行うというコントラストに富む研究活動スタイルを貫き通しました。多数の聴衆を集めた講演・講習会の開催がソフト開発を加速させるとともに我々を鼓舞し、ソフト開発の進展がさらにお客を引き寄せるという好循環が続いています。講演・講習会に来ていただいた方々だけにアーカイブ・ファイルやマニュアルを差し上げるという、悪平等を回避する配布方式もすこぶる好評です。

2月1日にJAEAで開かれた燃料電池研究会で、私は

J-PARCは当分利用できません。一方、我々のソフトはほぼ完成しており、今すぐ誰でも使えます。

と言い放ちました。そう、RIETAN-FPやVESTAはすでに手の届くところにあって、いつでもどこでも誰でも利用できるんです。おまけに実験提案書を提出し、審査を受け、ビームタイムの割り当てを延々と待ち続ける必要もありません。その辺にころがっているPC上で実行でき、巨額の建設・運転・維持経費も出張旅費も不要です。茨城県中性子利用促進研究会の活動の一環として両ソフトに関する講演会を開いたところ、他の講演会のざっと3倍の参加者が集まったのは、これらの理由からです。開発費(= 投入した血税)は僅少、敷居が低くて、波及効果抜群で、研究はもとより教育にまで貢献しうる —— これぞ個人研究の成果を通じた社会貢献の鑑と自称してはばかりません。

■ 2007年3月2日(金) Good and bad news

Good news:「粉末構造解析 — 次世代ソフトウェアの開発と応用」講習会の参加登録者は120名(下記救済者も含む)にまで増加しました。目標の3倍弱です。この講習会に出席するために、遠くスウェーデンから駆けつける方もいらっしゃいます。これほど多くの方々にお越しいただけるという事実には、本当に勇気づけられました。ドン・キホーテの如く老骨にむち打って突進し続けている私を激励したいという方々も含まれているのではないでしょうか。おかげさまで、ソフト開発のモチベーションが一層高まりました。出席者の方々には厚く御礼申し上げます。なお、出張旅費やスケジュール上の理由からどうしても出席できないが、配布ファイルはぜひダウンロードしたいという方のためには条件付き救済策を用意しました。詳細は私にお問い合わせください。

Bad news: 疲れのせいか、風邪をひいてしまいました。喉がガラガラで、かつ微熱。なにしろ、昨年秋にRIETAN-FPのマニュアルを書き始めてから、ろくに休みをとってないからなぁ。まあ、月曜日の講演はなんとかなるでしょう。

2月26日に、NIMS(千現地区)の第一会議室の収容人員をquestion markつきではありますが、200名と書き込みました。ところが、実際には130名程度だということが判明しました。ということは、ワークスペースも考慮すれば、相当ぎちぎちです。まあ、当日都合が悪くなる人が数名はいるでしょうし、いざとなったら椅子を追加しますから、最悪の事態(立ち見)には絶対陥らないはずですが。

門馬綱一君が上記講習会の参加者向けにVESTA v0.99.5をリリースしてくれました。これで講習会の準備がほぼ整ったことになります。

■ 2007年3月3日(土) おみそれいたしやした

私はほとんどの図面をAdobe Illustratorで作成しています。長年にわたり不満に思い続けてきたのは、symbolフォントのギリシャ文字をイタリックにできないことでした。しかし、それが単なる思いこみにすぎなかったということを昨日知りました。ギリシャ文字を選択ツールで選択した後、オブジェクト → 変形 → シアー...で傾けるという技を繰り出せばいいんです。ただし、文字列中の一文字だけにシアーを施すのは無理なようです。

大体、Illustratorほどのソフトでそれくらいのことができない訳がないですね。面倒くさがらずにサポート係に尋ねるべきでした。

このほか、アカウントが2つ存在する場合、Mac OS Xの標準メーラーMailの終了が極端に遅くなることがある、という問題に対する対症療法も最近発見しました。現在、私のPower Mac G5は未だかつて類を見ないほど安定に稼働しています。

■ 2007年3月4日(日) しょこたん

ここのところ、当掲示板はRIETAN-FPのマニュアル、RIETAN-FP・VENUS開発環境、講演・講習会関係の記事で埋め尽くされており、マニュアルが何ページまで増えただの、どういうマクロを追加しただの、参加者が何名に達しただの、どうでもいい情報ばかり垂れ流しております。その味気なさ、つまらなさ、冗長さは行き着くところまで行った感があります。もううんざり、という方が多いのではないでしょうか。年甲斐もなく焦り狂って仕事ばかりしていると、必然的に話題が少なくなってしまいます。今後少しずつ改善していきたいと存じます。

そこで、最近のBlog界の情勢について少々調べてみました。Blogの女王は真鍋かをりから中川翔子(しょこたん)に世代交代したのだそうです。確かに真鍋かをりは「ウォーターボーイズ」(2001年)に腹ボテ先生役で出演してたくらいですから、とうが立ってますね。しょこたんについて私は何の知識も持ち合わせておりませんが、それほどもてはやされているからには、よほど何かが凄いのだろうと思い、しょこたんぶろぐを拝見し、夢が丘レジデンス(火曜)をほんの10分ほど見ました。別な番組で、おニャン子クラブ風の歌も一曲聴きました。

アイドル、マンガ、コスプレ、ヲタク、松田聖子フリーク、Blog —— 大分前に観た「恋の門」の証 恋乃と同系統の珍人類ですな。私見によれば、どれをとっても今一(研究者にもこういう人って多いよね)。Blogに至っては無内容の極致。こまっしゃくれた顔にはあまり親しみがわきません。大体、なんでこのコムスメが女王なんだよ!

これは若いうちだけが華、到底長続きしないな、と察しますが、いかがでしょうか。

■ 2007年3月5日(月) 「粉末構造解析 — 次世代ソフトウェアの開発と応用」講習会、盛況のうちに無事終了

雨交じりの強風が吹き荒れる悪天候にもかかわらず、121名もの方々が参集してくださり、第一会議室がほぼ満杯となりました。開催者としては、嬉しい限りです。

喉の状態が最悪でしたが、なんとか自分の持ち時間を乗り切りました。疲れと微熱のため、後の時間はボーっとしておりました。

門馬綱一君の講演を聴いていて何度も感じたのは、「あれっ、そんなことまで出来たのか」ということでした。門馬君にはVESTAで新たに実現した機能を文書化してもらっているので、いずれそれを配布することになります。楽しみにしていてください。

池田卓史氏には、実験室系のX線回折装置でも十分ab initio構造解析を行えるのだから、その辺もしっかり述べてほしい、と要望してありました。放射光・中性子研究施設のヒモつき研究集会では、施設にとって都合の悪い話題は語りにくい「空気」が漂っています。空気を読めない(というよりは、読めない振りをする)ことでは定評のある私でもひしひしと感じるのですから、無言のプレシャーは恐るべきレベルに達しているものと思われます。NIMSの一組織が開催した今回の講習会で公平・中立な立場に立脚した本音ベースの話が聞ける数少ない機会を提供したのは、その意味でも画期的だったと自負しています。

ともあれ、これで一段落着きました。次はあれ(粉末回折と無関係なヤツ)を片付けることにしましょう。

■ 2007年3月6日(火) 大量のお土産

昨日の講習会の出席者のために、VESTA関係を除く全ファイルを圧縮ファイルにしたのですが、101 MBもありました。NIMSのサーバにアップロードしたからよいものの、百数十名の方々が.Macのサーバから短期間にこれをダウンロードしたら、自分のWebサイトが運転停止に追い込まれたことでしょう。参加者+救済者の方々は、その中身よりむしろボリュームにただただ圧倒されたに違いありません。

これに別なWebページでダウンロードするVESTA関係のファイルを加えると、128 MBに達します。解凍すればさらに膨れあがるのは言うまでもありません。じっくり時間をかけて堪能してください。

RIETAN-FPのマニュアル(印刷物)はまだ36部残っています。参加者で受領しなかったという方がおられましたら、郵便番号、住所、氏名を明記したメールを私にお送りください。秘書に郵送してもらいます。NIMSの研究者には所内メールでお送りします。

■ 2007年3月7日(水) 体調不良

風邪が治り切っていないのに、昨日から手じんましんが手足などの広い範囲に広がり、ショックを受けました。皮膚科医院の先生は、過度の疲れ・ストレスが誘発したのではないか、と仰ってました。確かに去年の秋ごろからほとんど休むことなく働いてきたし、3月5日の講習会を開催するために相当無理したし、某施設の関係者と覚しき輩から脅迫じみた匿名メールが届いたりしたからなぁ(求心力が失われている証拠)。しばらく仕事は控えめとし、なおかつ精神を安楽に保つよう留意します。

■ 2007年3月8日(木) 拍子抜け

健康を回復するには、新たな仕事に熱中し、気分をリフレッシュするのがなにより。RIETAN-FP・VENUS統合支援環境の完成から間もない今、せっかく苦労して身につけたテクニックを忘れぬうちに、他のアプリケーション用に活用すべきです。そこで、かねてから目論んでいたDV-Xα分子軌道計算支援環境のプロトタイプの製作に着手することにしました。初日の今日は、7つのマクロを秀丸エディタに組み込みました:

ファイル名がすべて固定されているため、ほとんど滞ることなくここまで進みました。簡単すぎて、腕の振るいようがありません。田楽DLLを使ったのは、DVSCAT2.macだけ。物足りないなぁ。

とりあえず、これらの基本操作がコマンド抜きで実行できるようになりました。今後、少しずつ秀丸マクロを追加していくつもりです。コマンドプロンプトなどちんぷんかんぷんの若い世代にDV-Xα法を普及させるには、うってつけのツールだと思います。

■ 2007年3月9日(金) 3D可視化関連マクロ

DV-Xα分子軌道計算支援環境に次の四つの秀丸マクロを追加しました:

スピンを考慮するか否かでDVSCAT.batの最初の引数(メモリーモデル)を変えなければならないのですが、grepコマンドで自動的に判定するようDVSCAT.macを改良しました。grepを実行すると、検索結果を表示するウィンドウが現れますが、邪魔になるだけなので、最後に消します。

DV-Xα研究協会が配布しているFortranプログラムはすべてDOS exterderを利用しています。Windows XP上でDOS extenderを走らせたところで、なんのメリットもありません。Intel Visual Fortran for Windowsで再ビルドした実行形式ファイル(contrdを含む)がほしいです。Pentium 4用に最適化すれば、軽く2倍は速くなるに違いありません。といって、自分でビルドしたくはないしなぁ。どうしたらいいんだろう。

秀丸マクロ作成の過程で、contrd配布ファイルcontrd.tbz中のReadme_contrd.txtに些細な誤りがあることに気づき、contrd.tbzを更新しました。

■ 2007年3月10日(土) 自ら使う気はありませんが、

gnuplot v4.2の公式版がリリースされていました。

■ 2007年3月11日(日) 軌道修正

DVFILEに記述した通りにDVSCAT.batを繰り返し実行するバッチファイルDVSCAT2.batが気に入りません。計算の自動化が中途半端だからです。PCにできる汚れ仕事を人間様がやることはない、というのが私の基本方針。そこで、DVFILE.macとDVSCAT2.macは廃棄し、DVSCAT.macを改良することにしました。DV-Xα分子軌道計算が収束すると、F06Zの一行目に"Converged"と出力されるので、それまで自動的に計算を繰り返すようにするつもりです。

もちろんPerlやPythonでも同様なスクリプトを書けるのですが、秀丸マクロの場合、短いCプログラムを作成するような気分でコーディングできるというメリットがあります。秀丸エディタのGUIをフルに活用できるのも堪えられません。つまり、少なくとも自分にとって秀丸マクロはPerlやPythonのスクリプトより付加価値が高いのです。

■ 2007年3月12日(月) あっけなく完成

昨日記した計画を早速実行に移しました。DVSCAT.BATなどを実行すると必ず画面に出力される"KKCFUNC が組み込まれました"というメッセージが目障りなので、まずその現象を回避する対症療法を施しました。次に、i(non-spin)・j(spin)クラスのDV-Xα計算を行えるようにDVSCAT.BATを書き換えました(注: その後、http://chem.sci.hyogo-u.ac.jp/hajimete/dv_f.lzh中にi・jクラスにも対応したDVSCAT.BATが含まれていることを坂根弦太氏から教わりました)。さらに、DV-Xα計算が収束するか、最大のサイクル数に達するまでDVSCAT.BATの実行を繰り返し、収束後にF08EとF26を自動的に開くという秀丸マクロDVSCAT.macを作成しました。このマクロでは、「大は小を兼ねる」という観点から、常にi・jクラスの実行形式ファイルを使用します。

ほぼ満足のいくものが出来上がりました。といっても、たった19行しかない、可愛らしいマクロです。少々物足りないな、と感じました。

■ 2007年3月13日(火) 83行に増えました

いくらなんでも19行ぽっちでお茶を濁すのは自分らしくないと反省し、雑用の合間をぬってDVSCAT.macを大改造し、F01の最終行で計算サイズ(4段階)をオプション指定できるようにしました。F01の行数が一つだけ増えますが、実害はありません。その付加的な行がないときは、デフォールトの値(最大サイズ: 4)に設定されます。dvscat.batの最大実行回数はDVSCAT.macの冒頭に書かれており、必要ならユーザーが変更できます。さらに、変数サイズ(n、s、w、u、g、h、i、j)を自動決定する部分をサブルーチン化しました。そのサブルーチンは変数サイズを最初の引数で指定するバッチファイルを呼び出す、すべてのマクロで使えます。contrd.macへの導入も試み、問題なく動くことを確認しました。

全面的に書き換えているうちに、ifブロックとgrep(正規表現使用)だらけの難解なマクロに成り果ててしまいました。ここまで凝らなくてもよかったかな。

f01、CHG3D.scat、POT3D.scatへのリンクを含むファイルSCAT.vestaを読み込む秀丸マクロSCAT_all.macを作成しました。あらかじめf01と同一のディレクトリにSCAT.vestaを保存しておけば、常に最新のf01、CHG3D.sca、POT3D.scaに対応した3D可視化(球棒模型+静電ポテンシャルで彩色した等電子密度表面)が可能となります。

■ 2007年3月14日(水) さらなるブラッシュアップ

ファイル中の文字列を検索するためのコマンドとしてgrepでなく、searchdownを使う方がスマートだということに気づき、DVSCAT.macおよびcontrd.macを修正しました。この過程で、searchdownのオプションとして"loop"を付けておくべきだということに気づいたのは大きな収穫でした。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境を製作していたころには知らなかったテクニックを徐々に習得しつつあります。秀丸マクロの奥の深さは計り知れません。

DV-Xα計算関係のファイルは拡張子をもちません。そこで、窓の手(右クリックメニュータブを選び、"未登録ファイルを…"をチェックし、その下を適当に変更)により右クリックメニューに「秀丸で開く」という項目を追加し、これらのファイルやバッチファイルなどを迅速に開けるようにしました。実に便利。もっと早くこうするべきでした。

Windowsでは拡張子のないファイルは扱いにくいです。無宿人同然の存在でして、ダブルクリックしても、どのアプリケーションで開いたらいいのかが不明です。秀丸から抜けずに事が済むDV-Xα法計算支援環境の御利益はこういうところにもあります。計算終了後に自動的に出力ファイルを開いてくれるのですから、ダブルクリックも右クリックもコマンド入力も不要なのです。

■ 2007年3月15日(木) DV-Xα法計算支援環境のプロトタイプ

が完成に近づきつつあります。自作秀丸マクロの数は22個にまで増えました。有機化合物や錯体のようにとりたててクラスターを切り出す必要がない場合は、すでに実用レベルに達していると思われます。F01、F03、F25を作成するためのマクロは、現在開発中というユーティリティのリリースを待って追加すればいいでしょう。この辺で一服することにします。

今後、テストとブラッシュアップを繰り返した後、4月26・27日に関西で開く有機化合物の粉末構造解析に関する講演・講習会の参加者にRIETAN-FPやVESTAの最新版などとともに進呈する予定です。その研究集会の詳細については、26日ごろ本Webサイトでお知らせいたします。

■ 2007年3月16日(金) DV-Xα法計算支援環境のテスト開始

インストール・使用法をReadme_DV.txtという文書にまとめ、秀丸マクロ一式とともにテストユーザー1名に送付しました。今後しばらくは、われわれ二人で改良を重ねていきます。といっても、SPD部会のメンバーによるDV-Xα法関連プログラムの公開と仕様変更が律速段階であるため、進捗スピードについてはまったく予測がつきません。

本支援環境には、RIETAN-FP・VENUS統合支援環境の構築過程で習い覚えたテクニックを徹底的に導入しました。エディタから抜けずに全処理を効率よく進められる環境の出現は、SCATのユーザー、とくにCUI(Character User Interface)を毛嫌いする20代の青年を大いに喜ばせるものと確信しています。GUIしか知らぬ今時の若者にコマンド入力を要求するのは酷な話です。SCATは扱うファイルが非常に多いので、タブつきウィンドウの威力が遺憾なく発揮されます。1ウィンドウにつき1ファイルではデスクトップ上が散らかり、収拾がつかなくなります。

これまで一々コマンドを打ち込んで各プログラムを実行し、拡張子のない出力ファイルをエディタで一つ一つ開くという七面倒くさい操作を強いられてきたSCATのユーザーたちは、本支援環境の使い勝手の良さと利便性に爽快なインパクトを受けるに違いありません。これでまた引き出しが一つ増えました。

特筆大書したいのは、このテクニックの汎用性です。たとえば、FortranやCなどで書かれた科学技術計算ソフトを実行し、出力ファイルを表示し、ファイル変換を行い、計算結果をグラフ表示あるいは3D可視化するといった一連の操作がボタンのクリックやプルダウン・ポップアップメニューでの選択により能率よく実行できます。ユーザーによるマクロの書き換えも、比較的容易です。

ところで、今日は待ちに待った「フラガール」のDVDの発売日です。もう秀丸マクロどころじゃありません。即日、買いに走りたいところですが、体調の悪さに加え、支援環境の突貫工事に疲れ果てました。明日に延期します。

■ 2007年3月17日(土) ラッキーなことに

フラガール」のDVD、15%引きで特売!しかも、これまでため込んだポイントで手に入り、得したような気分になりました。もちろん単なる錯覚ですが。

ところが疲弊の極に達していて、観る気力が出ない(涙)。一晩寝かします。

■ 2007年3月18日(日) 現実歪曲空間の心地よさ

「フラガール」を観ましたが、感想を認めるだけの余力が残っていません。

そこで感想代わりの述懐: バレエ(花とアリス)といい、フラダンス(フラガール)といい、蒼井 優は踊りが上手です。しかし、人間どこかが出っ張れば、別なところが凹むのが常でして、まったくのコンピュータ音痴だとのこと。Windows機とMacの違いすら分からないそうですから、仮に私の目の前に彼女がいたとしたら、すぐに口論が始まるに違いありません。富士山でも蒼井 優でも、遠くから眺めてうっとりしているうちが華です。巨額の借金にまみれた、禁治産者の如き国のことを「美しい国、日本」などと呼ぶ脳天気な御仁には無用の長物でしょうが、虚飾を切り捨てた実態や切羽詰まった切実な姿の直視は忌避するという処世術を心がけていないと、人一倍神経が繊細な私なんぞは、この濁世で生き抜いていけそうにありません。現実から目を背け幻想や妄想に浸るのもサバイバルのための知恵と開き直って構わないのではないでしょうか。

■ 2007年3月19日(月) 国際的に認知されたVENUS

電子状態計算システムABINITFAQページで、ABINIT対応のGUIプログラムとしてVENUSが紹介されています。

■ 2007年3月20日(火) もう一踏ん張り

DV-Xα法計算支援環境にポップアップメニュー(ユーザーメニュー)を追加しました。Ctrl-Rというショートカットで20個の全マクロが表示され、どれか一つを選択できます。

秀丸マクロ関係の作業では、プログラミングは別として、ユーザーメニューの作成とショートカットキーの割り付け(あるいは取り消し)が結構厄介です。後で変更するのがとくに面倒くさい。二三日経つときれいさっぱり忘れそうなので、手続きは皆メモってあります。

■ 2007年3月21日(水) *.macを見られても恥ずかしくないように

DV-Xα法計算支援環境に含まれる秀丸マクロの一部で呼び出しているサブルーチンGetVarSizeを大幅に改訂しました。F01中のSpinとSizeの値から実行形式ファイルの変数サイズを決めるためのサブルーチンです。正規表現による検索において精一杯技巧を凝らした結果、非常にすっきりしたコードに生まれ変わりました。

■ 2007年3月22日(木) c04d作成用マクロの追加

contrd用入力ファイルc04dを自動生成するためのマクロMAKEC04D.macを作りました。DV-Xα研究協会会員限定で配布されているMAKEC04Dを利用しています。MAKEC04D.macはVESTAによる電子密度と静電ポテンシャルの三次元可視化の効率を飛躍的に向上させます。

この他、細かいミスを数個修正しました。打てば響くという感じのテストユーザーのおかげで、DV-Xα法計算支援環境の完成度は着々と高まりつつあります。

■ 2007年3月23日(金) HOMO・LUMO関係マクロ

坂根弦太氏作成のユーティリティHLGAP・HLGAPSおよびPRESTS・PRESTSLを実行するための秀丸マクロ4つをDV-Xα法計算支援環境に追加しました。

今後も少しずつマクロを追加するとともに、メニューやボタンを再編成していきますが、ここまで来れば、もう終わったも同然です。細切れの時間をやりくりしながら、半月もの間、よく頑張りました。

事前の予想より開発期間が長くなったのは、コマンドとファイルの数が非常に多いためです。これらのコマンドとファイル名を自分で打ち込んだり、エディタでファイルを開いたりするのは相当面倒です。短縮形のコマンド名は入力しにくく、拡張子をもたないファイル名(固定)からは中身が連想しにくいのです。本支援環境によりDV -Xα分子軌道計算の効率が上がるのは疑いの余地がありません。

■ 2007年3月24日(土) リフレッシュのために

午後から外出。都内4箇所を転々とした後、午後12時ごろ帰宅。

■ 2007年3月25日(日) 最終形ではありませんが、

テストユーザーのアドバイスを参考にして、DV-Xα法計算支援環境のメニュー構造を再編成しました。さらにSCAT.vestaがカレントフォルダに存在しない場合、ひな形ファイルをそこにコピーするように改良しました(注: 後に取りやめ)。

■ 2007年3月26日(月) RIETAN-FPのマニュアルに誤りが見つからないので、掲示板の誤りを探しましたとのこと:

新垣由衣 → 新垣結衣

●●大学の■■君の指摘です。うーん、これは失態だ(汗)。二度とこういうミスを犯さぬように、ATOKで固有人名として単語登録しておきました。

■ 2007年3月27日(火) この期に及んで、

まだDV-Xα法計算支援環境のメニュー構成やキー割付をあれこれ、いじりまわしています。今日は、ファンクションキーの内容をウィンドウの最下部でボタン表示できることを思い出し、比較的使用頻度の高いマクロにファンクションキーを割り付けました。これらのファンクションキーはウィンドウ最下部のステータスバーにもボタンとして表示されます。

それにしても、タブ・ボタン付きウィンドウというのは便利なもんだなぁ。しかも各プログラムが終了するごとに出力ファイルを自動的に開いてくれるのだから、至れり尽くせり。本支援環境+VESTAはSCATのユーザーに鮮烈なインパクトを与えると確信しています。

今月は支援環境の構築でおしまい —— そう覚悟を決めました。

■ 2007年3月28日(水) 検索結果からの文字の取得

DV-Xα法計算支援環境を構成しているマクロの多くで使われているサブルーチンGetVarSizeを根本的に書き改めました。正規表現で検索した後、選択範囲の最初の一文字をgettext関数で決定するようにしたところ、実にすっきりしたコードに変身しました。

このテクニックの習得には、なんと20日も費やしたことになります。いずれ粉末回折データの解析においても活用できそうです。そう、伊達や酔狂で本支援環境を構築している訳ではありません。己の本業へのフィードバックを常に念頭に置いています。

■ 2007年3月29日(木) 「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会

について講演と講習のお知らせに掲示しました。これは4月26日(木)・27日(金)に大阪大学豊中キャンパスで開催する研究集会です。

初日は、大橋裕二先生(東工大名誉教授、国際結晶学連合会長)に有機粉末・微結晶解析の現状と今後の展開を概説していただいた後、非経験的構造解析、構造精密化、三次元可視化、DV-Xα分子軌道計算について第一線の研究者が講演します。翌日には、ノート型Windows機を持参していただいた参加者を対象に、私と門馬綱一君がそれぞれRIETAN-FPとVESTAに関するハンズオン・トレーニングを行います。

本講演・講習会の主催は大阪大学ですが、昨年暮れに東京で開催した第3回 有機・粉末結晶構造解析研究会の拡大版と位置づけています。「有機」と銘打っておりますが、無機・金属化合物の研究者にとっても大いに役立つはずです。関西や西日本の研究者・学生は、奮ってご参加ください。

かなり広い会場を用意しましたが、27日の自作自演講習会の方は、数10名で参加を締め切ります。

例によって、参加者にはお土産をどっさり進呈します。3月5日にNIMSで開催した講習会での配布物に加え、VESTA v0.99.6、VESTAで実現した新機能に関する日本語文書(30ページ弱)、現在製作中のDV-Xα法計算支援環境も提供するつもりです。VESTA v0.99.6では、複数のファイルを入力した際の挙動が二つの拙作支援環境向きに改良されます。VICSとVENDのユーザーでしたら、VESTAに関する日本語文書を読めば、VESTAをほぼ支障なく使いこなせるでしょう。

来年度は、上記の研究集会も含め5つの学協会が主催・共催する講演・講習会で講師を勤めます。順次、本掲示板でお知らせしていきます。

■ 2007年3月30日(金) 視野の外

ポスドクのR. A.氏は昨日で勤務終了。本日帰国します。1年半の間、本当にご苦労様でした。

彼は本掲示板にほとんど登場しませんでした。この掲示板がいかに私の研究や日常生活を局所的にクローズアップしているかが窺えるでしょう。薄々感づいてはおられるでしょうが、話題の偏り方は半端でありません。研究活動・私生活全体から満遍なくピックアップしていると思い込むと大間違いです。

■ 2007年3月31日(土) わずか1分程度の作業で…

非常に長時間にわたるDV-Xα分子軌道計算の過程で、10サイクルごとの収束状況(ファイルF06Z)がわかれば助かると聞き及びました。そこで、DVSCAT.macにおいて一行を少々変更し、もう一行を削除してみました。もちろん注文通りに作動。

私にとってはちょちょいのちょい、といった程度の修正に過ぎませんでしたが、F06Zによる収束状況のモニターはSCATで電子状態のシミュレーションを日々行っている研究者や学生が長年待ち焦がれていたものだそうです。そう伺って、きょとんとしてしまいました。ともあれ、お役に立てて光栄です。

これで、「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会の出席者にDV-Xα法計算支援環境を提供する準備が整いました。4月26日の坂根弦太氏の講演において、教育用分子軌道計算システムeduDV用マクロ(なんと76個!)も組み込んだ形でお披露目していただくことになっています。

DV-Xα法のソフトと相対していて一番面倒だったのが、変数サイズ関係の処理です。Spin版とNon-spin版で違うシンボルを指定しなければなりません。こういう仕様は、Fortran 77の時代には仕方なかったことなのでしょう。しかし、Fortran 90/95では動的配列を使えるのですから、将来リリースされる相対論バージョンでは、変数サイズの指定だけは撤廃していただきたいです。面倒なだけでなく、演算速度が低下しますから。PRIMAで劇的なスピードアップを果たせたのは、動的配列の徹底活用により、多次元配列が飛び飛びにアクセスされなくなり、一次元配列に無駄なスペースがなくなり、キャッシュが有効に作動するようになったことが大きかったのだということを指摘しておきます。

■ 2007年4月1日(日) 一足飛び

秀丸エディタ v6.50正式版がそろそろリリースされるのかな、と思っていたら、ベータ版のバージョン番号をv7.00βに変えて、しばらくベータテストを続行するそうです。v6.50正式版はスキップされます。

Windows Vista(64ビット版)専用コードでも飛び出すんでしょうか。それとも単なる営業戦略でしょうか。

v7.0はリリースされるのはかなり先でしょう。v6.50β28は至極安定に動いているので、これをv6.50正式版とみなすことにします。

3月初めに引いた風邪がぶり返したらしく、喉が痛く、微熱も出てきました。休息の必要性を感じます。できれば1週間ほど、ひなびた温泉に湯治に出かけたい(=無理)。

■ 2007年4月2日(月) 嗚呼、なんたる悪運の強さ

約20年前から数年おきに、ネクタイをぎこちなく締め、着慣れないスーツを身につけ、偉いお方の前に立ち、表彰状を授与されるという機会に恵まれてきました。図らずも、そのような日がまた巡ってまいりました。1時間ほど会場の最前列で神妙にかしこまっていましたが、私は格式張ったセレモニーがすこぶる苦手です。肩が凝りました。

現在、目先の仕事に追われており、コメントする余裕がありません。過去を振り返るのは避け、好きなことしかやらないという割り切りの潔さと冷徹なリストラの賜とだけ述べておきます。今後も立ち止まることなく精進していきますので、ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

■ 2007年4月3日(火) 善は急げ

DV-Xα法計算支援環境で実現したステータスバーにおけるファンクションキーのボタン表示をRIETAN-FP・VENUS統合支援環境にフィードバックしました。ほとんどのマクロにツールバーとステータスバー上のボタンが割り当てられたことになります。支援環境の使い勝手がかなり向上しました。

両支援環境の最新版は「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会の出席者全員に配布します。ご期待ください。

■ 2007年4月4日(水) 私の要望を聞き入れていただき、

阪大の水野正隆氏がSCAT関連のグラフプロット・ソフトdvplotの新バージョンを作成してくださいました。これほど早く入手できるとは思っていなかったので、大喜び。入力ファイル名を引数として受け渡せるようになったのに加え、dvplot、dvploth、dvplotsの三プログラムが単一の実行形式ファイルに統合されました。引数なしに実行すると、従来と同様に「ファイルを開く」ダイアログボックスが現れます。DV-Xα法計算支援環境から実行するのには、うってつけの仕様です。ありがたい。

さっそくLVLSHM、DOS、XPS、LVLBNDS、BASEFの各マクロ中の最後に新dvplotを実行する文を追加し、きちんと動くことを確認。dvplotの入力ファイルが二つある場合は、グラフNo. 1の窓を閉じた後に、グラフNo. 2の窓が現れます。

入力ファイルに応じてdvplot、dvploth、dvplotsを使い分ける必要がなくなり、しかもファイル作成後に自動的にグラフが表示されるため、これらのマクロの利便性が劇的に向上しました。新dvplotの完成により、本支援環境の魅力が一段と増したといってよいでしょう。

水野氏はDV-Xα法計算支援環境とともに新dvplotを配布することを許可してくださったので、「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会の出席者へのおみやげがまた一つ増えました。いやー、こうなったら、SCATのユーザーもぜひ当講演・講習会に参加してほしいです。なにしろ無料なのですから。

■ 2007年4月5日(木) なんとIntel Macでも…(うれし涙)

門馬綱一君がWindows・Mac OS X・Linux(32・64ビット版)のVESTA v0.99.6を一斉にリリースしました。v0.99.5では、秀丸エディタを利用した2つの支援環境からVESTAを実行するたびに新しいVESTAが立ち上がってしまいうという点に不満を感じましたが、v0.99.6では、起動済みのVESTAが新たなタブを割り当てて開いてくれます。秀丸エディタとVESTAはいずれもタブ付きマルチウィンドウが使える先進的ソフトなので、互いに調和がとれた形となりました。喜ばしい限りです。

v0.99.6のリリースが「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会での実習に間に合ってよかった! 窓の激減を謳うRIETAN-FP・VESTA統合支援環境からVESTA関係のマクロを何度も実行したら、窓の数がその回数だけ増えちまった、という事態に陥ったら、無様ですから。

意外だったのは、Mac OS X版がIntel Macでもスイスイ動いたことです。自宅のiMac(Core Duo 2 GHz)と職場のMac Pro (Dual-Core Xeon 3 GHz)で動作を確認しました。v0.99.5のときは、なぜか異常終了していたのでした。wxWidgetsのバージョンアップのおかげかもしれません。

貧困にあえぐ我々は、未だに2年前に自腹で購入した底辺機Mac miniをだましだまし使ってMac OS X版をビルドしています。それがハイエンドのMac Pro上で俊敏に動くとは ——「フラガール」顔負けの泣ける話ではありませんか。

残念ながら、Mac OS X版はツールバーが不完全で、ボタンの態を為しておらず、とくに左端の6つ(a、b、c、a*、b*、c*の二段重ね)は「なんじゃ、こりゃ」と呟きたくなるような体たらくとなっています。この不具合はあくまでMac OS X用wxWidgetsのバグのせいでして、その改善なくしては解決不可能。気長にお待ちください。

なお"Interpolation"は左パネルからIsosurfacesダイアログボックスに引っ越しました。マイナーな機能は下位レベルへどうぞ、というわけです。これで違和感が消え去りました。

■ 2007年4月6日(金) 想定外

昨日、「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会の参加登録を締め切りました。参加希望者が予想以上に多い上、阪大内部の聴講者(学生、教官)の席を一定数確保しておかねばならぬためです。

講演と講習のお知らせに会告を掲示し始めてから一週間で満員御礼とは… 上記講演・講習会の前駆体だった第3回 有機・粉末結晶構造解析研究会の際には、参加募集開始の2日後に受付締切という不測の事態が発生したので、今回は豊中キャンパスで一番広いという基礎工学部国際棟Σホールを確保したんだけどなぁ。どうしてこんなに人気あるの?

要するに、旺盛な需要に応えて来なかったということなのでしょう。現時点で実需要がろくにないにもかかわらず、産業利用を謳って闇雲に人集めに突っ走った挙げ句、徒に閑古鳥を鳴かせまくっている某●●●を尻目に、我々は抜群の集客能力を発揮しています。

かつて阪大がNeXT400台を一気買いした折りに、かのSteve JobsがΣホールの壇上で自らプレゼンを披露したのだそうです。ジーンズ姿でNeXTの先進性をアピールし、現実歪曲空間を醸し出したんだろうな。NeXTのなれの果てがMac OS Xという訳だ。

悲しいかな、私はMacBookもジーンズも(iPodも)所有していませんし、弁舌さわやかでもありません。それに、年を取りすぎました。そういう歴史的背景の場で、軽くて小さいだけが取り柄のDELLのノート型PCを使って講演・講義するのは、なんとなく気が引けます。しかし、「ハングリーであれ。馬鹿であれ。」を身をもって実践してきた者として、同じ壇上に立つのは、案外似合っているのかもしれません。

■ 2007年4月7日(土) makec04dの再配布

DV-Xα分子軌道計算プログラムSCAT用のファイルコンバータcontrdのアーカイブファイルcontrd.tbzを更新しました。これまでDV-Xα研究協会会員限定で配布されていたc04d自動作成プログラムmakec04dをcontrd.tbzに同梱しました。作者の水野正隆氏(阪大)が同協会会員以外への再配布を許可してくださったためです。

DV-Xα法計算支援環境のテストユーザーが3人に増えました。当然、新たな要望が出てくることと相成り、コマンドプロンプト窓を開けるようにするとともに、MADANALとOPTF03をクラスターモデル・グループに追加しました。eduDV用マクロを含めると、DV-Xα法計算支援環境に含まれるマクロの総数は今や113にも達しています。

■ 2007年4月8日(日) xyz2f01

CIFからSCATのファイルF01を作成できるようにしてほしいという要望に応えました。CIFをVESTAで読み込めば、一部の原子を削除し、必要なら原点の位置を変更した後、デカルト座標(Cartesian coordinate)を含むXMol XYZ形式のファイル*.xyzを出力できます。そこで、*.xyzをF01に変換するxyz2f01.f90というファイル・コンバータを作成し、ました。*.xyz中のデカルト座標がそのまま使えるので、プログラミングはいとも簡単でした。Intel Visual Fortranでビルドして一丁上がり。

もちろんxyz2f01を実行するための秀丸マクロXYZ2F01.macも作ることを念頭に置いています。これまた、大したことでありません。

■ 2007年4月9日(月) VESTA v0.99.7のリリース

リガクのteXsanやCrystalStructureで出力したCIFが読み込めないというVESTAの不具合が報告されましたので、早速、門馬綱一君にWindows版だけ修正してもらいました。これで、リガクの単結晶X線回折装置によって測定した強度データの解析結果からDV-Xα法で電子状態を計算する際、VESTA+xyz2f01+DV-Xα法計算支援環境の組み合わせを支障なく利用できるようになりました。

さらに、画面に表示される語句もわずかに修正しました。

■ 2007年4月10日(火) 未だに肥大成長中

一昨日に記したXYZ2F01に加え、ATOMLENとNSCHという秀丸マクロも作成しました。全マクロ数は116にまで増えました。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境にも少しずつ手を加えています。今日はメニュー構造やキー割り当てなどを改良しました。マクロメニューの下に"3D可視化"と"汎用マクロ"という新項目を配置しました。

二つの支援環境といい、VESTAといい、私と門馬綱一君は「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会の参加者に対する配布を念頭に置き、懸命にブラッシュアップし続けています。同講演・講習会の人気が上々なこと(4月6日参照)が強力なモチベーションとなっているのは言うまでもありません。

■ 2007年4月11日(水) Minor updates

リガクのteXsanやCrystalStructureが出力したCIFをVESTAで入力した後、*.vestaとして保存すると、一部のサイト名が空白になることがあるというバグなどを解消した新バージョンがリリースされました。バージョン番号はv0.99.7のままですが、Aboutダイアログ中の日付(4月10日)で見分けられます。

RIETAN-FPもv1.38bにアップグレードしました。IF文中での論理演算で.EQ.を使っていたのを修正しました。

いずれも、「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会用の配布物のfinal candidateです。

■ 2007年4月12日(木) 毎度おなじみの定番行事

日本結晶学会講習会「粉末X線解析の実際」

の会告を講演と講習のお知らせに掲示しました。

7月9・10・11日の3日間にわたり交通至便の地(新宿区神楽坂)で開催しますが、各自の興味に応じてコースを選択可能です。「粉末X線解析の実際」に記述されていない内容の講義については、テキストとしてまとめていただく予定です。

昨年来、数回開催してきた半日程度のミニ講演・講習会でなく、学会が本腰を入れて主催する本格的な講習会です。今回の講習会では、ここ数年の技術革新と時代の流れを意識し、講師をかなり入れ換えるとともに、MEM解析と非経験的構造解析を重視する姿勢を強く打ち出しました。

一昨年も同講習会を開催しましたが、早々と定員に達したため、泣く泣く参加登録を締め切りました。粉末X線回折のユーザーはもともと非常に多いのですが、新人の教育にも重宝がられているようです。できるだけ早めに参加を申し込まれるようお奨めします。

■ 2007年4月13日(金) マクロのリストラ

DV-Xα法計算支援環境に含まれるVESTA関係の秀丸マクロ三つを一つに絞り込みました。現在編集中のファイルをVESTAで読み込めるようにすれば十分、との判断からです。当該ファイルがVESTAと無関係だと判断された場合は、VESTAが立ち上がります。こういうフレキシビリティーに富む対応を易々とやってのけるのが秀丸マクロの利点です。

RIETAN・VENUS統合支援環境とDV-Xα法計算支援環境を一度でも使ったら、バッチファイルのダブルクリックやコマンドプロンプト窓でのコマンド入力なんぞ二度とやる気がしなくなること、請け合いです。老練の技と斬新なデザインが過不足なく融け合っており、通常のGUIソフト特有の「かったるさ」を微塵も感じさせません。

さらに、VESTAだけでなくMOLDAの出力するXMol XYZ形式ファイルも読み込めるようにxyz2f01を改訂しました。将来性ゼロのソフトとはいえ、未だにユーザーが多いと推察されます。

DISPLAT2のリリースをひたすら待たねばならぬクラスター切り出し部分を除けば、これでDV-Xα法計算支援環境は「人柱版」の域を脱しました。RIETAN・VENUSおよびDV-Xα法計算の支援環境は「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会(4月26・27日)で配布しますが、その後の「粉末X線解析の実際」講習会(7月9・10・11日)の参加者にも、その時点における最新版を進呈する予定です。

■ 2007年4月14日(土) モチベーション低すぎ

タブつきウィンドウとマクロ機能を備えたMac OS X用エディターはないかと思い、調べてみました。miBBEditがそれに該当します。miはフリーソフトウェアで、AppleScriptを使えます。$125のBBEditは論外。

AppleScriptなら、かつて相当使い込んだ経験があります。しかし、当ホームページ訪問者の13%程度のシェアしか獲得していないMac OS X用のRIETAN・VENUS統合支援環境をmi上に構築する気はないなぁ。ちなみにWindowsのシェアは約83%に達しています。Intel Mac用のRIETAN-FPやPRIMAなどをビルドするのも面倒だし、我が国の科学技術の将来を担う若い世代がそっぽを向いているんじゃ話になりません。

といっても、Windowsが理想のOSから程遠いのも事実です。コマンドプロンプトはやる気のなさ、丸出し。Windows Updateの極端な遅さには唖然とします。Mac OS Xのソフトウェア・アップデートが高速なだけに、Windows Updateを使うたびに腹が立ってなりません。Microsoftの技術力の低さを象徴しています。

■ 2007年4月15日(日) 遅ればせながらオイラも…

私は長く携帯嫌いを標榜しておりました。しかし委細は省略しますが、2ヶ月ほど前から携帯を使い始めました。これ以上、時代の流れに逆らっても仕方ないと観念した面もあります。アンチWindows派なのに連日Windowsマシンを使いまくっている超現実主義者ですから、デジタル通信機器でもある携帯をいじり出すのは自然の成り行きです。

今年の1月に発売されたN703iDを購入したのですが、その直後に同機種をデザインした佐藤可士和が毎日デザイン賞を受賞しました。それを報じた毎日新聞の記事にはN703iDの写真が載っていました。

目下、T9入力方式を学んだり、携帯とPCをUSBケーブルで接続してデータを双方向に転送したり、リンクやメモを記した携帯用Webページをブックマークに登録したりして遊んでいます。普段は、購入時に入っていた箱に安置。「箱入り娘」と化しています。

■ 2007年4月16日(月) 定番CD/DVDエミュレーション・ユーティリティ

DAEMON Tools v4.09がリリースされました(注:4月17日にはv4.09.01に更新)。

■ 2007年4月17日(火) いばらき県議会だよりによれば、

茨城県の財政危機は夕張市に次ぐレベルなんだそうだ。そのつけの大半は結局、茨城県民に押しつけられるのでしょう。この先もずっと茨城の住人でいるのは考え物だなぁ。

茨城空港を平成21年度に開港する予定、という記事が同じ号に載っていました。少なくとも県南・県西地方の住民は、交通の便が悪く、周りに何もなく、発着便数が少ない茨城空港を敬遠するのではないでしょうか。赤字垂れ流し必至です。

■ 2007年4月18日(水) 近頃のおすすめドラマ

なんといっても「セクシーボイスアンドロボ」(火曜22時)ですね。あるお方の薦めに従って、昨晩初めて観ました。

ロボットアニメオタクのロボ(松山ケンイチ)と世間を醒めた目で見る少女ニコ(大後寿々花)、共に好演。バディムービーの趣があります。UAの元夫(村上 淳)の泥臭い演技も光ってました。大後寿々花は「大阪物語」に主演したころの池脇千鶴の再来としか思えません。

■ 2007年4月19日(木) Intelコンパイラの所有者はお試しあれ

3月9日Intel Visual Fortran Compiler for Windowsで再ビルドしたDV-Xα法関連プログラムがほしい、と書き込みました。その後、最適化さえしなければ、同コンパイラで一連のプログラム(contrdを除く)を無修正でビルドできるという情報を得ました。もちろん最適化しても大丈夫なプログラムがほとんどなのでしょうが、何分にもプログラム数が多く、チェックの手間が大変なので、一律に最適化を端折るのが賢明です。

Intel Visual Fortran Compilerで再ビルドするだけで、約2倍は高速化するそうです。今や無用の長物に成り果てたDOS Extenderが作動しなくなるのですから、それくらい速くなって当然です。DV-Xα研究協会のWebサイトその他で再ビルドコードが配布される気配はないので、自力でビルドするしかありません。といっても、そこまで踏み込む猛者はごくわずかでしょうね。

■ 2007年4月20日(金) MDL Molfileから手軽に電子状態を計算

坂根弦太氏のブログ、4月18日でDV-Xα法計算環境について紹介していただきました。教科書、啓蒙書、WebサイトなどでMDL Molfile(*.mol)を入手し、秀丸エディタ内でいくつかのボタンを順次クリックしていくだけで電子状態計算結果が得られ、しかもVESTAで結晶・電子構造を3D可視化できるというのは画期的なことといってよいでしょう。コマンドプロンプトでのコマンド入力が不要なため、とりわけ教育に役立つと思われます。

なお、上記ブログで言及されている無機化学の教科書ですが、昨年出版された第4版

では、CD-ROMの付録はなくなったようです。残念。

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会(4月26・27日)において坂根氏は、DV-Xα法計算環境が*.cifと*.molからのDV-Xα分子軌道計算と電子状態の三次元可視化をいかに易々とやってのけるか、同環境が教育・研究の場でいかに強力な手段、即戦力として活躍しうるかを中心に講演してくださるそうです。

■ 2007年4月21日(土) 配布準備完了

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会の参加者に配布すべく、門馬綱一君が鋭意執筆していた文書「三次元統合可視化システム・VESTA の新機能について」(29ページ)が完成しました。これとVESTAの前身VICS・VENDの英文マニュアルさえ手許にあれば、まず支障なくVESTAを使いこなせるはずです。VESTA正式版のリリースはそう遠くないでしょう。

RIETAN-FPやVESTAなどを配布するための二つのWebページも出来上がりました。同講演・講習会の参加者には、週明けに配布サイトのURLをお知らせいたします。

■ 2007年4月22日(日) 勝ち組宣言

タブ付きマルチウィンドウでなければブラウザにあらず、という時代が到来しました。Firefox然り、Safari然り、猿まねのIE7然り。今やタブ機能は便所の落書き(2チャンネル)ブラウザにまで実装されているとのこと。エディタも、タブ付きマルチウィンドウ実装組が主流になりつつあります。

デスクトップ上のウィンドウがどんどん増えていくと、それに応じて作業能率が落ちていきます。素早く表示ウィンドウを切り替えられるタブがウィンドウに付いていれば、そういう悩みとは無縁でいられます。二つのウィンドウを見比べたいときは、別なウィンドウをオープンするだけのことです。秀丸エディタに至っては、タブの分離・合体までサポートしています。高機能エディタの代名詞だったEmacsも顔色なしでしょう。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境とDV-Xα法計算環境がVESTAも含めてタブつきマルチウィンドウを採用したのは、時代の流れに乗ったことになります。先見の明があったというより、気がつくと、たまたまそうなっていた、というのが実態ですが。進化の歩みを止めない秀丸エディタとwxWidgetsを全面的に採用したのが幸運の基でした。

■ 2007年4月23日(月) アーカイブ・PDFファイル配布開始

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会の参加者にダウンロードしていただくアーカイブ・PDFファイルは、現在13個。最終的には私の講演用PDFを加え、14個となります。14個というと大したことはなさそうですが、たとえばDV-Xα法計算支援環境の配布ファイルは117個、RIETAN-FP用配布ファイルに至っては150個ものファイルを含んでいます。RIETAN-FPのマニュアル(152ページ)だけでも17 MBもあり、全体としては、他に類をみないほど大量のソフト・情報を提供することになります。

WebページにおけるPDFファイルの配布は、今でこそ一般的に行われていますが、日本で真っ先にそれを実践したのは、何を隠そう、この私でした。Adobe Acrobatが発売されるいなや、でしたから、恐るべき早業でした。新しもの好きの性格はその頃から変わっていません。

自作自演の講演・講習会を開催し、自作ソフト、充実したテキスト・文書、さらにはプレゼン用PDFまでも配布するという最近私が多用している太っ腹ビジネスモデルは斬新かつ訴求効果満点で、すこぶる気に入っています。しかし、いつまでも同じ手法を繰り返しているのも芸がありません。徐々に新たなスタイルへと脱皮していくつもりです。

■ 2007年4月24日(火) 配布ファイルの追加と修正

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会用のファイル配布ページ(参加者にはURLを通知)を更新しました。私の講演で使うPDFファイル(57.3 MB)を追加するとともに、池田卓史氏の講演のテキストの最新版(11.8 MB)をアップロードしました。

本日、坂根弦太氏のテキストの最新版が送られてきました。DV-Xα法計算環境に関する文書を追加した70ページ(!)の力作です。現在配布中のSakane_VENUS_eduDV.pdfに比べ34ページも増えています。あいにく私の帰宅に間に合わず、アップロードできませんでした。5月1日までには必ず更新いたします。楽しみにしていてください。

当講演・講習会終了後も、RIETAN-FPとVESTAの配布ページは1ヶ月程度残しておきます。坂根氏のテキスト以外の配布ファイルも更新されますので、ときどき日付をチェックするようお勧めします。

■ 2007年4月25日(水) 齢十三にして大女優

いやー、昨晩の「セクシーボイスアンドロボ」、素晴らしかった。大後寿々花の演技力に舌を巻きました。浅丘ルリ子(原作のマンガではデコ頑という老人)の台詞にも感銘を受けました。

この秀逸なドラマ、視聴率が芳しくないらしい。主役二人の知名度が低いせいなのかなぁ。

■ 2007年4月26日(木) 妄想

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会で講師を勤めるため、昨日から大阪に来ています。伊丹空港から豊中キャンパスにはモノレールが通じているんですね。飛行機に乗るべきでした。

昨晩はなかなか寝つけませんでした。明日は1時間の講演か、百数十人の前に立つのか、と思っただけで、気が滅入ってくるのです。ふと、先日立ち読みした週刊誌に首相主催の「桜を見る会」の写真が載っていたのを思い出しました。あのしょこたん3月4日参照)まで呼ばれたんですね。

それじゃあ、オイラが観桜会を催したとしたら、誰を招待するだろうな、と自問自答してました。まず思い浮かぶのが●●●●、次に■■■、それから△△△△、…

数人の名前が挙がったところで気づいたのは、なぜか男が一人もいないことです。うーん、若い女しか呼ばなかったら、なんと言われるか分からん、誰か適当な男性はいないかなぁ、と必死に考えたのですが、なぜか思いつきません。困った、どうしよう —— と悩んでいるうちに、いつしか寝入っていました。

■ 2007年4月27日(金) Memorandum of my demonstration

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会を終え、先ほど帰宅しました。

講演はいつも通り無造作にこなしましたが、講習会の方は少々知恵を絞りました。すなわち、どういう順番で何を実演していくかをあらかじめメモしておき、それをチラチラ見ながら1時間20分の持ち時間を使い切ったのです。多少、順序が狂ったりスキップしたりしましたが、重要なことは抜かりなく実行しました。自己採点は85点。このメモは今後も役に立ちそうです。

■ 2007年4月28日(土) 配布ファイルの更新

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会の参加者に対する配布ファイルを2つ更新しました。

RIETAN-FP.zip中のRIETAN-FPをv1.89bにバージョンアップしました。厳密にはFortran 90/95の文法に従っていない箇所が一つ、文字型変数を宣言抜きで使っていた箇所が一つあるにもかかわらず、実害なく動いているという報告を受け、それらを修正しました。

もう一つは坂根弦太氏に提供していただいたPDFファイルSakane_VENUS_DV.pdfです(4月24日参照)。アップロードが遅れたことをお詫びします。

DV-Xα法計算環境を介してSCATや周辺プログラムを使ってみたいという方々に注意しておきたいのは、「はじめての電子状態計算」(いわゆる黄色い本)のCD-ROMに収録されているプログラムの一部が更新されていることです。DV-Xα研究協会のホームページから「はじめての電子状態計算」ホームページのダウンロード・ページに飛び、そこで実行形式ファイルやバッチファイルなどの最新版を入手する必要があります。

参加者にURLを通知した門馬綱一君のWebページでも、いずれ配布ファイルが更新・追加される予定です。そちらの方もときどきチェックするとよいでしょう。

なお、RIETAN-FPの出力するファイル*.itxをプロットするためのアプリケーションIgor Proをv6.01に更新するアップデータもアップロードされていました。

今回配布したソフトウェア、文書、プレゼンテーション資料は3月5日の「粉末構造解析 — 次世代ソフトウェアの開発と応用」講習会における配布物に比べ、さらに充実しています。また、終了後にも一ヶ月にわたって参加者に最新ファイルを提供し続ける講演・講習会というのは、寡聞にして聞いたことがありません。気前の良さとサービス精神、ここに極まれり。

「粉末X 線解析の実際」講習会(7月9ー11日)でも、これを踏襲したsouvenir作戦を敢行するつもりです。結晶構造解析の終着駅は電子状態の計算だということを強調するために、DV-Xα法関係のファイルも全部配布します。

■ 2007年4月29日(日) スライド枚数127(!)の超大作

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演会における坂根弦太氏の講演「DV-Xα法による錯体の電子状態計算と計算結果の三次元可視化」で使われたPowerPointファイルを参加者用配布ページにアップロードしました。

これで、私と門馬綱一君のWebページで配布しているファイルの総量は180 MBにまで増えました。

■ 2007年4月30日(月) 先走りは禁物

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講習会では、RIETAN-FP・VENUS統合支援環境を秀丸エディタの先行開発バージョンv6.50β28上で動かしました。

その後、v7.00β2が4月25日にリリースされましたが、しばらくはv6.50β28のままにしておく方が無難です。v7.00βXへの移行は、その安定性が十分高まってからでも遅くありません。X=10くらいになれば、大丈夫でしょう。

それにしても、秀丸エディタが未だに急ピッチで進化し続けているのには感心します。こういう将来性に富むエディタを支援環境の基盤に選んだのは好判断でした。

■ 2007年5月1日(火) 会告掲載

日本結晶学会誌の2号が今日届きました。「粉末X線解析の実際」講習会(7月9ー11日)の会告が2ページにわたって載っていました。開催日はまだ2ヶ月以上先ですが、お早めに参加登録されるようお勧めします。

■ 2007年5月2日(水) 「タブエディタ(秀丸エディタ)上に構築されたDV-Xα法計算支援環境」

昨日、坂根弦太氏のBlogでDV-Xα法計算環境について再びご紹介いただきました。「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演会における坂根氏の講演は説得力と迫力に満ちていました。掉尾を飾る彼の熱弁のおかげで、講演会がぐっと引き締まりました。

DV-Xα法計算支援環境をなんとか完成させ、さらにはeduDVまで組み込むことができたのは、ひとえに坂根氏の助力のおかげです。私一人では到底手に負えませんでした。本支援環境はまさに泉ー坂根の密接な共同作業の賜です。

覚えにくいコマンドの手入力(obsolete!)をいつまでも要求していたら、DV-Xα法はGUIしか知らぬ若手研究者や学生にそっぽを向かれかねません。本支援環境はDV-Xα法のユーザーに大歓迎され、速やかに普及していき、研究のみならず科学教育にも貢献すると確信しています。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境中の一部のマクロが使用している田楽DLLがv2.93にバージョンアップしたので、配布ファイル中の田楽DLLをそれに置き換えました。

なお、「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演会参加者向けのVESTA関係ファイルのダウンロード・ページで、門馬綱一君が講演のために使用したPDFが公開されました。これで配布ファイルの総量はなんと196 MB!

■ 2007年5月3日(木) 重い腰を上げて、

DV-Xα法計算環境にクラスターモデル作成関係の三つのマクロMAKEUNITC、MAKELAT、DISPLATを追加しました。将来、DISPLAT2が完成すれば不要になるものの、当面は必要不可欠と判断しました。いずれもクラスターモデルというサブメニューの下に位置しています。ポップアップメニューでも選べます。MAKEUNITは結晶データを手入力するのが面倒かつ危険であり、なおかつVESTAで種々の結晶データファイルをMAKEUNIT互換のCIFに変換できるので、マクロ化しませんでした。

これら三つのマクロはいずれもBASICで書かれた対話形式のプログラムを起動します。その際には、カレントフォルダがC:¥DISTPLATになります。出力ファイルの(絶対パス+)名前をユーザーが入力するため、どこのフォルダにどんな名前で保存したのかをマクロ実行中に知る手段はありません。したがって、BASICプログラム実行後に当該ファイルを自動的に移動したり開いたりするのは無理です。単なる起動メニューに留まったのは残念ですが、BASICプログラムがそういう仕様なので、手も足も出ません。

新たなマクロを追加すると、ポップアップメニューの再編成が非常に面倒です。ユーザーメニューをもっと簡単に編集できるといいのですが。

田楽DLLをv2.93に更新した上、「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会のダウンロード・ページにアーカイブ・ファイルをアップロードしました。このような期間限定サービスは今月末まで継続します。

連休が明けたら、RIETAN-FPの改訂を再開します。

■ 2007年5月4日(金) 舌の根が乾かぬうちに

4月30日に「しばらくはv6.50β28のままにしておく方が無難です。」と警告したばかりの秀丸エディタですが、いつのまにやらv7.00β2を使っている自分に気づきました。今のところ、トラブルはまったく起きていません。

■ 2007年5月5日(土) RIETAN-FPのカスタム化

RIETANが扱える反射の数の最大値を増やしてほしいという外国人研究者の要望に応えて、NB = 20 000 → NB = 120 000としたRIETAN-FPを作成しました。

この際、威力を発揮したのが、秀丸エディタv7.0の新機能grepして置換です。検索対象の全ファイルをバックアップし、文字列を置換してから、上書き保存までしてくれるのだから、至れり尽くせり。まずソースコードやプロジェクト・ファイルなどを含むRIETANというフォルダをコピーし、grep+置換後に再ビルド。楽なものでした。

まずgrepだけ実行し、一挙に置換して大丈夫かどうかチェックするべきだ、ということに後で気づきました。

早速、依頼者に添付ファイルで送付しましたが、つつがなく動いているそうです。

■ 2007年5月6日(日) 連休最終日

RIETAN-2000にはかねてからの懸案がありましたが、ようやく突破口の見当が付いたことから、本日、長時間かけて調査しました。ほぼ思い通りの結果が得られたので、明日からそのアイデアを形にする作業に入ります。

■ 2007年5月7日(月) 誤字・脱字の修正に過ぎませんが、

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会のダウンロード・ページで配布している坂根弦太氏執筆のPDFファイル「三次元可視化システムVENUS、教育用分子軌道計算システムeduDV、DV-Xα法計算支援システム」を更新しました。

秀丸エディタ、先行開発版v7.00β3がリリースされました。即、バージョンアップしたのは言うまでもありません。

■ 2007年5月8日(火) 求む、テストユーザー

RIETAN-FPの改良に立ち戻ったのはいいものの、摩訶不思議な現象に悩まされています。解決に向けて丸一日奮闘努力したのですが、徒労に終わりました。また明日、ということで…

現在、DV-Xα研究協会spd部会のメンバー5人にDV-Xα法計算支援環境を試用していただいております。こちらの方は安定に動いているようなので、テストユーザーを募集することにします。ぜひ自分も、という方はメールでご請求ください。ダウンロード方法をお知らせします。特筆大書すべきなのは、本支援環境のために水野正隆氏に作成していただいたDVPLOT.exe(三つのDVPLOT*.exeを統合したプログラム)が含まれていることです。

秀丸エディタの先行開発版、早くもv7.00β4にアップグレードされました。

■ 2007年5月9日(水) 盲点

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会のダウンロード・ページで配布しているRIETAN-FPをv.1.40bにバージョンアップしました。Le Bail解析の初期過程でプロファイル計算範囲を狭めたときに生じる不具合(昨日書き込んだ「摩訶不思議な現象」)を解消しました。フッ素アパタイトを対象とするLe Bail解析例のフォルダも追加しました。

RIETAN-2000の配布ファイルに含まれているBaSO4のLe Bail解析にv.1.40bを使用したところ、Rwpは13.28%から10.39%に、RBは2.82%から1.24%に激減しました。

以前、RIETAN-2001T(使用禁止令発令後もこれを使っている輩がいるとのたれ込みあり。いずれペナルティーの重さにほぞを噛むべし)の場合もそうでしたが、プロファイル関係の計算には深刻なバグに忍び込みやすいですね。これで大丈夫、という思い込みが命取りになるということを肝に銘じなければなりません。

■ 2007年5月10日(木) またまたアップデート

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会参加者向けのダウンロード・ページで配布している坂根弦太氏執筆のPDFファイル「三次元可視化システムVENUS、教育用分子軌道計算システムeduDV、DV-Xα法計算支援システム」に瑕疵が見つかったため、更新しました。

この文書は総ページ数70ですが、約半分のスペースがDV-Xα法計算環境に割かれています。VESTA使用法も初心者向きに書かれているため、DV-Xα法のユーザー以外にも役立ちます。

■ 2007年5月11日(金) 自覚症状

昨年から様々な講演会と講習会の講師を務める頻度が急激に増え、露出度が高まっています。これまでの実績と集客力が再評価されたのだと、勝手に解釈しています。この年で未だにお声がかかるのは嬉しい限りですが、人前に出るのが苦手な私としては、負荷もかかりっぱなし。自分が先頭に立って催した集会ではなおさらです。まあ、広い意味での研究活動なので、会議、書類作成、雑用といった辛気くさい仕事よりはましですが。

今後、4つの学協会主催の行事で講演・講義を行うことが決まっていますが、次回の「粉末X線解析の実際」講習会(7月9〜11日)までは2ヶ月近くあります。こういうときこそプログラミングに精を出す好機なのですが、なかなか進展しません。肉体的・知的能力が衰えつつある兆候でしょう。

たとえばマウスのダブルクリックの速度ですが、Windows XP機で「最速」に設定すると、フォルダやファイルを開けないことがあります。以前は大丈夫でした。

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講習会では、メモを見ながらPCで実演するのに苦戦しました。近眼用の眼鏡をかけていると、小さな字が見にくいのです。眼鏡をかけたりはずしたりせざるを得ず、とても面倒でした。

一方、衰えを見せないのが、文章を書くスピードです。年々速まっているような気さえします。語彙も年々豊富になってますね。本掲示板に毎日書き込むほどの余力があるのも、そのおかげです。

■ 2007年5月12日(土) スキップ勧告

秀丸エディタv7.00β5がリリースされました。しかし、EOFが画面内に見えているとき上から下に向かって範囲を選択してから削除すると、表示がおかしくなるそうなので、β6のリリースを待つようお勧めします。

バージョンアップといえば、アドビのCS3が6月下旬に発売になるんですね。もちろんIllustratorとPhotoshopをアップデートします。私は「ソフトと畳は新しい方がよい」という主義を貫いており、ソフトは最新版を使うのが常です。しかもアップデータがリリースされるたびに、こまめに更新しています。

ところが、ソフト以外は古いもので我慢することが多いです。商売道具のPCの場合、ハイエンドマシンを使い倒します。クルマの場合、12才のシビックがトラブルもなく動いており、当分乗り換える気はありません。ろくに掃除も洗車もしないのですから、クルマに対する無関心さは徹底しています。このシビック、とにかく頑丈なので、もう一度車検を受けるかもしれません。

今年の2月に買ったばかりのケータイ(4月15日参照)はどうなるのでしょうか。案外、1年後には機種変しているかも。

■ 2007年5月13日(日) きのうケータイに言及したばかりですが、

T9入力方式一本槍は無理ですね。時には、かな方式に切り替えねばならぬことがわかりました。いずれにしてもATOKによる日本語入力に比べ、10倍は時間がかかります。

■ 2007年5月14日(月) 自分のやりたいことをやるのは、自分らしく生きるってことと違う。

気の進まない仕事でも、押し付けられたことでも、自分のやり方でやり通す。それが自分らしく生きるってこと。
セクシーボイスアンドロボ」第3話より

低視聴率にあえぐTVドラマらしからぬ名セリフではありませんか。

よくよく考えると、この三四年、私はこの言葉を身をもって実践してきました。●●●●然り、■■■■然り、▲▲▲▲然り。差し障りのないところでは、RIETAN-2001Tのバグ退治(RIETAN-TNのリリース)然り。だからどうってもんでもありませんが。

しかし、気の進まぬ仕事を押しつける側に都合のよい文言なのも事実だなぁ。当事者能力を欠いた人たちの代わりに汗を流すとか、give and give的奉仕を強制されるとか、そういう羽目に陥ったら、いくらpositive thinkingで乗り切ろうとしたところで、ストレスが溜まり、疲弊するだけ。自分のやりたいことを自分流でやり通す方が己の個性を活かせるのに決まってますよ。違いますか、皆さん。

■ 2007年5月15日(火) もう更新しても大丈夫

秀丸エディタ先行開発バージョンv7.00β6では、5月12日に記したバグが修正されました。よほど特殊な操作を行わない限り、十分安定に動くはずです。

v7.00β6にアップデートしたついでに、Home・Endキーでそれぞれファイルの先頭・最後にジャンプするよう、二つの支援環境におけるキー割り当てを変更しました。次期バージョンでは、そうなります。

■ 2007年5月16日(水) Windows Vistaへの対応状況

坂根弦太のDV-Xα&VENUS日誌に「Windows Vista上で動き出したeduDV、VESTA、タブエディタDV-Xα支援環境」というニュースが載っています。

Open Watcom Fortran compilerでビルドしたDV-Xα法関連プログラム(配布準備中)と教育用分子軌道計算システムeduDV(公開中)、DV-Xα法計算環境の土台である秀丸エディタ先行開発版はいずれもWindows Vista互換です。VESTAについては、特定の操作(ウィンドウ・サイズの変更)さえ避ければ、Vista上で正常に動くようです。

それにしてもVistaとVESTAは互いに紛らわしいなぁ。

■ 2007年5月17日(木) 熱烈歓迎! EXPOマクロ

「粉末X線解析の実際」講習会の参加者向けにRIETAN-FP・VESTA統合支援環境を改善しようと思い立ち、まずはEXPOマクロEXPO.mac(No. 9)を追加してみました。ツールバー上のEXPOボタンをクリックするとab initio構造解析システムEXPO 2004が立ち上がり、*.expを読み込み、そこに記述された一連の命令を自動的に実行してくれます。%DATAコマンドの後ろにPATTERN *.intという命令が存在すると、*.intに記録されている回折パターンが表示されます。後は[Next >]ボタンを次々にクリックするだけで、解析が進行していきます。

RIETAN-FPはVESTAだけでなくEXPO 2004との連携も重視しています。EXPOボタンの追加により、RIETAN-FPーEXPO 2004間の迅速な連携プレーが可能になりました。

RIETAN-FP(RIETAN-FP・VESTA統合支援環境を含む)とDV-Xα法計算支援環境の最新版は同講習会の参加者におみやげとして差し上げる予定です。

なお本日、秀丸エディタ先行開発版がv7.00β7にアップグレードされました。Windows Vistaでは、マクロファイルと設定ファイルをそれぞれ

C:¥Users¥[ユーザー名]¥AppData¥Roaming¥Hidemaruo¥Hidemaru¥Macro
C:¥Users¥[ユーザー名]¥AppData¥Roaming¥Hidemaruo¥Hidemaru¥Setting

に置くよう変更するそうです。Vistaのユーザーはご注意ください。

■ 2007年5月18日(金) EXPOマクロのブラッシュアップ

ただEXPO 2004を起動し、*.exp(*は*.insなどと共通のベースネーム)を読み込むだけでは芸がありません。

そこで、Le Bail解析を実行した場合は観測積分強度の推定値を収めたファイルextra.hklを*.ffxと改名し、秀丸エディタでそのファイルを開くように改善しました。こうしておけば、RIETAN-FPによるLe Bail解析のために*.ffxを*.ffiという別ファイルに保存するのは、いとも簡単です。

昨日に引き続き秀丸エディタ先行開発版が改訂され、v7.00β8として配布されました。当方が開発した二つの支援環境の基盤としては、なんのトラブルも引き起こすことなく、安定に動いています。

■ 2007年5月19日(土) RIETAN-FP・VESTA統合支援環境のさらなる改善

Le Bail法により推定した観測積分強度を記録したファイル*.ffoが新たに作成されたか更新された場合は、RIETAN-FPの終了後に*.ffoを開くようRIETAN.macを改訂しました。また現在編集中のファイルが*.ffoあるいは*.ffxである場合、必要なら*.ffiのバックアップをとった後、*.ffoあるいは*.ffxを*.ffiとして保存するためのマクロext2ffi.macを新たに作成しました。拡張子分岐(Ctrl-T)マクロExtDriver.macから呼び出します。いずれも「かゆいところに手が届く」的機能です。

上記のように、秀丸エディタから抜けずに事が済めば、能率がかなり向上します。秀丸マクロは迅速かつ快適なデータ処理に役立ちます。

RIETAN-FP・VESTA統合支援環境をフルに使うにはVESTAが欠かせません。そこで、門馬綱一君にお願いし、「粉末X線解析の実際」講習会までにVESTA正式版がリリースされない場合は、同講習会開催時点でのVESTAの最新版をダウンロードできるようにしてもらうことにしました。

■ 2007年5月20日(日) 不条理な現実

ケータイの請求書を見ると、支払額に応じてポイントがついています。100ポイント=100円単位で、ドコモ商品の購入や故障修理の際に割引いてもらえるとのことです。

家電量販店、ドラッグストア、デパート、クレジットカード、ネットショップ、DVDレンタル店はもとより、コンビニでもNANACOやEdyを使えばポイントが獲得できます。航空会社は、言わずと知れたマイレージサービスで顧客の囲い込みに必死です。極めつけはメイド喫茶。通いつめてポイントを貯めると、メイドさんと1対1で個室に入り会話を楽しめるのだそうです。もっとも、そういう機会に恵まれたとしても、共通の話題がないよなぁ。

かくの如く、ゆりかごから墓場までポイント漬けの時代です。ご多分に漏れず、勤務先であるNIMSもポイント制を採用しており、前年稼いだポイントでボーナス支給額が決まります。要するに獲得ポイントが昨年の研究実績の尺度として使われます。ところが、いくら科学技術ソフトウェアを開発・配布し、いくら教育・啓蒙活動に従事し、いくら多くの研究成果に貢献しても、ポイントがろくに付きません。それどころか、機材・ソフトの購入、Webサーバのレンタル料、etc.などを個人負担し、しかもユーザーへの無料サービスにまで応じている始末で、金銭的には、むしろ持ち出しとなっているのが現実です。もちろん、受益者は何もしてくれません(わずかな例外を除けば)。時には空しさを感じることさえあります。

三四年前にVENUSシステムを製作したということで評価システムで「ものつくり」のポイントを申請したのですが、頂戴したポイントがあまりに少ないのには愕然としました。プライド、ずたずた。もはや申請する気は失せました。やはり放射光源や中性子源のようなところで、派手にお金(税金)を使いまくらないと評価してもらえないのでしょうか。

ひたすら与え続けても、一向に報われないという状況から脱却するにはどうしたらいいのか —— いい知恵が浮かびません。

■ 2007年5月21日(月) wxWidgetsに依存するアップグレード

VESTAのGUI構築に利用しているwxWidgets v2.8.4がリリースされました。

VESTAには、wxWidgetsの機能不足や不具合に起因する課題がいくつかあります。これらを克服するには、wxWidgetsのバージョンアップをひたすら待つしかありません。自力ではどうしようもない問題点が多いということをご理解ください。

■ 2007年5月22日(火) 唯一のお薦めMacユーティリティにしてRIETAN-FP・VESTA統合支援環境の着想源

TeXShopの新バージョンv2.10beta9がリリースされました。

着想源だったといっても、TeXShopの窓にはタブがありません。そこが支援環境と大きく違います。編集・表示すべきファイルの数が多くなると、タブなしにはデスクトップが混乱してきます。

■ 2007年5月23日(水) とばっちり

愛知県で起きた立てこもり・発砲事件で殉職した警官の葬儀が昨日、営まれました。この事件の余波で、「セクシーボイスアンドロボ」第7話の放送は差し控えられ、第2話(UAの元夫の出たヤツ)が再放送されました。

■ 2007年5月24日(木) 4つの新秀丸マクロ

「粉末X線解析の実際」講習会の参加者に配布するべく、RIETAN-FP・VENUS統合支援環境の改訂を急いでいます。参加費を頂戴する以上、できるだけ多くのものを持ち帰っていただきたいです。当講習会、参加登録者は順調に増えているそうです。

RIETAN形式の強度データファイルはRIETAN-FPばかりでなく、EXPO 2004でも直接読み込めます。一方、EXPO 2004は2θと観測強度のペアが各行に置かれているGeneral形式やIgorテキスト形式のファイルを入力できません。

EXPO 2004およびPowderXPowder 4のような粉末回折データ処理ユーティリティとRIETAN-FPとの連携をより緊密にするために、

という2種類のファイル変換を行うためのFortran 90プログラムfile_conversion.exeと秀丸マクロXY_RIETAN.macを作成しました。カレントファイルが変換元ファイル、*.int(*は変換元ファイルのベースネーム)が変換先ファイルとなります。変換元ファイルの拡張子がintの場合は、まずバックアップファイル*.int.BAKを作成します。file_conversion.exeによる*.intへの変換が終了した後、*.intが表示されます。

ついでに、それぞれPowderXとPowder 4を起動するための秀丸マクロPowderX.macとPowder4.macも作成しました。

上記4つの秀丸マクロはプルダウンメニュー(マクロ → その他)とポップアップメニュー(Ctrl-E)から実行します。

少し前に、X-Y形式の生データファイルとバックグラウンドを差し引いたデータを記録したファイルをバックグラウンド強度を収めたファイル*.bkgに変換するFortranプログラムmakebkg.exeも作成しました。変換元の2つのファイルは、たとえばPowderXで作成します。これをマクロに組み込むのは簡単ですが、Excelでもできるような、しょぼくれデータ処理なので、二の足を踏んでいます。

■ 2007年5月25日(金) 最終サービス

「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会の参加者向けのダウンロード・ページで配布しているDV-Xα法計算支援環境を更新しました(後でReadme_DV.txtだけ入れ換え)。開催から1ヶ月近く経ったのに、まだ配布ファイルをアップデートしているのですから、律儀なものです。

構造ファイル変換ユーティリティOpen Babel用GUI(OpenBabelGUI)を起動するためのメニュー項目Open Babelをマクロ → その他に追加しました。Open Babelは種々の形式で記録された構造データファイルをCIF(MAKEUNITCで入力)やXYZ形式ファイル(XYZ2F01で入力)などに変換するのに役立ちます。別途、Open Babel v2.1.0をC:¥Program Files¥OpenBabelフォルダにインストールする必要があることを忘れないでください。

さらに、田楽DLLが最近v2.94にアップグレードされたので、これに差し替えておきました。秀丸エディタ先行開発版もv7.00β9になりましたね。

DV-Xα法計算支援環境とVESTAについては、坂根弦太のDV-Xα & VENUS日誌で、これまで数回ご紹介いただいております。5月23日の記事の最後に、第20回DV-Xα研究会(8月2〜4日)までにこれら2つとDV-Xα分子軌道計算システムのVista対応版が一般公開されていたら素晴らしいと書き込まれていましたが、本支援環境は遅くともそれまでには配布を開始できるでしょう。

■ 2007年5月26日(土) 遅ればせながら、

最近、自由形式のFortran 90/95プログラムを書くようになりました。注釈の先頭に"!"を置き、"=="、"/="、">"、"<"などを使って論理式を記述し始めたのも、つい最近です。桁を意識せずに済むので、コーディングが実に楽です。

ただし、既成固定形式のソースコードと混在させると面倒なことになるので、一昨日に記したような短いユーティリティを作成するときに限っています。

■ 2007年5月27日(日) ブーイング続出のNorton AntiVirusをお払い箱に

Webを通じて自作ソフトを配布しているからには、ウィルスチェックソフトは必要不可欠です。これまでは主としてMac・Windows用のNorton AntiVirusを使ってきましたが、NIMSのプロキシサーバとの相性が悪く、ウィルス定義ファイルやコンポーネントのダウンロードの際に原因不明のエラーが発生し、絶えず悩まされてきました(自宅なら問題ないのでしょうが)。余計なお節介的機能満載で、拙劣なGUIも顰蹙ものです。アプリケーションを終了するメニューすら存在しないのですから、手抜きとしか言い様がありません。

他の商用ソフトもいくつか使いましたが、ろくなものがありませんでした。

このたび、Mac専用のウィルスバリア X4を初めてMacにインストールしてみました。GUIが実にスマートです。なにしろデスクトップ上の圧縮ファイルをウィルスバリアの窓にdrag & dropするだけでいいのですから、使い勝手最高。アプリケーションやウィルス定義ファイルも、トラブルなく更新できます。やっと掘り出し物が見つかりました。

Windows用配布ファイルは、いったんMacに転送してからウィルスチェックします。

ただし、当方が配布しているファイルがウィルスフリーだという保障はいたしかねます。各自、必ずチェックするようお願いします。

■ 2007年5月28日(月) おいしい仕事、おいしくない仕事

昨年3月以来、講演会や講習会で何度も講演・講義してきて、ab initio構造解析、とくに有機化合物の解析に対する需要が急速に高まりつつあることを痛感しました。TOF中性子回折に対する一般的関心の低さと対照的です。いくら宣伝しても一向に盛り上がらない「パルス中性子」に多くの人々を引き寄せるのは至難の業ですが、「未知構造の解析」は労せずして人が集まる、おいしい仕事なのです。3月と4月にそれぞれNIMSと阪大で開催した二つの講演会がよい例です。もちろん「おいしい」というのは、色々な意味で「おいしい」わけでして、人集めに限った話ではありません。福の神が舞い込んでくる可能性もあります。

流れに逆らったところで、消耗し、貧乏神に取り憑かれるだけ。威勢の良いかけ声ばかりでなく実質的に社会に貢献するためにも、おいしい仕事に集中し、おいしくない仕事は敬遠する方が世のため、人のため、我が身のためです。

「粉末X線解析の実際」講習会の三日目にab initio構造解析に関する講義を三つ入れ、RIETAN-FP・VENUS統合支援環境にEXPOマクロ(5月17日参照)を追加したのは、無論、こういう潮流を意識した上でのことです。

RIETAN-FPについても、ab initio構造解析と密接に関係する部分をさらに強化していきます。すでに腹案はあり、後はコーディングするだけですが、目下のところ、まとまった時間の確保が困難です。適当な時期に集中的に取り組むことになるでしょう。

■ 2007年5月29日(火) The emotion comes from the simplicity

中断必至を覚悟の上、昨日記した「ab initio構造解析と密接に関係する部分」関連のプログラミングに着手しました。

Fortran 90では、matmulとdot_productという関数で、それぞれ行列の積とベクトルの内積が計算できるんですね。これは誠に便利。たとえば行マトリックスr、基本テンソルg、列マトリックスcの積prodが実質一行で求まります:

prod = dot_product(matmul(r, g), c)

素晴らしい! この簡潔極まりないコードには、思わずうっとりしてしまいました。

■ 2007年5月30日(水) なんと総勢24名!

5月18日に香川大学 石井研究室岡山理科大 柴原研究室が合同で開催したタブエディタ(秀丸エディタ)上に構築されたDV-Xα法計算支援環境テストユーザの集いで撮影されたスナップ写真が石井研のWebページで公開されたと伺い、拝見しました。

いやー、にぎやかですね。活気に溢れてますね。私も参加したかったです。spd部会の方々との連帯感が強まっておりますので。

いや、それは止めておいた方がいい。最初から最後まで研究について何も語らず、愚にもつかぬ与太話を延々と続けてイメージダウン、というのが目に見えてますから。自分で言うのもなんですが、アカデミックな雰囲気は微塵もありません。酒を飲もうが飲むまいが一緒です。

坂根弦太氏のお話では、同支援環境の評判は上々で、

と、ただただ誉め言葉、感嘆の言葉が出ただけで、改善要求やバグ報告などは一切耳にされなかったそうです。それほど大したものなのかなぁ。巨人(秀丸エディタ)の肩に乗っただけではないでしょうか。

RIETAN-FPにしろ、VENUSにしろ、二つの支援環境にしろ、未来の科学技術を担う世代に手本を例示したにすぎず、それらのソフトウェアが傑出しているとも、末長く使われるとも思っていません。ただ、己の仕事が一代で途切れるというのでは立つ瀬がないので、なんらかの形で先達と後継がつながってほしいとだけ願っています。不足している機能や拙劣なところは後に続く世代の人々に補っていただくしかありません。「好きこそ物の上手なれ」だけでやってきた私には、一個人としての限界があります。もっと有能なプログラマーは星の数ほどいるでしょう。

既製品の欠陥や不備な点を指摘するのは簡単ですが、卓越したものを新たに創造するのは至難の業です。拙作に接した方々に影響を与え、将来それらを凌駕するプログラムが開発されるきっかけとなりさえすれば本望です。

実のところ、VICS・VEND、PRIMA、RIETAN-FPの英文マニュアルはそういう願望を込めて執筆しました。たとえばPRIMAのマニュアルには超高速MEM解析のアルゴリズムが詳述してありますし、RIETAN-FPのマニュアル、2.4.4項には基本テンソルの使い方に関する詳細な説明(基本テンソルの要素についてのθの偏導関数に至るまで!)が含まれています。これらのマニュアルを丁寧に読んでいただいたならば、実に多くのことを学べるに違いありません。

結晶学の初歩知識とプログラミングの心得のある学生なら、PRIMAのマニュアルを参考にしてMEM解析プログラムを書くのは難しくないでしょう。なにしろ、PRIMAのソースコードはRIETAN-FPのメインプログラムより短いのですから。といっても、PRIMAほどの高速化を達成するのは至難の業ですが。

■ 2007年5月31日(木) DV-Xα法計算支援環境を一般公開!

DV-Xα法計算支援環境を秀丸エディタ上に構築し始めてから3ヶ月近く経ちました。ご存じのように多数の秀丸マクロからなっており、DV-Xα分子軌道計算のユーザーインターフェースと作業効率を大幅に向上してくれます。

本日、ついに同支援環境のリリースに踏み切りました。テストユーザーのPC環境では安定に動いているようなので、もう配布しても大丈夫だと判断しました。

3D Visualization System VENUS中の11.1.2 Assistance environment for the DV-Xα methodでアーカイブファイルDV-Xa.zipがダウンロードできます。阪大の水野正隆氏から昨日お送りいただいたばかりのcontrdとmakec04dの新バージョン(999原子種に対応)が同梱されています。makec04dはcontrdの入力ファイルc04dのひな形を作成するためのユーティリティです。

DV-Xa.zipに含まれるプログラムはVENUSの一部でないことにご注意ください。あくまで関連ソフトウェアと位置づけています。

■ 2007年6月1日(金) こちらは閉店

6月に入ったため、「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会参加者向けの配布ファイルのダウンロードWebページを撤去しました。

「粉末X線解析の実際」講習会(7月9〜11日)の後に同講習会参加者向けに同様なWebページをオープンし、RIETAN-FPの次期バージョンやVESTAの最新版(リンクを通じて)などをダウンロードできるようにいたします。ご期待ください。

今日、Windows Vistaをインストールしたデスクトップ機をお借りし、VESTA v0.99.7の動作をチェックしてみました。トラブルなしに動くことを確認しました。

■ 2007年6月2日(土) 英文執筆時の必需品

英辞郎をv76(126万項目)からv105(159万項目)に更新しました。Mac用Jammingで検索します。自宅のiMacではJammingDicToolsによるインデックスの作成がいつ果てるともなく続き、中断せざるを得ませんでした。メモリー大食いのユーティリティのようです。結局、研究室のPower Mac G5で処理しました。

■ 2007年6月3日(日) 老け込むのは真っ平!

RIETAN-FPへのab initio構造解析関連機能の追加、DV-Xα法計算支援環境のリリース、Windows Vista上でのVESTAの動作チェック、英辞郎 v105へのアップデートといった、ここ数日の書き込みが暗示しているように、新たなことにチャレンジし、目新しいことを追い求める傾向が最近、とみに強まっています。自己活性化のため、意識的にそう心がけています。昨年秋以来、TeXShopと秀丸マクロの活用にのめり込んだのも、ケータイ用T9入力方式をマスターしたのも、その一環です。秀丸マクロに至っては、先行開発版が必要不可欠という有様なのですから、徹底しています。

この週末だけでも、先月にサービスを開始し始めたばかりのnanacoを使い始め、某学会編の単行本のゲラを校正し、N703iDとMacを接続して電話帳を書き換え、TeXShopをv2.10beta10にアップグレードし、LaTexiTの使い方を覚えるとともに、Vistaについて軽く勉強しました。賞味期限切れが迫りつつある己を急き立てるようなライフスタイルの下では、ボケている暇などありません。

LaTeXiTはプレゼンテーション用の図に数式をペーストするとき重宝します。たとえば、下図は5月29日に記した行列演算(二つのベクトルのなす角)をLaTeXiTでpngファイルにしたものです:


■ 2007年6月4日(月) DV-Xa.zipを更新

田楽DLLを最新版v2.95と交換するとともに、Readme_DV.txtとReadme_contrd.txtの一部を修正しました。ここでダウンロードできます。

今後、DV-Xα法関係のソフトウェアが次々にアップデートされていくそうですが、その都度、DV-Xα法計算支援環境を対応させていくつもりです。Open Watcom Fortran compiler v1.6でビルドされた新バージョンでは、目の上のたんこぶ(DOS extender)が跡形もなく取れているそうです。

■ 2007年6月5日(火) この馬力に脱帽

坂根弦太氏がDV-Xα法計算支援環境簡易マニュアル(HidemaruDV.pdf)を公開されました。なんと83ページ(9.3 MB)もの労作です。

  1. DV-Xα法計算支援システム
  2. 三次元可視化システムVENUS
  3. 教育用分子軌道計算システムeduDV

の三部からなっています。

凄すぎる —— 度肝を抜かれますよ。とにかくご覧ください、というしかありません。

上記文書の3ページに書かれているように、DV-Xα法計算支援環境の下では、DISPLATプログラム群、Open Babel用GUIeduDV、VESTAも起動できるようになっています。これらのうち、VESTAだけが一般公開されていません。たとえDV-Xα法計算支援環境だけ入手したところで、華のない、無味乾燥なシステムしか構築できないのは目に見えています。

そこで門馬綱一君にお願いし、「粉末X線解析の実際」講習会ばかりでなく第20回DV-Xα研究会(8月2〜4日)の参加者にもVESTAの最新版を特別配布していただくことにしました。門馬君と私は同研究会に参加します。第20回記念の同研究会を盛り上げるのに貢献できれば幸いです。

■ 2007年6月6日(水) 最重要な商売道具のメジャーチェンジ

Intel Visual Fortran Compiler for Windows v10.0(英語版)が出荷されたと知り、新しもの好き(6月3日参照)の血が騒ぎ、早速インストールしました。このバージョンからMicrosoft Visual Studio 2005 Premier Partner Editionが付属するようになりましたが、今のところ開発環境はMicrosoft Visual Studio .NET 2003のままに留めています。

RIETAN-FPを再ビルドしたところ、実行形式プログラムのサイズが2 121 728バイトから2 318 336バイトに増えました。Dual・Quad Core CPU用の最適化が進化したそうですが、コンパイル時に大量の余計なメッセージが出るようになりました。今後、コンパイラ・オプションを多少変更する必要が出てくるでしょう。

なお、昨日記したばかりのDV-Xα法計算支援環境簡易マニュアルも、その後かなり膨張し、全99ページ、ファイルサイズ21.3 MBに達しました。また、eduDVの実行形式ファイルがDOS extenderなしに動くよう改良されました。

■ 2007年6月7日(木) スパイと軍人の違いはありますが、

一昨日の「セクシーボイスアンドロボ」、女の裏切りのために廃人に成り果てた男が今際の際に一言「ユルス」っていうシーンは、乱歩の「芋虫」と似てるな、と感じたのは私だけでしょうか。

■ 2007年6月8日(金) 嗚呼、過密日程

今後、4つの学協会から依頼された講義・講演を次々に片付けていかねばなりません。すでに本掲示板に書き込み済みのものも含め、それらに関する情報を以下にまとめておきます:

  1. 日本結晶学会講習会「粉末X線解析の実際」(7月9〜11日、東京)
  2. 第20回DV-Xα研究会(8月2〜4日、兵庫)
  3. 日本金属学会関東支部講習会「高度分析機器はどこまで進んだか — 基礎的機器から先端機器まで、原理と限界を確認する —」(8月24日、東京)
  4. 日本セラミックス協会 第20回秋季シンポジウム「無機物質の構造科学」(9月12〜14日、名古屋)

テキスト・予稿、プレゼンテーション用ファイル、配布ファイルなどを作成する必要がありますし、慢性的に体調がよくない上、他にもやらねばならぬことが山積みで、相当過酷な状況に追い込まれているといって過言でありません。昨年来、尋常ならざる数の講演・講義を引き受けてきましたが、もともと人前に立つのが苦手な男が、そこまで老骨に鞭打って奮闘するのは、やり過ぎではなかろうか、と自問しています。

今は講習会No. 3のテキストつくりに追われています。A4用紙、2段組で10ページが目標ですが、おバカワープロソフト(Word 2004)に足を引っ張られ、遅々として進みません(汗)。なぜか、貼り込んだ画像ファイルが所望の大きさにならない! といっても、Wordで書け、と厳命されている以上、逃れようがありません。

このテキストを送り終えるや否や、講習会No. 1のテキストの改訂に着手する必要があります。

こうした事情から、RIETAN-FPのアップグレードは停滞を余儀なくされています。拙速は禁物。正式版のリリースは先送りし、上記4つの研究集会がすべて終了した後、適当なタイミングを見計らって、ベータ版を公開することになるでしょう。

■ 2007年6月9日(土) grepの利便性向上

秀丸エディタ先行開発版v7.00β11では、grepの出力先を「単一」に設定すると、最後にgrepの結果を出力したウィンドウ(タブ)を再利用し、そこに結果を出力します。RIETAN-FPのような巨大Fortranプログラムは分割コンパイルしていることから、grepを使う機会が多い私にとっては、実に喜ばしい機能です。タブモード付きSDIウィンドウを採用しているとはいえ、タブの数が増えるのは避けたいです。

v7.00β11はすでに十分安定です。二つの支援環境の土台として安全に使えます。

■ 2007年6月10日(日) 数ヶ月に1回の埋め草

RIETAN-2000で得た成果を発表する際、引用すべき論文の引用回数が550を突破しました。

これはあくまでRIETAN-2000の分でして、それ以外のRIETAN利用論文の数は不明です。廃棄したパルス中性子回折版も含め、すべて合計すると2000報を越えているものと推定されます。

講習会No. 3(6月8日)のテキストは、昨日と今日、半日ずつ働き、なんとか書き終えました。画像ファイルの倍率が調節できないことがあるというWord 2004のバグは、結局、対症療法でしのぎました。

計10ページ。2段組で、本文のフォントサイズが10.5ポイントですから、かなりボリュームがあります。

常にせかされているような気分で、休日もゆったりできない。というより、丸一日仕事しませんでした、という日がほとんどない。研究者というのは、つくづく因果な商売だと思います。

■ 2007年6月11日(月) 時効になった事件を趣味で捜査という趣向のドラマ、

帰ってきた時効警察」が終わりました。私はとりたてて「時効警察」が気に入っていたわけではありませんが、最後に必ず「だれにも言いませんよ」カードを犯人に渡すというパターンは面白いと思いました。水戸黄門の印籠みたいなもんですね。近く発売になる「時効警察」のDVDボックスには「だれにも言いませんよ」カードが特典として付いているんだそうです。

私も「(ベータ版を)使ってもいいですよ」カードを渡している口です。こういうおみやげを渡さないと、なかなか人を引き寄せられません。できるだけ多くの方々に参加していただきたいのに会場が閑散としていると、鬱状態に落ち込む恐れがありますから、必死です(3月1日参照)。たとえば「粉末X線解析の実際」講習会では参加者全員にカードをばらまきます。一方、別に人が集まらなくても構わないというときは、カードを懐にしまっておくのですから、ドライなもんです。

もっともベータ版が「切り札」として通用するレベルに達していなければ、見向きもされませんよ。世の中、そう甘くはありません。

果たして私が「(VENUSを)使ってもいいですよ」カード(12.2参照)に捺印し、誰かに渡すという可能性はあるんでしょうか。答えは簡単 —— 無条件あるいは自発的にカードを出すという太っ腹な措置は、当方のビジネスモデルではあり得ません。それだけは断言できます。第一、眼鏡をも預かってもらう三日月しずか(麻生久美子)相当の女性がおりませんわな。

■ 2007年6月12日(火) 別なカードの話

Felica採用のICカード、ケータイ中のも含めると、5枚に増えました。偉大な発明ですよ、これは。いずれ小銭が要らなくなる日が来るのかなぁ。まず、すべての自動販売機がICカード対応になってほしい。

■ 2007年6月13日(水) 秀丸マクロの美化

Windows Vista対応のDV-Xα法関連Fortranプログラム群が近日中にリリースされる見込みです。DV-Xα法計算支援環境簡易マニュアルの6ページ、追記に書かれているように、もはやDOS extenderや配列サイズのクラス指定は不要となります。そこで、DV-Xα法計算支援環境をその新バージョンに適合させました。改良に改良を重ねて完成させたGetVarSizeとGetVarSize2という名人芸的サブルーチンをすべて削除したのはさびしかったですが、致し方ありません。

改訂作業の過程で、絶対パス中にスペースを含むファイル名の記述法が*.batと*.exeで異なることに気づきました。すなわち*.exeの場合、引用符を二重にする必要がないのです(二重でも大丈夫ですが)。そのような行を含む秀丸マクロを修正しました。このノウハウはRIETAN-FP・VENUS統合支援環境にもフィードバックしました。

さらに、新しいマクロMAKEF05SCFS(SCFSモード用のF05を作成)を一つ追加しました。これでDV-Xα法計算支援環境に含まれる秀丸マクロの総数は119個になりました。

なお、現バージョンのDV-Xα法計算支援環境はWebサーバのハードディスクがクラッシュしたため、ダウンロードできなくなっています。当該Webサーバは現在、復旧作業中です。DV-Xα法計算支援環境の新版は上記Fortranプログラム群の新バージョンがリリースされ次第、VENUSのWebページで公開します。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境の改訂版の方は、「粉末X線解析の実際」講習会の参加者に配布しましょう。単行本「粉末X線解析の実際」に欠けている事柄を記述したサブテキスト(21ページ)はほぼ改訂し終わりました。

■ 2007年6月14日(木) 秀丸マクロの美化、その2

秀丸マクロ中では環境変数とマクロフォルダの絶対パス(macrodir)を取得できることを知り、坂根弦太氏の助けも借りてRIETAN-FP・VENUS統合支援環境とDV-Xα法計算支援環境に含まれる秀丸マクロを多数修正しました。

かくの如く両支援環境のブラッシュアップに血道を上げている主な理由は四つあります:

  1. タブモード付きSDIウィンドウを徹底活用したマクロ群からなる支援環境という技法は汎用性が高く、科学技術計算プログラムの実行支援環境を構築する際の手本となりうるから。
  2. GUIしか知らず、コマンドプロンプトやコマンド入力を嫌い、多くのファイルのopen、save、closeを面倒だと感じる若手研究者や学生を助けることができるから。
  3. 自分自身の仕事の能率が上がるから。
  4. 秀丸マクロと田楽DLLの豊富な命令を駆使した支援環境をつくるのが楽しくて仕方ないから。

これだけ大義名分が揃えば十分でしょう。

もっとも、最新テクノロジーのデモンストレーション(No. 1)と若者の救済(No. 2)はとってつけたようなもの。誰かに「(そういう)ご立派な人と違うもん。」(2004年8月26日参照)と突っ込みを入れられかねません。

No. 3に至っては、はっきり言って嘘です。大体、粉末構造解析や電子状態計算はテストくらいしかしませんから。

No. 4こそ真の理由というのが本音です。つまりNo. 1〜3は結果としてそうなる、というだけのこと。しかし、威勢のよい掛け声だけの「発見」、「発明」、「実用化」、「産業界への貢献」がはびこる中、実際に役立ち利用されるんだったら、「個人的趣味」だろうが「限りなく娯楽に近い仕事」だろうが「偽善」だろうが構わんでしょう。

もう一つ蛇足的理由を追加するならば、

  1. C言語似の秀丸マクロはとっつきやすく、プログラミング能力の錆び付きを防げるから。

というのが挙げられます。地獄からやって来たエディタ(Emacs)のようにLispで記述しなければならないのだとしたら、お手上げです。Lispを新たに習得する気力などありません。

ともあれ、これで講習会・支援環境関係の仕事は一段落ついたので、中断していた●●大学—NIMS連携関係の共同研究に復帰します。当方の担当部分は、将来かなりの波及効果が見込めます。「粉末X線解析の実際」講習会の参加者への配布ファイルにも反映させるつもりです。仮に同講習会に間に合わなくても、8月上旬まではファイル配布用Webページを更新し続けますから、間違いなく提供できます。

なお、「粉末X線解析の実際」講習会は人気上々で、近々、満員御礼となるのは確実の勢いです。集客請負人として、この盛況に安堵いたしました。

■ 2007年6月15日(金) Crystallographerは相手にせずってこと?

CrystalMakerのデモ版をダウンロードしました。かつてCrystalMakerの作者に、任意の一原子、結合距離、結合角を画面上で選択した際には、それぞれの原子の対称操作と並進操作を出力するようにしてほしいと要望し、にべもなく断られたのを思い出し、現バージョンでは進歩したのか否かをチェックしてみました。依然としてダメなようです。いかんですなぁ。

こんなざまでは結晶解析用ツールとしては失格、単なるアマチュア向け結晶模型作画ソフトにすぎないのかと失望し、それ以上試用する気も失せ、ゴミ箱に放り込みました。等値曲面を可視化できるようにしろとまでは言いません。基本的に重要な結晶学的情報くらい表示したらどうだ、と批判したいだけです。

そういう必要不可欠な機能を含む結晶模型作画ソフトが欲しかったのも、VICSを作成した目的の一つでした。もちろん、それらはVESTAにもしっかり受け継がれています。

しかし、単なる私の思い込みなのかもしれません。ひょっとしたら、そのような機能がどこかに潜んでいる可能性があります。なにしろ13万円を越す高価なソフトなのですから。もしご存じの方がおられたら、ぜひお教えください。

■ 2007年6月16日(土) 大体COEなんて自称するところが●●丸出しではありますが、

某知人の関与した提案がグローバルCOEプログラムに採択されたと聞き及びました。

あえなく撃沈された提案の関係者や採択ゼロの大学には衝撃波が走ったことでしょう。COEとりました、CREST・さきがけ・ERATOとりました、学振(特別研究員)とりました、云々ってのが一種の格付けになってますからね。ロンブーの格付けと違って経済格差(羽振りの良さ)に直結しますから、組織・研究室・個人(学生まで!)がみんなパイの奪い合いに必死です。

今後、全研究費に占める競争的研究資金の割合はますます増えていくに違いありません。すでに大半の分野で、十分な競争的資金なしには研究らしい研究、すなわち高い評価が得られる研究が実施できなくなってきています。大学間・大学内・研究者間格差は広がる一方です。資金の乏しいところには優秀な人材(学生、ポスドク、教官)も集まらなくなり、研究系大学と教育系大学への相分離や大学の統廃合が進むでしょう。組織にせよ個人にせよ、手をこまねていたらじり貧になるだけです。

競争的研究資金など自ら取りに行く必要がなく、たとえ獲得したところで使い道がないという私は、弱肉強食、生き馬の目を抜く競争世界とは無縁です。いわば高みの見物を決め込んでいる傍観者。Rubenを雇用していた頃と状況が一変し、経済的困窮から完全に脱却しました。

といっても、惰眠を貪るどころか、むしろ逆なんですけどね。私および私の仕事が再評価され、あちこちからお声がかかるようになった結果、この週末も仕事、仕事、仕事。そうでもしないと所定の期日に間に合わないのだから仕方ありません。

過去数年、赤字垂れ流しの不採算部門(パルス中性子)に見切りをつけ、コア・コンピータンスをもつ研究領域に注力するとともに、長期的な目標を重視して新規分野への投資を惜しまなかったのが功を奏してきたということなんでしょう。時代の流れと将来を見据え、大型施設にありがちな利益なき繁忙は避け、競争力のある、おいしいビジネスにフォーカスする —— 八方破れのように見えて、生き残りのための方策を抜け目なく講じていたのですから、我ながらしたたかですなぁ。どこでこういう遊泳術を身に付けたんだろう。

■ 2007年6月17日(日) ヤキがまわったか?

この二三日、散々悩まされ続けたバグの原因がようやくわかりました。配列名XYZが一箇所だけXYXになっていたためでした。一時はバージョンアップしたばかりのIntel Visual Fortran Compiler 10.0がバグってるんじゃないかと疑ったくらい、解決にてこずりました。ともあれ、これでRIETAN-FPエンジンを強化するためのパーツ7個が揃いました。週明けには、早速これらを組み込むことにします。

この週末、ろくに休息をとらなかったため、体調いと悪し。丸3年酷使したPower Mac G5もへたってきました。ファンの回転音が異常に高まっています。なんとかLeopardが10月に出荷されるまで命脈を保ってほしいです。

■ 2007年6月18日(月) 電池が終わりかけている腕時計、

シチズンのATTESAを買ったのは東工大(大岡山)で講義したときだから、もう満14歳。前月にコロラド州ボルダーのNISTを訪問したとき、先代の時計を地面に落とし、壊してしまいました。授業の際必要なため、新宿で購入したのです。

電池を交換せず、ソーラー電波時計でも買おうかな、と迷ったのですが、なんのトラブルもなく動いているものをお払い箱にしたりすると、バチが当たる(ツキが落ちる)ような気がしてなりません。質素な暮らし(シンプルライフ)を好む私としては、当分これで我慢することにしました。

昨日記した7個のパーツをRIETAN-FPに組み込みました。明日から入出力部分を書き、動作チェックを行います。

■ 2007年6月19日(火) VESTA v0.99.8 for Windows

が昨晩リリースされました。テストユーザーの皆様、チェックをお願いします。

「粉末X線解析の実際」講習会と第20回DV-Xα研究会の参加者には本バージョン以降のVESTAを配布する予定です。

現在、RIETAN-FPに実装中の新機能は、豊富な結晶学的情報を出力してくれるVESTAなしでは事実上使えません。プロフェッショナリズムに満ちたVESTAだからこそRIETAN-FPと連携しうるのです(アマチュア向けのCrystalMakerでは無理な相談)。3Dグラフィックスの徹底活用という点でRIETAN-FP—PRIMAペアの右に出る粉末構造精密化ソフトは存在しないでしょう。新しもの好きを自称する私にふさわしい突出ぶりです。

以下、本日、RIETAN-FPで使用したばかりの構文に関するメモ:

      outmost_loop: do k = 1, 100
        do j = 1, 3
          do i = 1, 3
            if (x(i,j,k) < 0.0) exit outmost_loop
          end do
        end do
      end do outmost_loop

というようにdo構造名を使えば、現ループの外側のループから抜け出られる。

■ 2007年6月20日(水) 嗚呼、驚天動地の一言

「粉末X線解析の実際」講習会のサブテキストを送付し、復旧したWebサーバへのSFTP接続に四苦八苦しながら、RIETAN-FPの新機能に関する文書に1ページを追記しました。それを書いている最中に、学術用語の正確な定義を知る必要が出てきて、あれこれ調べているうちに一日が過ぎてしまいました。

一昨日、クローズアップ現代、「時代を励ました歌 — ZARD 坂井泉水さんが遺したもの —」を見ながら思い出したのは、終始一貫テレビにそっぽを向き続けた坂井泉水がミュージックステーションに出演したときのことです。タモリが「おれみたいなオジンなんか嫌いだよね。」と言ったときの彼女の返事でした。ただ一言「●●です。」 。あのタモリが真っ赤になりました。私も意表を突いた、その言葉に度肝を抜かれました。今でも鮮明に覚えているのは、そのせいです。

■ 2007年6月21日(木) CO2排出量の極端に少ない研究

有機化合物のリートベルト解析に役立つ新機能を実装したRIETAN-FP v1.5bが完成したので、テストに回しました。

「粉末X線解析の実際」講習会に間に合うようRIETAN-FPの新機能に関する文書とRIETAN-FPの英文マニュアルを改訂していて、昨日までうなりを上げていたPower Mac G5が見違えるように大人しくなったことに気づきました。理由は簡単、今日からエアコンの運転が始まったからです。Macがへたったという記載(6月17日参照)は、私の思い込みにすぎませんでした。あれはMacが悲鳴を上げていたのです。

しかし、連日、Macのファンがブンブン回り続けたということは、自分の肉体が痛めつけられていたということにほかなりません。最近の体調不良(+頭の働きの悪さ)は、居室の温度が高すぎたためだったような気がしてきました。水冷Macより人間様の方がよほど可哀想です。

コスト節減のため暖房を切っていた職場で体調を壊し、救急車で病院に担ぎ込まれた日産栃木工場の女性社員の哀話が文藝春秋に載っていましたが、人ごとではありません。従業員を大切にしない、こういう会社のクルマは買いたくないなぁ。

節電(CO2削減)は他のところで心がけてほしいです。別に電力バカ食いの、地球に優しくない装置・施設(極め付けは大型加速器)の運転日数を減らせ、とまでは言いませんけどね。ただ、ノーベル賞の一つや二つは獲得してくれないと、巨額の出費と大量のCO2排出に引き合いませんよ。

自慢じゃないけど、当方の仕事は地球にかける負荷と国家予算の消費量が僅少という点では模範生です。さほど高くもない人件費とありきたりのPCさえあれば十分。これまた血税・電力を大食いするスパコンのような贅沢品とは無縁です。おまけに我々が無償配布しているソフトは構造解析ばかりでなく研究費の節約にまで貢献し、民間企業でも日常的に使われているのですから、波及効果抜群。地球や納税者から「天晴れ、よくやった!」とお褒めいただけるに違いありません。

■ 2007年6月22日(金)  さすがにRIETAN-FPの英文マニュアル(127ページ)までは含めませんが…

最近加筆したばかりの「多目的パターンフィッティング・システムRIETAN-FPの新機能について」という文書を「粉末X線解析の実際」講習会のサブテキストに加えたいという連絡が届き、最終チェックを行った後、プレス品質のPDFを送付しました。結局、私の分だけで計41ページ。他の講師の方々が執筆した分を加えると、かなり分厚いサブテキストとなるでしょう。これほど大量の文書とソフト(RIETAN-FPとVESTAの最新版)を配る講習会は稀だろうなぁ。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境とDV-Xα法計算支援環境に瑕疵を見つけました。何らかのデータ入力が要請されることを示す"..."がメニュー項目やボタンに付いていないのです。VESTAは徹底的にチェックしたのですが、自作ソフトについては灯台下暗しとなっていました。

WindowsとMac OS Xに共通するGUI構築の際のガイドラインに従うべきなのは言うまでもありません。坂根弦太氏にもご協力いただき、これから修正します。

■ 2007年6月23日(土)  或る不動産投資王

「少林サッカー」と「カンフーハッスル」の2本を観ただけですが、チャウ・シンチーのおバカ映画、好きです。Yahoo! 映画ニュースによれば、この男、金儲けの才能にも恵まれているようです。150億円もの資産を産み出しそうな高級住宅の完成祝賀会に恋人を連れ、短パンにサンダルという出で立ちで現れたというのだから、実生活も映画の世界そのまま。幸せな人です。

しかし、髪に白いものが目立つようになってきたので、もう映画で自ら主役を演じ、カンフーを披露するのは無理でしょうね。

■ 2007年6月24日(日) タコなヤツと付き合わざるを得ないとすると…

WordとLaTexで書かれた文書を平行して編集していると、どうしてもWordのダメ出しをしているような気分に陥ります。とりわけ拙劣なのが文字間隔の調整で、全角文字と上付き文献番号の間隔、全角文字とギリシャ文字の間隔を全部手動で調整せねばなりません。全角文字と英数字の間隔がしばしば異様に広がり、見栄えが悪くなります。文献番号の自動変更は一応可能ですが、LaTeXに比べると恐ろしく使いにくく、面倒です。数式の薄汚さときたら、噴飯もの。不要な機能を満載している癖に肝心要な所をおろそかにしており、理工系研究者の道具としては失格です。

RIETAN-FPのようにページ数、文献とも100を軽く越し、リンクを徹底的に張り巡らし、目次、索引まで付いている長大な文書をWordで書いたとしたら、極度の疲労とストレスのため、あの世に逝ってしまったかもしれません。

ところが、「悪貨は良貨を駆逐する」という法則通り、この粗悪ソフトが一般大衆社会の標準になっているのですから、始末に負えません。個人的には能う限り使わぬよう心がけてはおりますが、勤務先、学協会、出版社、研究集会などが軒並みWordのファイルを提出せよと注文してくるのでは、逃れようがないというのが現実です。せめてPDFファイルの提出くらいは認めてほしいものです。

理工系の学生は修士・博士論文をLaTeXで書くことを強くお薦めします。たとえ指導教官がWordしか使えないとしてもね。一生物の知的財産になりますから。

■ 2007年6月25日(月) 過剰性能

6月18日に記したソーラー電波時計ですが、少しはバチが当たり、ツキが落ちた方がいいという心境になったため、週末に質実剛健・実用一点張りの製品を買いました。確かに一秒の狂いもなく動いているものの、その高精度がなんの役にも立たない職種に就いているところが悔しい。

二つの支援環境でメニュー項目やボタンに"..."を付ける作業が終了しました。DV-Xα法計算支援環境のアップデートにご協力いただいた坂根弦太氏に感謝します。RIETAN-FP関係の二つの文書も改訂しました。一歩ずつ着実に前進しています。

■ 2007年6月26日(火) 名古屋・大阪方面の方々へのお知らせ

名工大の福田功一郎氏が6月27日(明日!)と7月4日にそれぞれ名古屋と大阪で開かれるPANalyticalオープンセミナーにおいて「X線粉末回折法によるセラミックス材料の解析 —— 未知構造解析から結晶相の定量分析まで ——」というタイトルで講演されるそうです。直接法(EXPO2004)による構造モデルの導出、RIETAN-2000/FPによる構造精密化、RIETAN-2000/FPーVENUSによるMPF解析と3D可視化に興味をおもちの方には参加をお薦めします。

粉末X線回折による未知構造の解析が一段と活発化してきたことを鑑み、RIETAN・VENUS統合支援環境にはALBA、EXPO、res2insという三つのEXPO2004関連マクロを組み込みました。福田氏のご講演により、EXPO2004ーRIETAN-FPーVENUSの連携プレーの有効性がよく理解できるでしょう。

なお、EXPO2004の作者であるGiacovazzo先生は今年の暮れに来日され、EXPO2006によるab initio構造解析とタンパク質の構造解析に関する講習会を開催されると聞いています。

■ 2007年6月27日(水) さすがHermann Zapfの傑作書体

「粉末X線解析の実際」講習会における講義用のPDFを作成しています。その内の一枚(罰金関数法)は数式が4つも含まれているため、LeTeXで作成しました。フォントがデフォールトのComputer Modernだとやや細く見えるので、Palatinoに変えたところ、いい感じに仕上がりました。

■ 2007年6月28日(木) "Give and take"という下世話な言葉、

これは人間を突き動かす基幹的モチベーションの一つとして機能しています。研究の世界も例外でありません。地位・便宜・特権をちらつかせて人を囲い込んだり、豊富な予算をエサに人を釣ることなど日常茶飯事。記事の執筆の見返りにスポンサーを要求する新聞社もあれば、入会と引き替えに賞を与える学協会まで存在します。アカデミックな世界には色々な意味の「亡者」が蠢いていますから、多種多様の"Give and take"のパターンがあります。

出世願望=痕跡程度(雑用・書類・会議の洪水に飲み込まれるだけ)、これ以上忙しくなるのは真っ平、札束で頬をなでられるのは気持ち悪い、新聞なんかに載っても仕方ない、本末転倒の賞なんかくそ食らえ(そんななりふり構わずの学会の会費、払う気がしねぇ)—— "Give and give"の志を貫いている自分としては、できるだけこういう損得勘定と無縁でいたい。それに脂ぎった中年のおっさんと違って、うまい話に飛びつくほどの欲、活力、上昇志向性がありません。脂っ気が抜け、カサカサ。しかも少しは休息が必要です。

ということで、●●●●からの■■■■はあっさりお断りしました。ちと、もったいなかったかなぁ。

■ 2007年6月29日(金) なにしろ頻繁に使うものなので

Default Folder X v3.0.5はMac OS 10.5 Leopard互換となりました。

Windowsを使っていて常にフラストレーションが募るのは、Default Folder Xのような優れたOpen・Saveダイアログ改善ユーティリティがないことです。目的のフォルダ・ファイルにたどり着くのに時間がかかりすぎます。Mac OS X+Default Folder Xの方がはるかに能率がいい。とりわけ便利なのが、デスクトップ上で任意のフォルダをクリックすると、ただちにそのフォルダがOpen・Saveダイアログに現れるという機能です。

この離れ業に比べると、窓の手による「コモンダイアログのプレースバー」用の静的フォルダ指定はショぼすぎます。

Windowsに疎い自分が知らないだけなのかもしれません。もし有用なユーティリティがあるなら、どなたか教えてくれると助かります。将来性を考慮すると、Vistaで使えるソフトが望ましいです。商用ソフトやシェアウェアでも構いません。あまり期待せずにレスポンスを待ってます。

■ 2007年6月30日(土) 結構おいしかった

今週は、銚子電気鉄道謹製のぬれ煎餅を1日1枚ずつ食べました。

製造が追いつかないくらい売れているらしい。鉄道の赤字を煎餅で補うんじゃなくて、いっそ煎餅屋に専念した方がよほど儲かるんじゃないかな。いや、鉄道屋が製造した煎餅だから、同情の念で買ってもらえるのか。

当ホームページも、多数のユーザーを抱えたソフトの作者が書いてるから値打ちがあるんだろうな。そうでなかったら、迫力不足で、見向きもされないでしょう。存在感のない広告塔ほど役立たずのものはありません。やっぱり、プログラミングからリタイアするのは当分先になりそうです。

■ 2007年7月1日(日) Cコースだけ受付中

「粉末X線解析の実際」講習会のA・Bコース(7月9・10日)は参加希望者が定員に達したため、登録受け付けを締め切りました。今はCコース(7月11日)のみ参加登録を受け付けています。

これまで特性X線で測定したデータをリートベルト法で解析するだけに留まっていた方々がステップアップするのに好適ですし、次世代パターンフィッティング・システムRIETAN-FPに関する講義も含まれておりますので、ぜひCコースを聴講されるようお勧めします。

当ホームページの宣伝効果の程は定かでありませんが、この盛況は目出度い限りです。

ここのところ、テストユーザーともども、上記Cコースで話すRIETAN-FPの新機能追加に汗をかいています。仕様が決まったので、講習会出席者にはその機能を含むRIETAN-FP v1.5bを配布することにしました。Webサーバも復旧したので、百数十人からのアクセスが短期間に集中しても大丈夫なはずです。

現在、Windows、Mac OS X、Linux版が勢揃いしたVESTA v0.99.9をテスト中です。この最新版では、アンチエイリアス処理(View → Antialiasing)により線以外のオブジェクトの描画品質が向上しました。オブジェクトが俊敏に動かなくなる場合は、オフにしておくといいでしょう。

また、Mac OS X版でツールバー上のボタンにダミーの表記が必要という不具合は、wxWidgetsをv2.8.4へアップグレードすることにより見事、解消しました。「粉末X線解析の実際」講習会の出席者にはVESTA v0.99.9(以降)も配布する予定です。

■ 2007年7月2日(月) 最強CD/DVDエミュレーション・ユーティリティの有料化

DAEMON Tools Proが出荷されました。どうもv4.10以降はお金を払ってください、ということらしいです。一方、無料のv4.09.1は現在でもダウンロードできます。安定して動いており、当面はこれで十分ですが、いずれはアップグレードするつもりです。

意外に思われるでしょうが、近ごろ私は、基幹ソフトの有料化はいいことだ、と思うようになりました。もちろん、開発者の経済基盤が安定し、ソフト開発に十分な時間を割け、結果としてソフトの改良が加速・継続される、ならばという条件つきですが。

たとえば、重大なバグが見つかったが、直してくれる人がいません、という悲劇は、いかにもありそうなことです。OSがバージョンアップしたらまともに動かなくなりました、しかし人手・開発費不足のためギブアップです、という事態だってあり得ます。ろくにアップデートされずに朽ち果てていくソフトは枚挙にいとまありません。そういうことでは困るのです。

私がフリーのコンパイラ、テキストエディタ、日本語入力システム、グラフ作成ソフトを使おうとしないのは、これらが最重要の商売道具であり、有料ソフトの方が多くの点で無料ソフトを凌駕しており、しかも絶えずアップグレードされているからです。研究者や技術者が片手間でこしらえている中途半端な無料ソフトより、よほどましではありませんか。

無料ソフトTeXShopに完膚無きまでに叩きのめされているMS Word(6月24日参照)という逆転現象は例外でしょう。天下のマイクロソフトでさえ歯が立たないレベルに達しているTeXShopのバージョンアップが順調に進捗するなら、ぜひ有料化してもらいたいくらいの心境です。このソフトに出会わなかったら、RIETAN-FPの英文マニュアル、ひいては秀丸エディタに基づく二つの支援環境は影も形もなかったはずですから。

といっても、RIETAN-FPを有料にする気は毛頭ありません。ご心配なく。あくまで人様のソフトについて言及しただけです。

■ 2007年7月3日(火) 詳細は語らず

私が関心を抱いている領域で、島根県には傑出した人物が二人居住しています。一人は松本行弘、もう一人は脚本家の渡辺あやです。

先週末に渡辺あやがトップランナーに出演しているのを偶然観ました(8月2日再放送予定)。「ジョゼと虎と魚たち」中のお気に入りシーンと「メゾン・ド・ヒミコ」でもっとも印象的なシーンについて語っていました。

前者は、セリフ抜きの野外シーンです。この映画にしては異例なほど明るく、幸福感に溢れていました。ふ〜ん、これかぁ、という感じ。

後者は映画を観た人なら誰でもわかるでしょう。あの唐突で、ド派手な場面です(レインボー戦士ではありません)。

島根県浜田市が舞台の「天然コケッコー」が今年封切られるとのこと。いずれ観ることにしましょう。

■ 2007年7月4日(水) これも給料のうち

今は4つの学協会から依頼された講習会・講演会(6月8日参照)をなんとか乗り切るべく必死ですが、その後に開催する講演会の企画もいずれ立てなければなりません。それは私の「業務」そのものなのです。腹案はあるものの、一つのイベントに費やす時間と手間を考えると、うんざりです。これまでに培ってきた人脈を活かして、粉末回折離れした催しにするつもりですが、自らも講演せざるを得ないでしょう。

大体、私くらいの年格好のオジさんは、とうに賞味期限切れ、やたらに会議・会合に駆り出され、書類や雑用の山に埋もれ、事前・中間・事後審査に振り回され、さもなくば残務整理に精を出しているのが尋常な姿です。この年でこれほど出突っ張りなんて、2・3年前には想像だにしなかったなぁ。

大丈夫、なんとかなるさ、と自分に言い聞かせるしかありません。

■ 2007年7月5日(木) これも参加登録料のうち

「粉末X線解析の実際」講習会の講演用PDFファイルが完成しました。

Aコース(2日目)用のPDFは44枚。最後の2枚に、ちょっとしたサプライズを仕掛けておきました。そう大したもんじゃありませんが。

Bコース(3日目)用のPDFが38枚とやや少なめになっているのは、最後にRIETAN-FP・VENUS統合支援環境の実演を行うためです。

例によって、参加者にはRIETAN-FP、RIETAN-FP・VENUS統合支援環境に加え、これら二つのPDFファイルも差し上げます。

■ 2007年7月6日(金) 「エコール」、

観ている間にうつらうつらとしてしまいました(笑)。趣味に合わねぇ、の一言。まあ、こういうのが好物だったら困りものですけどね。

このホームページを継続的に読んでおられる方々は、私が年がら年中飽きもせずプログラミングに熱中し、暇さえあればMacをいじりまくり、常に講演と講義に駆けずり回り、夜な夜なビデオ屋を徘徊していると思い込んでおられるかもしれません。

だとしたら、誤解の最たるものです。プログラミングに費やしているのは勤務時間の1%程度に過ぎません(2006年3月9日参照)。少なくとも職場では、MacとWindows機を仕事の道具として分け隔てなく使っています(論より証拠、プレゼン用PCはDell製品)。露出度(人前に立つ回数)が急激に高まったのは昨年春からです。映画はさほど詳しくなく、好きでもありません(半可通もいいところ)。

3月30日にも書き込んだように、当掲示板は「私の研究や日常生活を局所的にクローズアップしている」だけだということをご理解ください。

■ 2007年7月7日(土) 07.07.07(七夕)に同時リリース

本日、DV-Xα分子軌道計算システムとdisplatの改訂版がここで公開されました。主な改善点は次の通り:

  1. 最大原子種数(NEQ)が99から999に増加。
  2. 計算時に収束状況を表示。
  3. i、jよりも大きな配列サイズx、yを追加。
  4. 配列サイズの自動見積もり。
  5. DOS extenderの追放。
  6. Windows Vistaに対応。

同システムのリリースに呼応し、当方もそれに完全対応したDV-Xα法計算支援環境を3D Visualization System VENUS(11.1.2)で公開しました。contrd関係のファイルは新DV-Xα分子軌道計算システムに吸収されましたが、Readme_contrd.txtだけはDV-Xα法計算支援環境の配布ファイルDV-Xa.zipに残っています。

本支援環境の開発にあたっては、坂根弦太氏(岡山理科大)と水野正隆氏(阪大)に一方ならずお世話になりました。eduDV関係の秀丸マクロはすべて坂根氏が作成されました。ここに記して謝意を表します。

2002年12月末に「セラミストのためのパソコン講座」がCD-ROMの形で出版されたとき、フリーソフトウェアとしてはRIETAN-2000とVENUS v1.4だけが収録されました。VENUS v1.4はすでにcontrdの出力ファイルを3D可視化する機能を備えていました。当該CD-ROMはなんと完売 —— 日本セラミックス協会発行の刊行物としては異例中の異例とのことで、面目を施しました。

あれから4年半、ついにDV-Xα法による電子状態計算、教育用計算システム、3D可視化などを統括する支援環境まで構築したばかりか、VICS・VENDペアをはるかに陵駕するVESTAも完成に近づきつつあり、感無量です。SCATの計算結果をVICS・VENDで3D可視化できるようにしたことが、後年これほどの発展を遂げようとは夢にも思いませんでした。

■ 2007年7月8日(日) 「パパとムスメの7日間」

おやじと娘の心と体が入れ替わるってのは、尾道三部作の第一作「転校生」(1982年)のバリエーションです。1回目をチラ見しただけで、もう嫌気がさすほどの出来の悪さに落胆。ガッキーファンだけが頼りでしょう。

「転校生」の主演者は尾美としのりと小林聡美でした。二人とも中年のおじさん・おばさん要員として芸能界で生き残っているのですから、大したもんです。

大学院重点化がもたらした余剰ポスドクの就職難がどうのこうのと騒がれていますが、サバイバルが大変なのは研究以外の世界でも同じことです。音楽やプロスポーツの世界がその最たるもの。博士号の取得はさほど難易度の高いことではありません。博士といってもピンからキリまでいるのですから、大多数が淘汰されるのは当然といえば当然ではないでしょうか。逸材が落ちこぼれ、ろくでもない「人材」が生き残る例は枚挙のいとまがありませんが、そういう逆転現象は世間によくあること。そのようなリスク、入学金・授業料の納付、生涯獲得賃金ひいては年金の減少を十分覚悟した上、自己責任で博士課程に進学するべきです。少子化と独法化の余波で、常勤の大学教員や研究者のポストは減ってきています。先の見通しが立たない以上、よほどcreativeかつpowerfulで、精神的にタフで、ボスのコネが期待でき、かつ自ら恃むところが厚い人でないと、到底お勧めできません。

博士課程に進学するのは、イラクやアフガニスタンを一人で旅するようなものです。悪運が強ければ、帰って来られます(常勤職にありつけます)。運の悪い人は誘拐されたり(フリーターになったり)、最悪の場合、殺されたり(自殺したり)します。

運よく定職にありついた後、沈殿するか上澄みとなるかは、やはり実力と努力次第でしょう。ただし、運や処世術は実力の一部です。2年前に書いた通り、上澄み(研究業績で高く評価される高名な研究者。マネージメント指向の2・3流研究者にあらず)に入り込める確率は数%程度にすぎません。

たとえ優秀な研究者として名声を博したとしても、高収入が得られる訳ではありません。専門知識、独創性、予算獲得能力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、語学力、体力、気力、耐久力、精神力など、要求水準が非常に高い割に、給料は普通のサラリーマン並なのです。社会的地位はけっして高くないと言い換えてもいいでしょう。

要するに、リスクがかなり高く、成功を収める確率はきわめて低く、経済的にはさほど恵まれていないのが現実です。それでもあなたは博士号取得を目指しますか?

■ 2007年7月9日(月) DV-Xα法計算支援環境から起動する構造データファイル用コンバータ

Open Babelがv2.1.1にアップグレードされました。

■ 2007年7月10日(火) 「粉末X線解析の実際」講習会、初日

昨日は出番なしでしたが、一応顔を出しました。満員御礼の盛況。会場で受け取ったサブテキストはなんと264ページもありました。実用的な情報を満載。講習会参加者以外にも販売するそうです。

■ 2007年7月11日(水) 「粉末X線解析の実際」講習会、2日目

昨日は受付参加者が168名に達しており、なおかつ欠席者がほとんどいなかったため、急遽、最後尾に机と椅子を追加配置しました。これだけ大勢の方々を目の当たりにすると、自分(たち)の仕事は、見せかけでなく実際に世のためになっていることが実感でき、粉末X線回折に対する情熱を取り戻したような気分になりました。

■ 2007年7月12日(木) Big news on a slow news day

昨夕、「粉末X線解析の実際」講習会、Cコースを無事終了しました。7時から、講習会の運営を手伝っていただいた東京理科大中井研究室の学生諸君も交えて反省会(実態:打ち上げの飲み会)を開きました。女子学生4人から好きな芸能人を聞いていたところ、隣の学生から「泉先生はどういう人がカッコいいと思いますか?」という質問があったので、「目立たないところで地道にコツコツ働き、一家を背負う重圧をもろともしないような人ですよ。」と答えておきました。今にして思えば、私もお気に入りの芸能人について聞かれていたのかもしれません。研究や仕事などシリアスな話が一切出ないのは相変わらずでした。とことん脳天気だな、オイラって。

若い女の子というと、「どんだけぇ〜」とか「…みたいな」とか「ギザ…」とかいう、オジさんには違和感ありすぎの言葉をしゃべるのかと思っていましたが、そんなことはありませんでした。

深夜に帰宅したところ、門馬綱一君からVESTA v1.0b(Windows、Mac OS X、Linux用)をアップロードしたとのメールが届いていました。そう、同講習会終了直後にベータ版を一般公開するということに取り決めていたのです。

VESTA v1.0bはJP-Mineralでダウンロードできます。ベータ版と称するのは、公式マニュアルがまだ存在しないためです。しかし、VICS・VENDの英文マニュアルとここで入手できる文書「三次元統合可視化システムVESTAの新機能について」を参照し、IUCr CompComm Newslett., No. 7掲載の英文レビュー(p. 106)を併読すれば、まず支障なく使いこなせるでしょう。アプリケーションの完成度については、すでに正式版レベルに達していると自負しています。

VENUS license agreementを遵守する限り、VESTAは無償で利用できます。もちろん大学における授業や実習に使ったり、学生が自分のPCにインストールして使用することも許されます。結晶学のみならず物理、化学、材料科学、地球科学などの領域でもVESTAが実用的3D可視化ツールとして利用され、多岐にわたるタイプの研究や教育に貢献することを願ってやみません。

私もできるだけ早くRIETAN-FPのベータ版をリリースするよう努めます(激汗)。

なお本日、DV-Xα法計算支援環境の配布ファイルDV-Xa.zipを更新しました。マクロMAKELB.macを修正しただけです。坂根弦太氏の労作、DV-Xα法計算支援環境簡易マニュアルが昨日改訂されたこともお知らせしておきます。

■ 2007年7月13日(金) 「粉末X線解析の実際」講習会参加者向け配布ファイルを再アップロード

ねじれ角に対して抑制条件を付けると異常終了することがある、という不具合を解決したRIETAN-FP v1.51bに更新しました。RIETAN-FP_manual.pdfも少しだけ改訂しました。

講習会の際に私がお教えした10文字の呪文(z.la/.....)は、ブラウザでWebページのURLとして打ち込んでください。すると、その呪文は通常のURL(http://.....)にdecodeされ、配布ファイルダウンロード用Webページが現れます。

昨日、当ホームページのアクセス数/日は過去最高を記録しました。VESTAに対する関心が強いのでしょうか。

■ 2007年7月14日(土) DV-Xa.zipのアップデート

DV-Xα法計算支援環境の配布ファイルDV-Xa.zipを更新しました。大学の実習用PCへのインストールを考慮し、DV-Xα法および関連プログラムのバッチファイルを収めたフォルダEXECを管理者権限でpath指定せずに済むようにしました。坂根弦太氏により大半の秀丸マクロが修正されました。

上記支援環境は、昨日更新されたばかりの次世代版dvscatプログラム(dvxa_v1_01)および教育用分子軌道計算システムeduDVと組み合わせてお使いください。最新のdvscatプログラムでは、D6hの対称軌道が正確に表記されるそうです。

■ 2007年7月15日(日) VENUS使用許諾条件の改定

VESTAのベータ版が一般公開されたため、もはや実質的に不要となったVICS、VEND、VICS-IIに関する条項をVENUS license agreementから削除しました。

iDisk+Mailの保存容量を1 GBに減らしたとたんに、半月分の.Macデータ転送容量が上限に達してしまいました。「粉末X線解析の実際」講習会の参加者向けの配布ファイルさえNIMSサーバに置けば、まず大丈夫と予想していたのですが。泣く泣く1 GBを追加購入。6000円の出費でした。

.Mac上に本Webサイトを開設したときは、データ転送容量に応じて利用料金が変わるということは想定外でした。私用メールアドレスやURLが変わるのは避けたいので、今更どうしようもありません。公用メールアドレスを私用に使うわけにいかないしなぁ。

■ 2007年7月16日(月) FullProfの手には負えない?

遺伝的アルゴリズムを採用した実空間法プログラムGESTに関する論文

の末尾には、水熱法で合成したPb錯体のab initio構造解析が例示されています。FullProfによるLe Bail解析で観測積分強度を求め、GESTで構造モデルを導き出し、RIETAN-2000でリートベルト解析を行っています。どうしてFullProfでリートベルト解析しないのかな、と訝りました。構造パラメータ以外はすべてLe Bail法により精密化済みなのだから、そうする方がはるかに手っ取り早いじゃないですか。

RIETAN-2000に備わっている共役方向法を使いたかったのかもしれません。確かに、有機化合物の構造精密化にはこの最適化法が有効で、局所解への収束をある程度防げます。RIETAN-2000の方が最終的なフィットがよかったということは十分あり得ます。あるいは、Friedel対の構造因子を独立に扱えるRIETAN-2000が、重原子Pbを含む化合物の解析で威力を発揮したという可能性もあります。

この論文を読んでいるうちにGESTに興味が湧いてきたので、GESTの配布パッケージを頂きたい、というメールをFeng氏に送り、ダウンロード用Webページとパスワードを教えていただきました。

■ 2007年7月17日(火) xyz2f01関係の修正

本日、DV-Xα法計算環境の配布ファイルDV-Xa.zipを2度にわたって更新しました(2回目は午後5時ごろ)。*.xyzをF01に変換するプログラムxyz2f01.exeがファイルF01の末尾に配列サイズ指定行を出力するという不具合を修正しました。実質的に無害ですが、ユーザーを混乱させる恐れがあるためです。

またxyz2f01マクロ実行直後にF01が表示されないことがあるため、xyz2f01.macに100%有効な対症療法を施しました。つまりF01を開く直前に、すでに読み込み済みのファイルを再度開くのです。無意味な操作ではありますが、これで必ずF01がカレントファイルとなります。

こういう姑息な手段に頼るのは遺憾なので、よりスマートな解決策を見出すべく努力します。

この最新支援環境に対応した次世代版dvscatプログラム(配布ファイル: dvxa_v1_02.zip)は近日中に公開されるでしょう。7月13日にアップロードされたdvxa_v1_01では、まだ対応していないことにご注意ください。

■ 2007年7月18日(水) 「粉末X線解析の実際」講習会参加者向け配布ファイルの更新(2回目)

RIETAN-FP_manual.pdf中の「多目的パターンフィッティング・システムRIETAN-FPの新機能について」というタイトルの日本語文書を改訂しました。幾何学パラメータに対する抑制条件付加に関する部分を3つの節に再編成しました。大分読みやすくなったはずです。Alchemy.macマクロ中の注釈の誤り(実害なし)を正しました。また、Readme_macros.txtに少々手を入れました。

長くアーカイブファイルの作成に使ってきた+Lhaca v1.20には*.lzhファイルについてバッファーオーバーフロー脆弱性があることが判明し、現在はそれを解決したv1.24が配布されています。今回の配布ファイルRIETAN-FP.zipはv1.24で圧縮しました。

■ 2007年7月19日(木) タブ付きSDIの挙動をコントロールするためのノウハウ

秀丸マクロ中終了直後に、カレントファイルが表示されるとは限らない(7月17日参照)というのは、RIETAN-FP・VENUS統合支援環境とDV-Xα法計算支援環境の信頼性と安定性に関わる、看過できない障害です。

現在採用している「対症療法」は、すでにオープンされているファイルを再度開かねばならないこと、当該ファイルの第2のタブが一瞬見えてしまうことが不格好です。

そこで、根本的な解決策を見出すため、真っ向からこの問題に立ち向かいました。何時間か試行錯誤を繰り返した末、確実にカレントファイルを表示するためのおまじない("/j1")を見つけ、ただちに両支援環境を構成している多数の秀丸マクロを修正しました。冗長な操作を取り除いてすっきりさせることができたのは嬉しい限りです。

秀丸マクロをいじり始めたのは昨年暮れですから、このノウハウを会得するのに約7ヶ月を要したことになります。Mac OS Xで同様な環境を構築するためmi用のマクロを作成する気は —— これっぽっちもありません。なにしろ、当ホームページの訪問者のうち、Mac OS Xのユーザーは10%強にすぎませんから。

さらにAlchemy.macのバグも退治しました。

テストが終わり次第、両支援環境の新バージョンをリリースいたします。

秀丸エディタといえば、先行開発版がv7.00β17がリリースされました。正式版が出るのはいつなのでしょうか。

■ 2007年7月20日(金) 講習会参加者の特典を享受してください

昨日記したように秀丸マクロを改良したRIETAN-FP・VENUS統合支援環境を含む配布ファイルRIETAN-FP.zipを「粉末X線解析の実際」講習会参加者向けにアップロードしました。3回目の更新です。私の講義の最後にお教えした「呪文」をURL代わりに使えば、ダウンロード・ページにアクセスできます。

RIETAN-FPの最新版は日本金属学会関東支部講習会「高度分析機器はどこまで進んだか — 基礎的機器から先端機器まで、原理と限界を確認する —」(8月24日、東京)の参加者にも公開することを約束いたします。奮ってご参加ください。

DV-Xα法計算支援環境中の秀丸マクロも同様に修正し、配布ファイルDV-Xa.zipを更新しました。次世代版dvscatプログラム(dvxa_v1_02)と組み合わせてお使いください。

■ 2007年7月21日(土) 熱電変換材料における内包原子のラトリング運動

京大の岡本らはBa—Ga—Ge系クラスレート化合物の放射光粉末回折データをリートベルト法で解析しました:

彼らは内包Baサイトに分割原子モデルを適用し、Baサイトの分裂幅がそのラトリング運動をうまく表現していること、分裂幅から格子熱伝導率が予測できることを明らかにしました。リートベルト解析にはRIETAN-2000が使われました。

■ 2007年7月22日(日) 「少林少女」クランクアップ

なにっ、「少林サッカー」の続編的作品を目指し、チャウ・シンチー(6月23日参照)とフジテレビのプロデューサーが企画したカンフー映画だって!

ヒロイン凛(柴咲コウ)は中国の武術学校で3000日にわたる厳しい修行を積んで帰国するが、ひょんなことから体育大学のラクロス部に入部する羽目になり、「少林サッカー」のラクロス版を演じる。一人で100人もの敵と戦うシーンあり。それじゃー、少林サッカー+ドラッグストア・ガールキル・ビル Vol.1 & Vol. 2みたいなストーリーではありませんか。眼力(めじから)の強い柴咲コウは、もともとアクション映画向きなんだよね。キル・ビル Vol. 1のオーレン・石井役は彼女が演じるべきだったと言ってた人がいたなぁ。観るぞ、絶対に。

といっても、公開は来年春だそうです。上記の映画4本をすべて鑑賞済みの自分が恥ずかしい…

■ 2007年7月23日(月) VENUSのWebページを更新

統合3D可視化システムVESTAがVENUSの新メンバーとして一般公開されたことを受け、3D Visualization System VENUSをさらに書き換えました。今後はVICSとVENDの代わりにVESTAをお使いください、と明記しました。

昨年来、私と門馬綱一君は「ライブ活動」を通じてそれぞれRIETAN-FPとVESTAの機能増強を計ってきました。たとえばRIETAN-FPの英文マニュアルの場合、講習会での配布を事前に公言し、それまでに書き上げざるを得ないような状況に自分を追い込みました。尋常でない回数の「ライブ活動」をこなしていくには、モチベーションを十分高めなければなりません。いわば、人目にさらしても恥ずかしくない産物を掲げて大勢の方々の前に立たねばならないというプレシャーを創造的エネルギーに変換してきたのです。

2月7日に記したように、この間じっと堪え忍びながら眼前の仕事を黙々と片付けてきた私は、知らず知らずのうちに一味違う自分に進化したのではないでしょうか。この年で、未だにソフト開発に全力を傾け、新奇なものへの興味を失わず、一歩でも前に進んでから倒れようとしている自分を誇りに思います。

■ 2007年7月24日(火) 第20回DV-Xα研究会 & DV-Xa.zipのアップデート

第20回DV-Xα研究会(8月2〜4日)における我々の招待講演

の時間は最終日の9:42〜10:22となりました。例外的に長い講演時間(40分)を割り当てていただいたことを感謝し、精一杯がんばります。

研究会終了後には、次世代版dvscatプログラムVESTA、拙作DV-Xα法計算支援環境を紹介するためのサテライトセッション(13:30〜15:00)が催されます。同研究会の参加者には何らかの方法で特別にプログラム・文書類を配布しますが、上記のソフトはもとよりRIETAN-FPやRIETAN-FP・VENUS統合支援環境も配布物に含めることになっています。dvscatのユーザーの中にもRIETAN-FPを使ってみたいという方々がおられるかもしれませんので。

なお、DV-Xα法計算支援環境の配布ファイルDV-Xa.zipを本日更新しました。DVSCAT.mac中で、F06Zを開くためのreadonlyopenfileコマンドに引数/j1を付け忘れていたのを修正しました。

■ 2007年7月25日(水) ペースダウン

ここのところ、体調が芳しくありません。休暇をとったりはしませんが、意識的にゆっくり仕事しています。急ぐ必要などない、これで十分、無理は禁物と自分に言い聞かせながら。

■ 2007年7月26日(木) 今やこの機能は必需品

RIETAN-FPの新機能に関する文書をチェックしていて、RIETAN-FPに実装されたSTRUCTURE TIDYが結晶データをどこまで標準化してくれるのか、明記されていないことに気づきました。

論より証拠、Si(空間群: F d -3 m)を例にとり、原点に置かれたSi(International Tables, Vol. Aにおける第1設定)をSTRUCTURE TIDYがどう扱うかをテストしてみました。結果は次の通り:

 Setting x,y,z              origin  0.12500 0.12500 0.12500   gamma =   0.2165

 (227) F d -3 m    - a                                       cF8           
 -------------------------------------------------------------------------
 DATA   Si                                                  0.2165  0.2165
 CELL           5.4312                                                    
 ATOM    Si         8(a)   1/8      1/8      1/8                     Si
 TRANS  Origin  1/8 1/8 1/8                                               
 REMARK Transformed from non-centrosymmetric setting.                     
 END

賢い! 原点に対称中心が存在するように、自動的に原点をシフトしています。すごいプログラムだなぁ。もちろん菱面体格子→六方格子の変換と座標の標準化もOK。付属ファイル二つを含めると8200行にも達する重要級ソフトを実装した甲斐がありました。

■ 2007年7月27日(金) またセクロボネタかい、と呆れられそうですが…

私を救えるのは、宇宙で私だけ。

という名文句を残して「セクシーボイスアンドロボ」が終了してから一月以上経ちました。最近、DVDの発売(9月20日)が決定。あの第7話は放送されず、そのDVDにだけ収録されるそうです。

「…のは、宇宙で私だけ。」というセリフは、黒田硫黄の原作にもリフレインとして出てきます。主にニコが己を鼓舞するとき発する言葉です。

これって、色々な局面で使えます。たとえば、いま私は第20回DV-Xα研究会での講演に使うPDFファイルを作成中ですが、「こんなに便利なDV用GUIを作れるのは、宇宙で私だけ。」なんてのはどうかな。もちろん「作れる」というのは「作る能力があり、なおかつ作ろうという意欲もある」という意味です。

実は、そのようなスライドを1枚、手製のイラスト入りで作ったんです。しかしセクロボのセリフのもじりだなんて誰も分からないだろうし、講演時間に余裕もないので、泣く泣くボツにしました。

「宇宙で私だけ。」なんて誇張しすぎ、という誹りはあたっていません。要するに、「…のは、」という部分の表現次第なんですよ。「宇宙で私だけ」しかできないことは無数にあるんです。「RIETAN-FPに新機能を追加できるのは、宇宙で私だけ」、「RIETAN-FPの詳細な英文マニュアルを書けるのは、宇宙で私だけ。」—— まさにその通りでしょう(手前味噌ですみません)。

宇宙で自分だけしか実現し得ないことで、なおかつ家族、仲間、他者、社会にとっても有意義なことをどれだけ成し遂げられるかで、各個人の値打ちが決まるのではないでしょうか。まずは「私を救う」のが先決問題ではありますが…

■ 2007年7月28日(土) 最後のアップデートとなるでしょう

RIETAN-FP.zipを「粉末X線解析の実際」講習会参加者向けにアップロードしました。4回目の更新です。Readme_win.txt、Readme_macros.txt、RIETAN-FP_manual.pdfが少しずつ修正されています。ちなみに、現時点におけるRIETAN-FP_manual.pdfのページ数は157です。

この配布ページは8月初旬に撤去しますので、お早めにダウンロードするようお願いいたします。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境の基盤となっている秀丸エディタ先行開発版も、昨日v7.00β18にバージョンアップされました。正式版のリリースが近そうです。

■ 2007年7月29日(日) 一部、ネタばれ

昨日の午後、BSフジで放映されていた「Love Letter」を鑑賞しました。「冬のソナタ」や「イルマーレ」などに多大な影響を与えたという伝説的作品です。「冬のソナタ」には「Love Letter」のデジャブ的シーンや映像テクニックがかなり注ぎ込まれているらしい。「Love Letter」の翻案といって過言でない「イルマーレ」(ヒロインを演じたのは「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョン)は、キアヌ・リーブス主演でハリウッド映画としてリメークされたくらいですから、「Love Letter」の波及効果は国際的です。

岩井俊二が撮ったのかぁ、どうせ「四月物語」や「花とアリス」同様、ダラダラした展開が延々と続くんだろう —— と予想していましたが、その通りでした。ただし、意外性に富む小道具を使った落ちは見事に決まっていました。タイトルの真の意味がようやく明かされるだけでなく、夭逝した青年への哀惜の念に満ちたラストシーンであり、感受性が摩耗し尽くした私でさえ、思わずほろりとしてしまったほどです。

この結末への伏線が故人のエピソードという形でちゃんと張ってあったということには、後で気づきました。優柔不断な男に見えたのには深いわけがあった、ということです。

中山美穂が2倍見られるのですから、彼女のファンには堪えられないでしょう。しかし、見た目も演技も意外にパッとせず、精彩を欠いています。私の目に一番光り輝いて見えたのは若き日の酒井美紀でした。岩井俊二はキャピキャピの女生徒を撮らしたら天下一品の腕前ですから。ミポリンは、「花とアリス」で蒼井 優にとっておきの技(紙コップバレエ)を繰り出され、すっかり霞んでしまった鈴木 杏みたいになってしまいました。

本作は一部の韓流映画の源泉となったに留まりません。アントニオ猪木が橋本真也の葬儀で「元気ですか〜!!」と叫んだ椿事(2005年7月17日参照)の真相を「Love Letter」中の一シーンは教えてくれました。アントニオ猪木はこの映画を観たに違いありません。もう一人、チェ・ジウも冬ソナのmakingで「オゲンキデスカ〜!!」とミポリンの物真似をしていたそうです。

■ 2007年7月30日(月) 長いものには巻かれろ、ということで

本Webサイトで配布しているWindows用ファイルはzipあるいはtbz形式で圧縮されていましたが、このたびzip形式に統一しました。中身は以前と同じです。zip形式がWindowsとMac OS Xにおける標準圧縮形式であることを考慮しました。zip形式は圧縮率があまり高くないため、すべてのアーカイブファイルが大なり小なり膨張しましたが、致し方ありません。Windows用VESTAのアーカイブファイルもVESTA.zipですからね。

■ 2007年7月31日(火) 「全業界がVistaに失望している。」

とAcer社長のGianfranco Lanciが嘆いています(情報源)。「PCの売れ行きをこれほど伸ばさなかったWindowsの新バージョンは、いまだかつてない。」そうです。

一般に、OS出荷後1・2年は、上位機種を購入しないと満足のいくパフォーマンスは得られません。OSが重くなってますからね。十分枯れたXPからVistaにアップデートするという愚行は避け、少なくとも最初のサービスパックがリリースされるまではVista搭載機を買い控えるのが賢明です。そもそも、Vistaでないと仕事にならないという人はごく僅かでしょう。

■ 2007年8月1日(水) またまた増ページ

坂根弦太氏がDV-Xα法計算支援環境簡易マニュアル(HidemaruDV.pdf)を更新されました。単結晶X線構造解析により得られたCIFからDV-Xα分子軌道計算を行う手続き(63〜83ページ)が追記されました。

「簡易マニュアル」という名称はその実態からかけ離れています。なにしろ124ページにも達する大作なのですから。

eduDVばかりでなく、上記の文書も化学教育に対する坂根氏の情熱と意欲の発露にほかなりません。これほど懇切丁寧に読者の身になって書かれた科学技術ソフトウェアのマニュアルは見た記憶がないなぁ。VESTAについて手っ取り早く学ぶのにも好適です。おかげさまで、VESTAの宣伝にもなります。

DV-Xα法計算支援環境VESTA(3D可視化)+秀丸エディタ(マクロ集)の組み合わせが粉末回折以外の分野でも通用する横断的テクノロジーであることを示すサンプルとして、ほんの出来心で開発しました。当初、私はeduDVを内包した実用ソフトへと同環境を肥大成長させる気など毛頭ありませんでした。坂根氏の熱意に背中を押され続けているうちに、いつしか現在のレベルにまで這い上がっていた —— というのが実感です。

ついでに言わせてもらえば、DV-Xα法計算支援環境あればこそeduDVの利便性が際だつのです。時代遅れのコマンドプロンプトでcd、md、type、moreといったコマンド、ファイル名、数十個ものプログラム名を打ち込むことを強いられたら、GUIしか知らぬ学生は悲鳴を上げるのに決まっていますから。

なお本日、DV-Xα法計算環境の配布ファイルを更新しました。マクロファイル用と設定ファイル用のフォルダの設定についてReadme_DV.txtに書き加えました。

■ 2007年8月2日(木) CS3へのアップグレード料金26,000×2円也

ついにMac用のIllustrator CS3とPhotoshop CS3がUniversal binary化されました。大嫌いだけど使用を強制されるMicrosoft Officeもいずれそうなることが決まっています。

となると、日頃愛用しているMac用プログラムのうち、PowerPC向けアプリケーションのまま朽ち果てる可能性があるのは、JammingNewNOTEPAD Proだけということになります。Rosetta上で動けばいい、と割り切ればいいのでしょうが、それではお先真っ暗。なんとかUniversal binary化してほしいです。バージョンアップ料金くらい喜んで払いますから。

折悪しく台風5号が西日本に接近しつつありますが、第20回DV-Xα研究会に出席するため、兵庫に出張してきます。

■ 2007年8月4日(土) 第20回DV-Xα研究会、無事終了

兵庫教育大で開催された第20回DV-Xα研究会に本日昼まで出席し、さきほど帰宅しました。

同研究会では、dvscatとdisplatの最新版eduDVVESTADV-Xα法計算支援環境、RIETAN-FPなどを記録した研究会のロゴマーク入りUSBメモリーとDV-Xα法計算支援環境簡易マニュアル(カラー印刷し、製本したもの)が参加者に配布されました。両者の製作がどれほどの手間を要したかを想像すると、頭が下がります。関係者の皆様、ご苦労様でした。

門馬綱一君の招待講演(40分)のうち約15分は、私がDV-Xα法計算支援環境について紹介しました。短時間ではありましたが、門馬君と私はそれぞれVESTAとDV-Xα法計算支援環境の実演も行いました。

DV-Xα法による電子状態計算の結果は、当初からVICS・VENDで3D可視化できました。しかし、それに関連する不具合がいくつもあり、安定に動くようにするには3・4年を要したと記憶しています。VESTAへの統合化やDV-Xα法計算環境の構築も含め、今日の姿に発展するまでに傾けてきた多大な努力の総決算として、今回の招待講演は本当に良い記念となりました。またソフト開発の過程で幾度となく協力していただいた方々に会えたのも嬉しかったです。懇親会でDV-Xα研究協会会長の森永先生の隣の指定席に座らせていただき、しかも先生と同じ部屋に泊まることになったのには恐縮しましたが。

一般にユーザーからのレスポンスやフィードバックが少ないソフトはほとんど進化しませんし、バグもなかなか撲滅できません。なによりも、プログラムの開発者がやる気を失います。RIETAN-2001Tが典型例でした。一方、DV-Xα研究協会の会員諸氏は、この点で申し分ありませんでした。だからこそ、当方もSCAT関連のプログラミングには、ぐっと力こぶを入れたのです。ここで協力者の方々に改めて厚く御礼申し上げます。

今回の研究会で、香川大・石井研究室の学生全員が口頭発表の冒頭で、VESTAによる3D可視化について私と門馬君に対する謝辞を述べていたのには驚くと同時に感激しました。これも一種のレスポンスにほかなりません。ほとんど研究費を投入できず、それどころかポケットマネー、講演料、印税などをつぎ込み、ボランティア活動同然の態勢でVESTAを開発している我々としては、大いに元気づけられました。

なお、石井研究室の坪井紫乃さん(M2)は「八面体六配位金属錯体の配位子場分裂とd電子レベル」と題する講演で優秀オーラル賞を受賞しました。おめでとうございます。

石井研の学生諸君は私に会うのを楽しみにしていたらしいですが、現物と接するや否や、私に対する幻想は雲散霧消したはずです。私の話には知性のかけらもありませんよ、自分で言うのもアレですが。知性はことごとくプログラムに注ぎ込んじゃいましたから。

■ 2007年8月5日(日) 本当は休養すべきなのですが、

7月19日に記したカレントファイルの表示テクニックはDELLのモバイル・ノートPC(XPS M1210)ではまったく通用しないことがわかり、少しがっかりしました。秀丸エディタ先行開発版をv7.00β19にアップデートしても効果なし。

そこで、XPS M1210上でも再現性よくカレントファイルを表示できる便法を試行錯誤で見出しました。今日はここまでで中断。

しかし、また苦し紛れの対症療法に戻ってしまうんだなぁ。まあいいか。

■ 2007年8月6日(月) 代休日

暇つぶしにレンタルDVDで「すいか」を第5話まで見ました。三軒茶屋の賄い付き下宿ハピネス三茶が舞台の脱力系ドラマ。大家の女子大生、大学教授、エロ漫画家らと信用金庫勤務の煮詰まったOL基子(小林聡美)との交流を描いています。「野ブタ。をプロデュース」や「セクシーボイスアンドロボ」と同じく、木皿 泉の脚本、つまり男女の脚本家の合作です。筋らしい筋がなく、やや冗長ですが、不思議な魅力があります。

「粉末X線解析の実際」講習会参加者向けの配布ファイルのダウンロードWebページは本日、閉鎖しました。次回は、日本金属学会関東支部講習会「高度分析機器はどこまで進んだか — 基礎的機器から先端機器まで、原理と限界を確認する —」(8月24日、東京)の参加者を対象とするダウンロード・ページを設けます。

メモ代わり: Fetchでアーカイブファイルをダウンロードする際の自動解凍を防ぐには、そのファイルを選択し、Command-Iを押し(あるいはRemote → Get Infoを選び)、Save the fileをチェックする。ファイルをダウンロード後に開くアプリケーションも指定できる。

■ 2007年8月7日(火) 盛り沢山: 苦肉の策、すいか、女子大生は見た、アニメーション

カレントファイルが表示されないことがあるという不具合(8月5日参照)を解決したDV-Xα法計算支援環境をアップロードしました。結局、カレントファイルを2度読むという裏技を使わざるを得ませんでした。ただし、直前に他のファイルを入力している場合は、2度読みする必要がありません。"Explorer"というタイトルは"エクスプローラ"に変更しました。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境でも、同様に修正しておきました。

帰宅後、「すいか」の第6・7話を鑑賞。

さるお方から坪井紫乃さん8月4日参照)のブログ(8月7日)に私と門馬綱一君のことが書き込まれているとの知らせが届いたので、恐る恐る覗いてみたところ、想定外の文言が眼に飛び込んできました:「もう1日目から、ソワソワ、キョロキョロし」、「お会いできたときには本当にうれしかった」、 「想像していた以上に優しくて、話しやすい方」、「とても若く見えました」、「研究だけでなく様々なカルチャーに精通してらして」、「お話がとてもおもしろく、笑いが絶えない」。

う〜ん、これほど好感度が高いのは光栄ですが、人見知りが激しく、社交性ゼロで、とりわけ若い女性が苦手なオイラが、精一杯明るく元気に振る舞っているのが痛々しく見えなかったのかなぁ。所詮は付け焼き刃ですよ。それに、いくら酒の席とはいえ、アカデミックな話がこれっぽっちも出て来ないセンセイなんて、格調低すぎ。そうだ、今後は研究に関する話題も数パーセントは織り交ぜるよう心がけませう。

いや、ダメだな。学術的な話になったとたんに、苦虫をかみつぶしたような表情に一変しちゃいますから。

「プレゼンテーション用アニメーション機能、欲しいです!」—— この要望はよく聞きます。最近のプレゼンテーションはむやみに派手なのが多く、そういう中で人目を引くにはアニメーションが効果的なのは事実です。同じオブジェクトをグルグル回すだけだったら、そう難しくはないでしょう。しかし、これあれのように等値曲面のレベルが刻々と変わるような、凝りに凝ったアニメーション(いずれも坂根弦太氏のブログで公開中)は、プログラムまかせという訳にいきませんね。

■ 2007年8月8日(水) シャルル=ルイ・フィリップ(1874〜1909)

今日は、事務処理、メール、その他の雑用を片付けているうちに夕方になっていました。帰宅後、昨日に引き続き「すいか」の第8・9話を鑑賞。「いとをかし」の趣があり、得も言われぬなつかしい雰囲気が漂っていて、すっかりはまってしまいました。昔読んだシャルル=ルイ・フィリップの「小さき町にて」や「朝のコント」の世界が思い起こされます。

フィリップは今やフランスでもほとんど忘れ去られてしまったそうです。上記二つの珠玉短編集はいずれも岩波文庫に収録されていますが、もう品切れか絶版でしょう。古本屋で「朝のコント」を見かけたら、その中の「めぐりあい」だけでも立ち読みすることをお薦めします。3・4分で読めますから。「すいか」中の一エピソードにも使えそうな、ユーモラスかつ哀切な話です。最後の一行にはググっと来るに違いありません。そして結局、「朝のコント」一冊を買うことになるでしょう。

■ 2007年8月9日(木) こんなはずじゃなかったのに、

8月7日に改訂したばかりの両支援環境を早くも改訂しました。2回目のファイル入力にはloadfileあるいはreadonlyloadfileコマンドを使うように変更しただけです。こうすると、カレントファイルを閉じてから再読込するため、当該ファイルのタブが存在しないときの挙動がスマートになります。本日公開されたばかりの秀丸エディタ v7.00β20を使ったテストにも合格しました。

あに図らんや、DellのXPS M1210で試したところ、カレントファイルが表示されません。原因は不明です。一筋縄ではいかないなぁ。アップロードずみのDV-Xα法計算環境は、8月7日にアップロードした配布ファイルに戻さざるをえません。すでにダウンロードされた方にはお詫びいたします。

少々がっかりしたので、気晴らしに「すいか」の最終話を見ました。セクロボ同様、いくらでも続けられる話をやや唐突に打ち切ったという感じの結末でした。

■ 2007年8月10日(金) 元の木阿弥

昨日記した通り、DV-Xα法計算支援環境を一つ前のバージョンに戻しました。秀丸エディタで[grepして置換]を使えば簡単です。さらに、ほんの僅かながらReadme_DV.txtを修正しました。

秀丸マクロを操れるようになるまでには、相当な時間を費やしました。LinuxやMac OS Xで同様の環境を構築する暇も気力もありません。第一、膨大な労力をつぎ込むためのモチベーションを欠いています。

そんなことより、これまで培ってきた横断的技術(秀丸マクロライブラリー+VESTA)のスキルを活用し、種々のアプリケーションの支援環境をWindows上に構築する方がよほど楽で、なおかつ有意義です。一連のプログラム・ユーティリティを逐次実行し、多種類のファイルを入出力し、しかも結晶模型や3Dピクセルデータを可視化するような科学技術計算に適しています。いずれメジャーなアプリケーション用の支援環境を製作してみたいです。といっても、DV-Xα法計算環境の開発過程における坂根弦太氏のように、とことん手助けしてくれる方がいないと無理ですが。そんな奇特な人がいるわけないわな。

■ 2007年8月11日(土) 代替品

また馬齢を一つ重ねました。

それはさておき、世の中には横着な人がいるもので、「めぐりあい」(8月8日参照)をぜひ読みたいので、よろしくお願いいたします、というメールを某女史から受け取りました。

「あのなあ、オイラは自作ソフトを配布するだけで十二分に疲弊してるんですよ。コピーを送ってくれってことですか。御免蒙ります。」—— そう返答しようかと思いましたが、このくそ暑い中を青筋を立てて、そんな文言を吐き出したら、なおさら汗が噴き出してしまいます。無視することにしました。

ところで、「めぐりあい」の翻案が含まれている短編小説なら、青空文庫で閲覧できます。太宰 治の「愛と美について」中の連作物語のうち、次男と次女の創作部分がそれです。ただ、一部の隙もなく、大人の雰囲気が漂う「めぐりあい」に比べると、甘ったるい上に俗受けをねらっていて、月とスッポン。それでもよければ、暇つぶしに読んでみてください。

ふと思ったのですが、「めぐりあい」と「シェルブールの雨傘」は結末が互いによく似ています。ジャック・ドゥミ監督は「めぐりあい」の影響を受けたのかもしれません。

そういえば、エンディングより前は男女がツンデレ喫茶みたいな会話を交わしながら進行します。35歳の若さで貧困のうちに窮死した作家のコントにさえ、ビジネスモデルが含まれているんですね。

■ 2007年8月12日(日) TeXShop正式版

ついにTeXShop v2.13がリリースされました。Mac OS X 10.5(Leopard)に対応しています。正式版のリリースを知らせるのが国内本家のMacWiki - TeXShopより早かったということは自慢していいです。

何度も本掲示板に記したことですが、RIETAN-FP・VENUS統合支援環境とDV-Xα法計算支援環境はRIETAN-FPの英文マニュアルの執筆に使用したTeXShopに触発されて着想しました。エディタに基づくGUIを通じて複数のデータ処理エンジンを起動し、それぞれの出力ファイルにタブを割り当てて単一ウィンドウに表示し、エディタの全機能を享受するという独自のスタイルはこうして誕生しました。マクロの修正と追加も可能なのですから、拡張性も十分です。

TeXShopに出会わなかったら、未だにRIETAN-FPをバッチファイルで起動していたことでしょう。日頃、総身に知恵が回りかねている大男(MS Word)に軽蔑の念を抱き続けていることが、結果として幸運をもたらしたことになります。

TeX、LaTeX、BibTex、MakeIndexなどは、人類共通の文化資産ともいうべき偉大なプログラム群だといって過言でありません。もちろんTeXShopともども、今後ずっと愛用していくつもりです。

■ 2007年8月13日(月) 渋々ではありますが、

来年に某国で開かれる某研究集会で基調講演を行ってほしいとの要請を受けました。迷いに迷った末、引き受けることにしました。ぶっつけ本番でいきましょう。

これまで30回以上海外に渡航したにもかかわらず、この数年はめっきり出張回数が減りました。主として体調がすぐれなかったせいですが、昨年からは国内での講演・講義などに追われており、その余裕がありません(といっても、昨年はヨーロッパに一回渡航しましたが)。今回はまだ行ったことがない国だからという理由だけで、参加を決心しました。まだ好奇心が衰えていないようです。

■ 2007年8月14日(火) 少し前の話題ですが、

2006年日本中性子科学会年会で日本原子力研究開発機構の金子耕士氏が「単結晶中性子構造解析によるカゴ状物質PrOs4Sb12におけるラットリングの可視化」と題する講演でポスター賞を受賞したときのポスターがここに掲示されています。単結晶中性子回折データのMEM解析にPRIMAが、3D可視化にVENUS(VICS + VEND)が、粉末中性子回折データのリートベルト解析にRIETAN-2000が使われました。

自分の分身たちが知らないところでせっせと働いていたことを知り、嬉しくなりました。

7月21日には熱電変換材料におけるラットリングに関する研究を紹介しました。その研究の場合、リートベルト解析で打ち切るより、MPF解析にまでチャレンジする方がよかったと思われます。

ともあれ、一部の原子(団)が不規則分布を呈する化合物の構造精密化にはMEM(単結晶回折)あるいはMPF(粉末回折)がうってつけです。しかしながら、私自らがその種の研究に進出する気はさらさらありません。分身たちが活躍してくれれば十分です。

■ 2007年8月15日(水) 看板にツッコミを

九州大学は「次世代研究スーパースター養成プログラム」に基づいて研究スーパースターの養成に全学を挙げて取り組むんだそうです。

スーパースターというからには、抜群の業績と知名度を誇る国際的な研究者ですよね。このプログラムが将来、スーパースターを産み出すかどうかは別として、そもそもスーパースターって養成できるもんなんでしょうか。職人や営業マンなら養成できるかもしれませんが…

スーパースター養成ギブスを付け、虎の穴のようなところに押し込め、惜しげもなく研究費を与え、雑用から解放し、連日連夜、研究にのめり込ませるんかいな。

「スーパースター」なんて大言壮語を文字通り受け取るバカはいないって? 失礼しました。

■ 2007年8月16日(木) 「雑魚は消えろ」的アルゴリズム

先月開催した「粉末X線解析の実際」講習会のCコースに参加された方々は、池田卓史氏がCharge Flipping(CF)法を紹介されたことを覚えておられるでしょう。CF法は位相問題を解決するための新解析法であり、同講習会の補助テキスト(日本結晶学会から購入できます)では243、244ページに記述されています。CF法のプログラムSUPERFLIPがEPFL(ローザンヌ)のWebサイトで入手できます。

Flipは「ひっくり返す」、「裏返す」という意味です。CF法では、フーリエ合成で求めた電子密度のうち、一定の閾値δ未満のものだけ符号を反転させた後、フーリエ変換し、新しい位相を得ます。この操作により、明瞭なピークは生き残り、ゴーストは淘汰されます。すなわち、CFは電子密度を対象とし、単位胞を弱肉強食の世界へと変貌させるアルゴリズムなのです。

CFのアルゴリズムは単純そのものですが、非常に効果的かつ頑丈です。今や粉末回折の業界ではCF法の話題でもちきりですが、このほどSchoeniとChapuisがCF法のデモンストレーションを行うためのJavaアプレットを公開しました。興味のある方は試用されるようお薦めします。

池田氏が強調されていた通り、電子(干渉性散乱径)密度分布の3D可視化はCF法による構造モデルの構築にすこぶる役立ちます。もちろん、VESTAはいち早くSUPERFLIPに対応しました。v0.99.6以降のVESTAはSUPERFLIPの出力したX-PLOR/CNS形式の電子密度データファイル*.xplorを読み込めるだけでなく、それらの3Dピクセルデータからピーク位置を探索し、原子座標リストを作成する機能も備えています。

*.xplor中の正の電子密度だけVESTAで表示し、isosurface levelを色々変え、四方八方から眺め回した際には、あたかもVESTAがCF法のために製作したソフトのように思えてなりませんでした。

ここまで言えば、いずれRIETAN-FP・VENUS統合支援環境からSUPERFLIPを起動できるようにするんだろうな、と想像がつくでしょう。もちろんそうするつもりです。人様がお作りになったソフトをいともたやすく取り込めるところが本支援環境の利点ですから。

|Fo|の推定にはLe Bail法(EXPO2004あるいはRIETAN-FP)、|Fo|の改善にはMEP法(ALBA)、位相問題を解決するにはCF法(SUPERFLIP)あるいは直接法(EXPO2004)、位相が決まったらMPF法(RIETAN-FP+PRIMA)というように、全部秀丸エディタ上で片が付くのですから、便利なこと、この上ありません。

余談ですが、一昔前、グルノーブルで開催された国際会議の後、EPFLのChapuisの研究室を訪問しようとしたことがありました。折悪しく、夏休み前の試験と重なり、彼には会えませんでしたが、代わりに単結晶育成の研究室を見学させてもらいました。種々の単結晶が陳列されている広い部屋があり、その中にアナターゼ型TiO2の単結晶が置かれていました。かなりサイズが大きかったなぁ。どうやって育成したのか尋ねたところ、J. Cryst. Growthに報告された方法(化学輸送法)を使ったとのことでした。"I wrote that paper when young."と言ったら、びっくり仰天してました。そう、二十代後半の私は、準安定相の単結晶をあっさり合成してしまうくらい腕こきの合成屋だったんですよ。

なお本日、DV-Xα法計算支援環境をまたマイナーチェンジしました。カレントファイルを2回読み込むところは同じですが、初回のopenfileあるいはreadonlyopenfileコマンドに"/h"オプションを付けました。アーカイバとしてLhaplusを用い、圧縮率優先でDV-Xa.zipを作成したところ、サイズが以前の330 KB(+Lhacaで圧縮)から309 KBにまで減りました。これでLhaplusに乗り換える決心がついたというのが収穫と言えば収穫です。

■ 2007年8月17日(金) 奇遇

昨年11月に発行された

には、MommaとIzumiによるVESTAのレビュー(pp. 106-119)ばかりでなく、ChapuisとPalatinusによるcharge flippingアルゴリズムのレビュー(pp. 85-91)も掲載されています。p. 90の図はVESTAで描くのにうってつけです。

CF法は不規則構造に強いので、なおさらVESTAによる3D可視化が威力を発揮します。CF法の発展と普及はVESTAの付加価値を一層高めるに違いありません。

VESTAを使うたびに感じるのは、VESTAって癒し系ソフトだなぁ、ということです。科学技術計算ソフトに特有な堅苦しさや取っつきにくさがありません。グラフィックを表示する窓以外が地味で慎ましいところも気に入っています。

TeXShopが早くもv2.14にバージョンアップしておりました。

■ 2007年8月18日(土) 企業秘密:Intel Fortranのアキレス腱

Intel CPU装着マシン用にFortran 90/95プログラムを開発する際のデファクト・スタンダードは、Intel Fortran Compiler(Windowsの場合、Intel Visual Fortran Compiler)です。最適化レベルの高さで、gfortranなどのフリーソフトウェアを圧倒しています。

過去1・2年、Intel Visual Fortranを使い込んできた結果、ようやくその癖がわかってきました。とくに地雷が潜んでいる●●●●●●■■は要注意です。地雷を踏むと、木っ端微塵(異常終了)になってしまいます。仕方なしに、地雷原を試行錯誤で前進する方法を会得しました。

その後、●●●●●●■■の代わりに□□□□□□を使えば、地雷が埋め込まれる恐れがなくなることに気づきました。これはIntel Fortranのユーザーにとって基本的に重要なノウハウといってよいでしょう。最初からFortran 90でコーディングしたAlchemyでは、もちろん□□□□□□に切り替えました。この安全策はFortran 77で書かれた旧式プログラムを移植する際にも役立つに違いありません。

■ 2007年8月19日(日) 3D Visualization System VENUSの整理

Version history中の4項目をそれぞれ別なWebページとして分離しました。

これでVENUSのWebページはかなり短くなりましたが、まだまだ手入れが必要。少しずつ更新するつもりです。これに限らず、"Slow but steady"をモットーとして仕事を進めていきます。

■ 2007年8月20日(月) 博士版インターンシップ

NIKKEI NET BizPlusの最新ニュース「文科省、即戦力の博士養成・500人を就業体験に派遣」をご覧あれ。あわよくば余剰博士を民間企業に吸収してもらおうという魂胆なのでしょう。

「コミュニケーション能力や協調性の欠如」した人を企業活動の渦中に放り込み、性根を叩き直してもらうという狙いが透けて見えます。しかし、そのような学生やポスドクを3ヶ月から1年程度、会社に丸投げしたところで、すでにコチコチに固まった性格や人格が変わるわけないでしょう。仮に変わったように見えたところで、所詮は付け焼き刃にすぎません。

そういうお前はコミュニケーション能力や協調性に欠けていないのか、とツッコミが入りそうですが、必要最小限の資質は備えているはずですよ。なにしろ一人で孤立していたら、情報は入って来ないわ、仕事を手伝ってはもらえんわ、手元不如意に陥るわ、人脈は作れんわで、必然的に鳴かず飛ばずの状態に陥りますから。

現に私は最近、人から是非にと頼まれたら、たとえ気の進まぬ仕事でも、愚痴一つこぼさず引き受けてるじゃないですか。これこそ協調性の発揮以外の何物でもありません。コミュニケーション能力が劣悪だったら、あちこちからお声などかかりませんし、人集めは苦手でしょうし、ホームページへのアクセス数は一向に伸びませんし、顔パスで●●●●●●確保など無理な相談です。むしろ逆だということは、皆さん、ご存じの通りです。

■ 2007年8月21日(火) ダイエットの必要

日本金属学会関東支部講習会「高度分析機器はどこまで進んだか — 基礎的機器から先端機器まで、原理と限界を確認する —」での講演に使うPDFファイルを大急ぎで作成しましたが、82枚ものスライドが含まれています。これから、ざっと半分に削らなければなりません。まあ、削るのは楽なもんですが。

同講習会の参加者にはこのPDFファイルに加え、RIETAN-FP v1.51bとRIETAN-FP・VENUS統合支援環境も進呈します。どの講義にしろ漫然と聞き流しただけでは、血や肉にはなりません。私の講義に興味のある方々は、全スライドをじっくり眺め渡し、解析ソフトも試用してください —— ということです。

講義に使ったPowerPoint・PDFファイルをWeb上で配布する人はたまに見かけますが、さらに自作ソフトまで配布する人は異例中の異例です。この旺盛なサービス精神こそ私の存在意義の一つなのだと自認しています。

話は変わりますが、上記PDFファイルを作成中にAdobe Illustratorでギリシャ文字(symbol)をイタリックにする方法(3月3日参照)中に誤りを見つけたので、訂正しておきました。"リフレクト..."でなく"シアー..."でした。

■ 2007年8月22日(水) 中性子回折実験向きのアイソトープ

日本金属学会関東支部講習会(今日、参加登録締切です)の参加者用配布ファイルのアップロードを急いでいます。ダウンロード用の呪文も取得しました。

リチウム二次電池材料のような、主成分としてLiを含む化合物の粉末中性子回折データを測定する際には、吸収断面積σaが小さく、なおかつ干渉性散乱径bcの大きい7Liの化合物を使うことがあります。そこでRIETAN-FP v1.51b(これを講習会参加者に配布)で、化学種として7Liを扱えるようにしました。化学種名は'Li7'です。

ただし7Liを含む出発原料は高価ですよ。比較的安い炭酸リチウムでも、100gで20万円以上します。

以前と同様に、2H('D')と11B('B11')も使えます。

■ 2007年8月23日(木) 散乱径閑話

昨日、中性子の干渉性散乱径(coherent scattering length)bcに関する話題が出たところで、余談を一つ。RIETAN-FPでは、原子散乱因子を計算するための係数を一新しました。本当は、中性子の干渉性散乱径や吸収断面積なども最新値に変更したいのです。現在はSears(1995)が編纂した"International Tables," Vol. Cに収録されたデータを使っています。新しもの好きの私としては、一部のデータの老朽化が気になります。

11の元素に対する新旧のbcを次表に例示します:

原子番号元素記号bc/fm(新)bc/fm(旧)増減率(%)
14Si4.150714.1491+0.039
22Ti-3.37-3.438+1.98
23V-0.443-0.3824-15.85
25Mn-3.75-3.73-0.536
45Rh5.95.88+0.34
52Te5.685.80-2.07
65Tb7.347.38-0.54
67Ho8.448.01+5.37
74W4.7554.86-2.16
79Au7.97.63+3.54
82Pb9.4019.405-0.043

HoやAuのように、かなり新旧のbcの差が大きい元素もあります。更新したいのは山々ですが、猛暑の折り、面倒くさくてやってられません。いや、本音を語れば、中性子散乱に対する一般的関心の希薄さが二の足を踏ませているのです。過去数回、なんとか中性子関係の研究会にお客を引き寄せようと腐心し、消耗し尽くした結果、厭戦気分が高まっています。鳴らない鐘を突くのは空しいだけ。他にやらなければならぬことが山積みなので、当面放置しておきましょう。

更新といえば、秀丸エディタ先行開発版がv7.00β21にバージョンアップしていました。作者曰く、「もう一回くらいのβの後、そろそろ正式版にしようと思います。」。一丁上がりが間近です。

更新ネタをもう一つ。明日の日本金属学会関東支部講習会における講義時間は45分間であることが判明しました。現時点のスライド枚数は51(97.7 MB)。余剰博士(7月8日8月20日参照)ならぬ余剰スライドの状態に陥っています。これから、情け容赦ないリストラを断行し、約40枚にまで減らします。RIETAN-FP・VESTA統合支援環境のデモンストレーションは中止です。

■ 2007年8月24日(金) 日本金属学会関東支部講習会での講義、無事終了

やれやれ、これで一つ片付いたか、と思うだけで、格別の感想はありません。

昨日に引き続き、更新ネタです。つくばに帰る途中、東京駅で、旧タイプのSuicaをお店で買い物ができるタイプに交換しました。TXもJRも地下鉄も私鉄もSuica一枚でOK。もうこれなしでは、東京に出かける気になりません。

残る講演・講義は、立案中のものも含め4つ。次の出番は、日本セラミックス協会 第20回秋季シンポジウム「無機物質の構造科学」における招待講演「次世代パターンフィッティング・システムRIETAN-FPと統合支援環境の開発」(9月12日、9:20)です。同講演に関する情報を講演と講習のお知らせに掲示しました。例によって、私の講演をお聞きになった方々にプレゼンテーション用ファイル、RIETAN-FPとRIETAN-FP・VENUS統合支援環境の最新版のダウンロード法をお教えします。

■ 2007年8月25日(土) ロングセラー

「粉末X線解析の実際」の8刷が出ました。この3・4年ほど発行部数がほぼ定常状態になっており、一向に減る気配がないのには驚かされます。すなわち、教科書のように毎年コンスタントに売れているのです。大学や会社で新たに粉末X線回折を利用する人たちが購入しているためでしょう。

■ 2007年8月26日(日) これですっきり

3D Visualization System VENUS中の6.211.1.2を書き改めました。

8月22日にスタートしたドコモの新★割引(基本使用料半額)を申し込んでおきました。ドコモに2年間囲い込まれることを覚悟の上の決断です。

■ 2007年8月27日(月) VESTAの新バージョン

VESTAがv1.0.1bにアップグレードされました。Mac OS X版で、再起動後にウィンドウ・サイズが再現されないバグが解決したのはありがたいです。VICS・VENDの後継ソフトとして、着実に安定性と実用性を増しつつあります。

■ 2007年8月28日(火) SUPERFLIPへの対応

●●大学—NIMS連携活動の一環として、SUPERFLIP8月16日参照)を起動できるように、RIETAN-FP・VENUS統合支援環境を拡張してみました。入力ファイル*.inflipをsuperflip.exeで処理した後、出力ファイル*.sflogを表示する単純な秀丸マクロSUPERFLIP.macを追加しただけです。あまりにも簡単なので、拍子抜けしてしまいました。

SUPERFLIPの出力したX-PLOR/CNS形式ファイル*.xplorは、Explorerボタンをクリックした後、カレントフォルダ中の*.xplorをダブルクリックすることによりVESTAで読み込めます。ただし、あらかじめ拡張子xplorをVESTAに関連付けておかねばなりません。引き続き、電子密度分布を3D可視化し、ピーク位置を決定すれば、リートベルト解析用の構造モデルが構築できます。

従来、ツールバーの右端にはマニュアル・ボタンが置かれていましたが、これをステータスバー上のF8に移し、代わりにSUPERFLIPボタンを置きました。また、新たにコマンドプロンプト・ボタンをF10に割り当てました。

なお、Cranswick氏(National Research Council Canada)がVESTAに関する情報をRietveld Mailing Listなどに送ってくださるそうです。

■ 2007年8月29日(水) コミケに殉じた男

26年の長きにわたりコミックマーケット準備会の代表を務め、昨年9月30日に代表退任を発表した翌日に逝去した米澤嘉浩(享年53歳)のデビュー作「戦後少女マンガ史」がちくま文庫として再刊されたと知り、「セクロボ」のDVDとともに注文しました。本書は1980年に刊行されましたが、久しく絶版になっていました。

米澤嘉浩の足跡をたどるには、唐沢俊一、岡田斗司夫著「オタク論!」(創出版)中の「追悼 米澤嘉浩」を一読するようお勧めします。そこでは、「我々の業界ではクリエイターが一番偉いという"クリエイター至上主義"のようなところがありますけど、クリエイターが発表する場がなければなにもできないわけであって、その場をつくった人が一番上ですよね」、「マンガ産業全体で見たら、(手塚治虫や大友克洋のやったことより)米澤さんのやったことの方がはるかに大きい」と評されています。

マンガ産業の市場規模に世界規模でのアニメやキャラクター商品の売り上げを加えると、なんと3兆円に達するそうです。米澤嘉浩は日本文化ばかりでなく日本経済にも貢献した偉人だといって過言でありません。

■ 2007年8月30日(木) Open Watcom v1.7

次世代版dvscatプログラムeduDVのビルドに使われているOpen Watcomがv1.7にアップグレードされました(Fortran 90/95で書かれたプログラムをビルドできない上、最適化レベルが低く、賞味期限切れの感が否めませんが)。

Open Watcom Fortran v1.7で再ビルドされた教育用分子軌道計算システムeduDVが早くもリリースされました。DV-Xα法計算支援環境簡易マニュアルも改訂され、126ページに増えました。

秀丸エディタ先行開発バージョンv7.00β22がリリースされました。

■ 2007年8月31日(金) お客様にはフレッシュなお土産だけを進呈します

日本セラミックス協会 第20回秋季シンポジウムでの招待講演「次世代パターンフィッティング・システムRIETAN-FPと統合支援環境の開発」に関する掲示に一部誤りがありましたので、訂正しました。

上記講演の聴講者には、例によってRIETAN-FPとRIETAN-FP・VENUS統合支援環境の最新版、講演に用いたPDFファイルを配布します。

RIETAN-FPはv1.51bのままですが、Intel Visual Fortran Compiler for Windows v10.0.027で再ビルドするとともに、マウスの右ボタンによるドラッグで範囲指定できるようにしたgnuplot用スクリプトFapatiteE.pltを配布ファイルに追加します。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境はもちろんSUPERFLIPに対応しています。*.inflipと同一フォルダに*.xplorが存在するならば、VESTAが自動的に等電子密度曲面を3D可視化してくれます。VESTAはSUPERFLIPの放つ衝撃波を増幅します。支援環境上でSUPERFLIPボタンをクリックした人々は、同マクロ終了後にきっと歓声を上げることでしょう。乞うご期待!!!

少なくとも私にとっては、敷居がやけに高い上、納税者と地球に優しくないSPring-8・J-PARCペアなんぞより、ノート型PC上でもスイスイ動き、後年度負担など無きに等しい無料ソフトRIETAN-FP+SUPERFLIP+VENUS on the assistance environment for RIETAN-FP and VENUSトリオの方がはるかに魅力的かつ刺激的です。

■ 2007年9月1日(土) 眼鏡+理系+白衣

Cafe Scifi+tique(8月30日〜9月3日)の惹句: マッドサイエンティストLOVE!のあなたに。白衣にメガネの理系ハカセが、謎の実験室にありがちな怪しい飲料をサービス。理系的専門知識をとめどなく、限りない野望をオートマティックに披露します。

私の感想: 学生時代に「白衣は実験するときに着るものなのだから、実験室以外で着るのは止めなさい。」と師匠から教わりました。けじめをつけろ、ということです。従順な私は、たとえば生協や図書館などに行く際には、必ず白衣を脱ぎました。昨今は白衣がメイド服と同列のアイテムとして使われ始めたんですね。世の中のタガがはずれたとしか思えません。

師匠が「ジーパンは作業着だ。」とつぶやいておられたのが頭の片隅に残っていて、私はジーンズ(昨今はデニムという誤表現が広まっていますが)を買ったことが一度もありません。当掲示板の内容から窺えるように、服装に無頓着なことから、必然的に師匠のお言葉を遵守する方向に走ってしまうのです。自分が興味ないことは徹底的に手を抜くのが私の流儀です。

己が着たきり雀なので、人様の服装のことをとやかく言えたもんではありませんが、オバさんはさておき、若い女性は多少なりともおしゃれであってほしいものです。来る日も来る日も、判で押したようにパンツ(注: ズボンのことです)姿というのは、傍目にもウンザリ。服装にめりはりを付け、少しは目を楽しませてもらわないと、世の中、殺伐としてきますよ。まあ、こういう手厳しいことをズケズケ言うと、反発を買うのに決まっていますが。

最初にして最後の服装に関する書き込みは、これでお終い。

■ 2007年9月2日(日) 自作ソフトのサポート係を務める不幸

キャピラリーに試料を詰めて、デバイーシェラー光学系で放射光粉末回折データを測定する場合、バックグラウンドが非常に高まると同時に、複雑な形を呈するようになります。ときにはshort-range orderに起因するhumpが低角領域に観測されます。こうして測定した回折データをRIETAN-2000/FPで解析する際、バックグラウンド関数が実測バックグラウンドのに四苦八苦されておられる方々が非常に多いようです。自分の周りにはそのノウハウをもった人が皆無だが、泉センセイに教えを請うのはなんとなく恐ろしい、ということで立ち往生しているんでしょうね。わかってしまえば、どうということもないんですが。

分率座標が1/3や2/3のとき、それぞれ0.33と0.67と入力しておいて、どうしてもRIETANが動かないと泣きついてきた人たちだけでも、数名はいました。そういういい加減な値の入力は厳禁、と「粉末X線解析の実際」などに明記したにもかかわらずです。

粉末回折データの解析で初心者が陥りがちな陥穽は、他にも多いです。発展途上人の救済はお前の使命だろう、という声が聞こえるような気がします。身も蓋もない文言ではありますが、私は放射光・中性子散乱研究施設おかかえのサポート係ではないのです。私がこれらの共同利用施設を利用した人々からの何十、何百の質問に答えようが、論文の共著者にしてもらえる訳でありませんから、NIMSの業績評価ポイントはまったく増えません。それらの施設からサービスの対価をいただける訳でもありません。そもそもユーザー・サポートはNIMSにおける私の業務でなく、しかも共同利用施設から公式に業務を委託されていないのですから、当然至極です。

といって、私は自己の業績と利益だけをひたすら追求するタイプの研究者では毛頭なく、むしろ逆だと言い張りたいです。粉末回折に限らず、放射光や中性子ビームで測定したデータの解析について、Web(毎日更新している当掲示板を含む)、解説、書籍、マニュアル、講習会用テキストなどを通じ、私ほど詳細かつ懇切丁寧な情報を提供し、なおかつ大規模な自作ソフトまで無償配布し続けている研究者は国内にいないと自負しています。157ページにも達するRIETAN-FPのマニュアルをめくるだけで、度肝を抜かれることでしょう。昨年からは、講演や講義に使ったPDFファイルまで参加者に差し上げているのですから、半端でありません。一個人としては、これらの活動だけで、もう手一杯ということをご理解ください。

もちろん複雑なバックグラウンドの当てはめ方法についても、過去にノウハウの詳細を某レビューに詳述しました。私のWebサイトできちんとリンクを張ってあります。

提供情報・ソフトの量で私を凌駕する方、比肩する方がおられたら、ぜひ指摘していただきたいです。放射光・中性子散乱施設に勤務されておられる方々でさえ、まったく太刀打ちできないはずです。ご自分達の業績を見せびらかすのに熱心な方々は掃いて捨てるほどおられますけどね。放射光・中性子散乱施設などの共同利用施設には膨大な運営費交付金が注ぎ込まれているのに、それらの施設が雇用している人たちが不十分なサービスしか提供せず、サボタージュを決め込んでいるから、部外者である私にしょっちゅう御鉢が回って来るんじゃないでしょうか。一ヶ月余りを費やしたRIETAN-2001Tのバグ退治とRIETAN-TNの配布が当事者能力が欠如した人々の無償業務代行の典型例でした。不条理かつ迷惑な話です。

放射光・中性子ピームの「産業利用」が声高に叫ばれ、専門知識に乏しく解析の経験が浅い民間企業のユーザーが増え出してから、私への質問や問い合わせがますます増加して来ました。もちろん返答しないという選択肢もありますが、それは大なり小なり私にストレスを与えます。共同利用施設のサポート態勢がろくに整っていないのだとしたら、産業利用を積極的に推進するのは時期尚早です。

率直に申し上げましょう。私はなんらかの形の提携・協力・友好関係が成立している場合や有償で技術指導する場合を除き、特定の個人、研究室、企業に奉仕したくありません。

しかし、上記の問題に限らず、Web、文献、マニュアル、テキストなどを徹底的に調査したのにどうしても疑問が解決せず、なおかつ放射光・中性子散乱施設の装置担当者、サポート担当者、装置使用経験者に質問しても埒があかず、万策尽きた後ならば、私に尋ねても結構ですよ。ただ、今や私の短期的・長期的な持ち時間は少ないのです。先の短い私が返答するか否かは、私の忙しさ、精神・健康状態、質問内容などに依存します。なにもレスポンスがないからといって、悪く思わないでください。

一番確実なのが、講習会や講演会に来られて、直に質問することなのは言うまでもありません。そうすれば、他の参加者にも情報が伝わり、一石二鳥です。

絶対に止めてもらいたいのは、私がメールでの質問にきちんと回答したにもかかわらず、レスポンスも返礼もせずに済ますことです。こういう自分勝手な輩が後を絶たないのは嘆かわしい限りです。大学教授の中にさえいるんだから、始末に負えません(アンタ方のことだよ)。私の回答通りでよかったのかどうかわからないままというのは、精神衛生上よろしくないし、礼に欠けるっていうことくらい、わからないのかなぁ。そんなアホバカ教員に教育される学生たちが気の毒でなりません

■ 2007年9月3日(月) EDMAマクロの追加

SUPERFLIP v08/31/2007が先月末にリリースされていました。

今日は、SUPERFLIPの出力データからCIFを作成するための秀丸マクロEDMA.macをRIETAN-FP・VENUS統合支援環境に組み込みました。これまた、●●大学—NIMS連携活動の一環です。その結果、同支援環境を構成する秀丸マクロは計28になり、ますます充実してきました。

入力ファイル*.inflipはSUPERFLIPと共通ですが、それに何行か追加する必要があります。*.inflipと*.xplorから得られたCIF(*.cif)に空間群の番号を指定する行(_symmetry_Int_Tables_number .....)を挿入すれば、VESTAで直ちに結晶模型を3D表示できます。

上記支援環境のアップグレードを受け、日本金属学会関東支部講習会の参加者向け配布ファイルを更新しました。Gnuplot用スクリプトFapatiteE.pltの改良版(8月31日参照)も追加しておきました。

Googleで"SUPERFLIP"を検索すると、当ホームページは「ウェブ全体から検索」で本家に続き実質2位(ノイズを除いた結果)、「日本語のページを検索」で首位に躍り出ました。当掲示板でSUPERFLIPに言及し始めたのは、つい最近なんですけどね。Googleによる格付けの高さを反映しているのでしょう。

■ 2007年9月4日(火) DV-Xα法関係の配布ファイル更新

DV-Xα法計算プログラム v1.04がリリースされました。199原子種数(NEQ)までの計算しかできないF05を出力するというMAKEF05のバグが修正されました。この改訂により、999原子種までの計算が可能になりました。

当方も、DV-Xα計算支援環境の配布ファイルDV-Xa.zipを更新しました。単にReadme_DV.txtを修正しただけです。

■ 2007年9月5日(水) 「尾瀬国立公園」分離独立

20代の頃は山登りが趣味で、専門書そっちのけで山岳ガイドブックを読みふけりました。燧ヶ岳、至仏山、会津駒ヶ岳はもとより三条ヶ滝や皿伏山近くの湿原まで足を踏み入れた私としては、これまで日光国立公園に尾瀬が含まれていたのは不当だったと批判したいです。尾瀬沼と日光白根山の間が断絶していて、全然一体感がありません。

ただ、尾瀬ヶ原のような広大な湿原や尾瀬沼は趣味に合いませんでした。湿原に咲く水芭蕉やニッコウキスゲを愛でるよりも、あえぎながら一歩一歩坂道を登り降りするのが好きだったからです。尾瀬の周辺ならば、平ヶ岳や魚沼駒ヶ岳のようなところです。二次元的よりは三次元的な景観を好むという性癖が、後年、3D可視化システムの製作に熱中した一因なのでしょう。

30代に入ってからはコンピュータにのめり込み、登山には見向きもしなくなりました。それでも、深田久弥選の日本百名山のうち39もの山に登っています。いずれ、ほとんど歩かずに済む山の頂上に立ち、計40峰、一丁上がりにしたいです。先日、昔の山仲間が訪ねてきたので、一緒に登らないかと誘っておきました。

といっても、八幡平や伊吹山なんぞではショボすぎます。40峰に増やすより、名峰中の名峰が一望できる八ヶ岳にもう一度登る方がいいかなぁ。なにしろ主峰の赤岳に2度登頂したにもかかわらず、いずれの時も濃霧に視界を遮られたため、心残りなんです。

■ 2007年9月6日(木) 痛快: Wikipediaの執筆者を暴露するツール

WikiScannerが突如浮上しました。あわてふためいている人・組織が多いんじゃないかな。

「予想通り、Wikipediaの編集は多数が自己の利益に基づいて行われている」んだそうです。CIA、総務省、文科省、宮内庁はもとより、NHKや小学館のようなマスコミまで「改訂」に励んでいたという衝撃の事実が発覚しました。今後はネットカフェや漫喫などで改竄せざるを得なくなりましたね。いや、正規職員による改竄はコストが高すぎますから、ネットカフェ難民へのアウトソーシングに切り換えたらいかがでしょうか。

ソニーとマイクロソフトが双方の製品を誹謗する編集合戦を繰り広げていたことも明らかになりました。一流会社の社員が、身元が明らかにならないという思い込みから、顰蹙を買うようなことにのめり込んでいたんですね。

Wikipediaはガイドラインで「自分のことについては他の利用者に執筆を任せるのが望ましい」としているそうです。つまり、自分自身に関係する記事についての編集を避けるべきだということです。私は"泉富士夫"、"RIETAN"、"物質・材料研究機構"という記事を執筆・改訂した覚えはありませんので、ガイドラインを遵守していたことになります。

いや、実のところ、本掲示板を毎日更新するだけで手一杯なんだよな。

■ 2007年9月7日(金) 秀丸エディタのメジャーチェンジ

秀丸エディタ v7.00(正式版)がついに完成しました。v6.0X → v6.5 →v7.00に約9ヶ月が費やされたことになります。これで、二つの支援環境のReadme*.txtに「秀丸エディタはv7.00以降を使用すること」と書けます。早速、配布ファイル二つをアップロードし直しておきました。

これまで秀丸エディタ v7.00β*を何度も重ね書きインストールしてこられた方は、この際、秀丸エディタをアンインストールし、Hidemaruフォルダを捨ててから、再インストールすることを推奨します。ゴミが残っていると、予期せぬトラブルのために、動作が遅くなることがあるらしいです。

eduDVも改訂されました。対称軌道ファイルに誤りがあったそうです。

日本セラミックス協会 第20回秋季シンポジウムでの招待講演「次世代パターンフィッティング・システムRIETAN-FPと統合支援環境の開発」の聴講者限定で配布するファイル二つをアップロードしました。初日の朝一番(9:20〜9:59)の講演です。ぜひご来聴ください。

■ 2007年9月8日(土) 山小屋では、一つの布団に二人で寝たことのある私ですが…

昔から学者は貧乏と相場が決まっています。研究集会開催時に、自分の泊まっているホテルの宿泊料金の安さをセンセイ方が自慢し合う学会もあるそうで、皆さん、出張旅費の捻出に苦労されているようです。

しかし、旧あいりん地区や旧山谷地区の簡易宿泊所の流れを汲むホテルはどうでしょうか。そういうところに泊まる気がしますか? 江草 乗氏によれば、大阪のホテル中央は「大阪で一番安くて快適」だそうです。

一度、自ら宿泊してみないと、なんとも言えませんね。

まあ、カルカッタで泊まった、あのオンボロ宿舎よりはましだろうな。エアコンの効きの悪さと騒々しさによく寝付けず、毎朝6時半に紅茶を届けに来るウェイターにたたき起こされ、終始寝不足状態。シャワーもお粗末そのもの。一夜、街を散策したら、雑踏の中で、地べたに寝ていた少年をふんづけそうになっちゃいました。その後は乞食にまとわりつかれ、こりゃヤバいぞと恐れおののき、宿舎に逃げ帰りました。胃腸の具合が一度も悪くならなかったのが、不思議といえば不思議でした。

どうしてこんなことを書いたかというと、来年8月に何日間か大阪に滞在せざるを得なくなったためです。滞在の目的はいずれわかるでしょう。

■ 2007年9月9日(日) 嗚呼、9月2日以前にこれを読めば、無駄な手間を省けたのに

鐸木能光「シンプルに使うパソコン術 傑作フリーソフトでつくる快適環境」(講談社)中に次の一節あり:

よく「使い方が分からない」などと、気軽に(フリーソフトの)作者にメールをする人がいますが、これもいけません。ソフト作者は、無償で自作ソフトを公開するということだけでも、十分に面倒な行動を、自己犠牲のもとに行っているのです。市販ソフトのように、それで商売をしているのではありません。作者に負担を求める行為は厳に慎んでください。

これは9月2日に長々と書き散らした文章の一般論的要約にほかなりません。私が自作ソフトのユーザーに訴えたかったことを過不足なく代弁してくれています。

なお、放射光・中性子散乱研究施設の職員は装置の共同利用で商売をしている(サラリーをもらっている)のですから、ユーザーは臆することなく負担を求めて(サポートを要求して)構わないでしょう。私は無償で彼らの業務を代行したくありません。

■ 2007年9月10日(月) 購入予定リストに入りしたiPod

最近発表されたiPodの新製品群でもっとも目を引くのがiPod touchです。Wi-Fiワイヤレスネットワークを内蔵し、Safari、YouTube、iTunes Wi-Fi Music Storeという三つのアプリケーションを搭載しています。ただ、iPod classicと同程度のサイズなのに、容量がの1/10しかないのが気になります。フラッシュメモリだと仕方ないのかなぁ。

iPod touchを買うかどうかは別として、デジタルオーディオプレーヤーの一台くらい所有していないと、今や生きている化石同然です。おそまきながら、iPodシリーズの中から一台購入しましょう。

今時、PCなど製造・販売しても、過当競争に巻き込まれ、利益なき繁忙状態に落ち込むだけ。商才に長けたジョブズがiPodやiPhoneに注力しているのは、当然の選択です。新たなビジネスの仕組みを考案する人は偉大です。研究者も、何がおいしい仕事(5月28日参照)かをしっかり見極めなければなりません。

たとえば、一般的関心が低空を飛行中のパルス中性子散乱(例:TOF粉末中性子回折)や手垢まみれのテクノロジー(例:リートベルト法)にしがみついていたところで、脚光を浴びる可能性は限りなくゼロに低いです。両者の論理積(TOF粉末中性子回折データのリートベルト解析)はどうかって? 2・3年先にそんなルーチンワークの成果を発表したところで、世界レベルではほとんど訴求効果がありませんよ。今や熱分析、元素分析、赤外・IR・ラマン・NMR分光、電顕などと同列のclassicalな研究手段にすぎないのです。TOF粉末中性子回折が物質・材料研究に役立つのは事実ですが、one of them以上でも以下でもありません。他の実験手段との大きな違いは、桁外れに低いコスト-パフォーマンスです。なにしろ大型加速器をぶん回さないと、パルス中性子は飛来しませんから。

放射光粉末回折はどうかって? 昨年、「Oh, mistake!」という激辛記事やダメ押し的続編(「複雑な構造を粉末法で解析するときは十分ご注意を」「悪文解釈」)で、特定グループの研究を酷評したから、これ以上の言及は避けるのが武士の情けというものです。放射光はコスト-パフォーマンスが極端に低い点でパルス中性子散乱と一緒、とだけ述べておきます。突出した高コストは他の研究予算を必然的に圧迫します。

つまらぬ話題はリセットし、iPodの話に立ち戻りましょう。今回は、iPod nanoにしておきます。 メモリは8 GB、色はシルバーかブラック。4つの学会から依頼された講義・講演が今週で終わりますから、自分への褒美として今月中に買いましょう。猛暑が続く中、老骨にむち打っての4連戦は明らかにオーバーワーク。もう藤川球児(阪神)状態、よれよれです。

■ 2007年9月11日(火) 雲散霧消した妄想

永嶌真理子さん(2006年5月20日参照)は、最近キール大学(ドイツ)からベルン大学(スイス)に移られたとのこと、ご研究が益々発展することをお祈りしています。

スイスというと、陽光の降り注ぐレマン湖畔のカフェを思い出します。いつの日かグルノーブルで粉末中性子データを測定した後、電車でスイスに移動し、このカフェを再び訪れ、コーヒーを飲みながらそのデータをPowerBookで解析したいもんだな、と思いました。解析が終わったら、「これも論文になりそうだな」とつぶやき、速やかに立ち去る —— 嗚呼、我ながらなんてカッコいいんだろう、と妄想に浸りました。

あれから10数年経ちました。「PowerBookなんて、もう売ってねーだろ。」というツッコミは無視するとして、結局、その密かな願望はかないませんでした。歳月の流れとともに、中性子回折データの測定・解析にはすっかり興味を失いました。情熱が冷めたことを遂行するべく、手間暇かけてヨーロッパまで出かけるなんてあり得ません。それだけのこと。惰眠を貪っている訳でなく、別なことにせっせと励んでるんだから、いいんじゃないですか。

日本セラミックス協会 第20回秋季シンポジウムに参加するため、11〜13日の3日間、名古屋に出張します。今日は移動日です。

■ 2007年9月13日(木) 充電の必要

名古屋出張から帰りました。しかし、処理しなければならない案件がたまっていて気が休まらない上、疲労が蓄積しています。このオーバーフロー・疲弊状態から脱却するため、何日か休暇をとって、温泉にでもつかり、リフレッシュしたい気分です。しかし現実には、すぐさま今年末の催しを計画し、来年開催される国際会議の企画を立てるとともに、そろそろ単行本の原稿を書き始めなければなりません。自分のcapacityを超えた、こういう状態が長く続くと、安倍首相みたいに肉体と精神が壊れていくんだろうなぁ。

昨日、招待講演の冒頭で、「われわれはこれらのソフト(RIETAN-FP、VESTA、RIETAN-FP・VENUS統合支援環境)を2年で完成させました。」と述べました。この言葉に嘘偽りはありませんが、信じ難いほどのハイペースだなぁ、とあらためて感じました。なにしろ、その間、あの分厚い英文マニュアルを捻りはちまきで書き上げ、尋常でない数の依頼講演・講義をこなしたばかりか、DV-Xα法計算支援環境の構築で脱線までしていたのですから。本掲示板を毎日更新する余裕があったのが不思議でなりません。

■ 2007年9月14日(金) 配布ファイル更新2件

坂根弦太氏が、教育用分子軌道計算システムeduDVに、単原子(イオン)の電子状態を計算するためのプログラムionとionnを追加されました。これに対応するため、eduDV.macを更新するとともに、ionmenu.mac、ion.mac、ionn.macをDV-Xα法計算環境に追加しました。DV-Xa.zipはここでダウンロードできます。

日本セラミックス協会 第20回秋季シンポジウムでの招待講演「次世代パターンフィッティング・システムRIETAN-FPと統合支援環境の開発」に用いたPDFファイルLecture_CSJ.pdfもわずかながら改訂し、更新しました。

■ 2007年9月15日(土) 光栄至極

最近注目を浴びているcharge flipping法プログラムSUPERFLIP8月16日参照)の作者L. Palatinus氏とコンタクトする機会に恵まれたので、SUPERFLIPの出力する3Dデータファイル*.plorがVESTAで読み込めるとお教えしたところ、「心から感銘を受け、非常に気に入った」と賞賛してくださいました。さらに、バグと追加すべき機能を一つずつ指摘していただきました。前者については次のバージョンで修正する予定です。

■ 2007年9月16日(日) 4連戦終了の褒美

この3連休は久々ににのんびり過ごせるため、新発売のiPod nanoを買いに走りました。メモリーは8 GB、色はシルバーにしました。横幅が広がり、縦幅が狭まり、裏側が光沢のあるステンレススチールに変わったのが目に付きます。

早速、iTunesでCD4枚分の楽曲を3つのプレイリストとして転送し、ちゃんと聴けることを確認。今日のところはここまで。

これで出張・外勤時に持参する三種の神器、すなわちソーラー電波時計・携帯電話・デジタルオーディオプレーヤーを取り揃えたことになります。

■ 2007年9月17日(月) RIETAN-FP+VENUSの社会的影響力

プレゼンテーション、Web、文書、論文、解説などにおける可視化情報の重視は時代の流れです。日本セラミックス協会 第20回秋季シンポジウムでの講演やポスター発表で目に付いたのは、VESTA(あるいはVICS、VICS-2、VEND)で描画したと覚しき図の多さでした。ざっと半分のシェアといった印象です。Webでの可視化情報発信の好例はここ(名工大福田研究室)で閲覧できます。

VESTAをメンバーに擁するVENUSは、結晶・電子構造を対象とする3D可視化システムとして、我が国におけるデファクトスタンダードの地位を固めたといって過言でありません。今後、類似品ないしはイミテーションが出現する可能性が高いですが、目的と性格の異なるプログラムの集合体ですから、ハードルが極端に高いです。PRIMAやVESTAを凌駕する機能やアルゴリズムを実装し、それらよりも高速で、信頼性が十分高く、しかもドキュメンテーション(もちろん英文)の完成度が高くなければ、後追いソフトが割り込む余地などありませんから。

VESTAのようなクロスプラットフォーム・ソフトの開発はなおさら困難です。Java 3Dなどという邪道に走ると、パフォーマンスと評判の両方を落とすのが関の山です。数周遅れの追随者は、あせり狂ってハードルに足を引っかけ、転倒せぬよう、せいぜい気をつけてください。

追随者へのアドバイスをもう一つ。Webで一般公開しないと、話になりません。知名度が上がらず、バグが長く残り、改善も一向に進みませんから。

論文での引用回数、講習・講演・執筆の依頼件数、講演会・講習会での集客実績、Webの訪問者数などの数値データから公平に判断して、RIETAN-FP、VENUS、両者を統合する支援環境は、数十億円を投じて放射光・中性子源にビームライン2・3本と数台の装置を建設し、以後、維持・管理していくのと同程度の波及効果があると踏んでいます。

RIETAN-FP、とりわけVESTAは大学教育にも貢献しうることまで考慮すれば、われわれのソフトの実際の利用価値がビームライン2・3本+装置程度に留まらないのは明白です。それらの設備と対照的に、維持費、運転経費、人件費などの後年度負担はほとんど発生しません。組織および個人のPCにインストールし、誰でもいつでもどこでも自由に使えます。雀の涙ほどの開発経費(VESTAに至っては事実上、個人負担)しか使わずに、これほど研究・教育に広く役立ち、知名度が高く、魅力的なソフトウェアを産み出したことを誇りに思います。

■ 2007年9月18日(火) インテル製CPUのMacでRIETAN-FPを動かす方法

現在配布しているMac用RIETAN-2000はPowerPCをCPUとする旧型Macでしか動作しません。つまり、RosettaはRIETAN-2000には無効です。

Mac用のRIETAN-FPの開発は避けておりますので、インテル製CPUを搭載したMacの場合、Windows用のRIETAN-FPを使っていただかねばなりません。Boot CampParallels Desktop 3.0 for Macを利用することにより、Windows用のRIETAN-FPとVENUSがインテルMac上で動くことが確認されています。Boot Campならば、Windowsマシンの場合と同等の実行速度が得られます。

VMware Fusion上でRIETAN-FPが動くか否かはまだ検証していませんが、まず大丈夫でしょう。ベンチマークテスト結果によれば、FusionはParallels Desktopよりはるかに高性能ですから、日本語版が発売になれば、有力な選択肢となります。

CrossOver Macについては、よく存じません。いずれにせよ、Windowsを使わないとなると、高速性は期待できそうにありません。

「お前はMacのエンスーを自認してるんだろ。どうしてMac OS X用Intel Fortran CompilerでRIETAN-FPをビルドしてくれないんだ。」という声が幽かに聞こえてきます。お叱り、もっとも至極です。私がWindows版しか作ろうとしないのは、自分が壊れつつあることの証左だと自覚しています。そうでなかったら、RIETAN-FPは当初からMac OS X上で開発してきたはずですから。もういっぱいいっぱい —— 精神的・肉体的な衰えは隠しようがありません。

もっとも、それはあくまで「当社比」であって、「他社比」でどうなのかは皆様の判定にお任せいたします。2ヶ月に1度は人の前に立ってしゃべりまくり、当掲示板を毎日更新し続け、そこで「ビームライン2・3本が束になっても、云々」(9月17日参照)と豪語している男が己の衰えを語ったところで、誰も信じてくれないかもしれません。

インテルMacで思い出しましたが、昨日、自宅のiMacで、初めてiTunes Storeから2曲購入しました。.Macのメンバーは実質的に手続き抜きで購入できるんですね。iPod+iTunesの基本中の基本はすでにマスターしました。

■ 2007年9月19日(水) 第5回有機・粉末結晶構造解析研究会

私がアドバイザーを務めている有機・粉末結晶構造解析研究会ですが、第5回研究会が10月9日に東大(本郷)で開催されます。参加希望者はここをご覧ください

私は同講習会の後、技術交流会にも参加しますので、RIETAN-FPによる放射光粉末回折データの解析などで知りたいことがありましたら、その時にでもなんなりと質問してください。9月2日の掲示板に記したように、私からの情報が特定の個人で止まってしまうメールでの質問は忌避していますが、講習会や講演会での質問は大歓迎です。

■ 2007年9月20日(木) 企画立案2件

今月に入ってから某国際会議、某セッションのchairとしてco-chairと相談しつつ招待講演者3人を決めるのに大童でしたが、ようやく候補者全員の同意を取り付け、ほっとしました。

今年度の第2回データ解析技術研究会の企画も立案し終えました。こちらは私を含む3人が講演します。日時、場所、プログラムなどが確定した後、講演と講習のお知らせであらためてお知らせいたします。意欲的な内容ですので、ご期待ください。

それにしても、この一二年、行事企画・運営と講演・講義がやたらに多いなぁ。唯一の例外を除き、すべて頼まれ仕事ですが。

秀丸エディタがv7.01に、田楽DLLがv2.96にバージョンアップされました。

田楽DLLのバージョンアップに対応するため、それを同梱しているRIETAN-FPの配布ファイル(日本金属学会関東支部講習会と日本セラミックス協会秋季シンポジウムにおける私の講演の聴講者向け)とDV-Xα法計算支援環境の配布ファイルDV-Xa.zipを更新しておきました。

■ 2007年9月21日(金) この脳天気ぶり、尋常でありません

iPod用ヘッドフォンが欲しくなってきましたが、どのメーカーのどれがいいのか、さっぱりわかりません。3万円以下の商品を希望しています。アドバイスを頂けたらありがたいです。

ただし、電車や飛行機の中で聴く可能性はほとんどないので、ノイズキャンセリング機能は不要です。補聴器を付けていると誤解される恐れがありますので(笑)。

善は急げ、連休中に買いたい。しかし、連休中は届いたばかりの「セクシーボイスアンドロボ」のDVDを観るのに集中したい。はてさて、どうしたものか。ウ〜ン、やっぱり「セクロボ」だな。

■ 2007年9月22日(土) 数え落とし補正、やってますか?

日本セラミックス協会秋季シンポジウムでは、粉末回折の専門家としては、井田 隆氏(名工大)の講演「粉末X線回折強度データの統計的な性質」がもっとも興味深かったです。数え落としの補正がいかに重要なのかがよくわかりました。とくに、ビーム強度がきわめて高いSPring-8やJ-PARCでは必要不可欠で、装置によってはアッテネータの導入も必要となるかもしれません。数え落としをきちんと補正しているのかどうか、装置責任者に問いただすようお勧めします。

いくらカウントを稼ごうが、解析するに値しないデータでは話になりません。今15万人いる留学生を100万人(!)に増やしたい、という現実離れした妄言(教育再生会議の報告の受け売り)を吐いた福田康夫元官房長官と同様、「質」の高さが最も重要という認識に欠けているとの誹りを免れません。

市販の粉末X線回折装置は自動的に数え落としを補正してくれますが、単に観測強度を補正するに留まっています。井田氏は観測強度ばかりでなく、それらの誤差(σ)まで補正しておられました。実際に観測された強度から補正強度を導き出すのですから、誤差の伝播則により誤差を求めなければなりません。誤差はリートベルト法のような最小二乗計算において重み(= 1/σ2)を計算するのに使われるため、その結果を左右します。厳密には、そこまで徹底しないと不十分ということです。

井田氏はまだRIETAN-2000のソースコードが公開されていた頃のコードに手を入れられ、数え落としを補正した観測強度と誤差を読み込ませておられました。実際にその改造版をZnOのリートベルト解析に適用すると、構造パラメータ、とくに等方性原子変位パラメータBの値が単結晶X線解析の結果に近づくことが明らかになりました。

その注目すべき講演の後で、RIETAN-FP用の強度データファイル*.intとして、観測強度ばかりでなく誤差も読み込めるフォーマットを追加しましょう、と井田氏に約束しました。

つくばに帰ってから、実際にRIETAN-FPの英文マニュアルをくくったところ、新フォーマットを追加する必要などないことが判明しました。8.4.8に記述したGSAS-ESD形式の*.intを用意するだけの話です。こんなところで、この分厚いマニュアルが役に立つとは思いませんでした。

■ 2007年9月23日(日) 三つのアップグレード

超定番アーカイバLhaplusがv1.55に、GUIツールキットwxWidgetsがv2.8.5にバージョンアップされました。

wxWidgets v2.8.5でGUIを再構築したWindows・Linux用VESTA v1.0.2bもリリースされました。EDMAの出力したCIFが正常に読み込めるよう改善されたのは、嬉しい限りです。これでSUPERFLIPーEDMAとの連携が完璧になりました。プログラム全体にわたり、着実に磨きがかかってきました。

■ 2007年9月24日(月) 三種の神器、現状報告

ケータイの基本使用料が半額に割引される新制度に飛びついたことは、以前書き込みました。付加機能は片っ端から解約し、一応iModeだけ残しています(メールは使っていませんが)。ドコモからの請求は、約2,000円/月にまで激減しました。

セイコーのソーラー電波時計はときどき日光浴させており、1秒の狂いもなく動き続けています。ラフに使っているせいか、バンドのバックル部分(外側)はすでに傷だらけになってしまいました。

第3世代iPod nanoについては、随分細かいところまで作り込んであるなぁ、と感心しました。この機種の詳細については、IT-PLUSのこの記事をお読みください。私もほぼ同様の印象を受けました。

■ 2007年9月25日(火) 時代の波に乗り遅れぬように

11月19日(月)に開催される

公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」

の会告を講演と講習のお知らせに掲示しました。「粉末回折」が粉末中性子回折だけでなく、放射光や特性X線を用いる粉末回折も含むのは言うまでもありません。また、研究会の趣旨で述べたように、単結晶X線・中性子回折ユーザーにとっても、すこぶる有意義だと思われます。もちろん、結晶解析は人任せという研究者も大歓迎。とにかく間口が広いのが本セミナーの特徴です。

結晶解析と電子状態計算とを橋渡しするための三次元可視化システムVENUSの開発者としては、タイムリーな無料講習会を都心の一等地で開催していただけることは喜ばしい限りです。太っ腹なスポンサー様に厚く御礼申し上げます。

私の講演では昨年12月18日のデータ解析技術研究会の時には影も形もなかった二つの支援環境を紹介します。しかし、私はあくまで前座に過ぎず、主役は高谷 光氏と森分博紀氏です。お二人の講演には十分な時間(75分)が割かれています。できるだけ敷居を低くするため、修士課程の学生でも理解できるレベルに抑えてください、と両氏にお願いしました。

結晶解析にしろ、電子状態計算にしろ、三次元可視化にしろ、それらに使うPCにしろ、時間とエネルギーが十分ある若い時、とくに学生時代に習得しておくことが望ましいです。時代の流れとともに、物質・材料の研究者が自ら結晶解析(リートベルト解析を含む)と電子状態計算を行うのは当たり前になりつつあります。事実、高谷氏は単結晶X線解析のエキスパートですし、森分氏は古くからのRIETANのユーザーです(2004年4月5日参照)。本セミナーが電子状態計算へのチャレンジのきっかけとなれば幸いです。

余談ですが、5年前、森分氏(当時、京大足立研究室に所属)には、DV-Xα分子軌道計算結果の3D可視化用ユーティリティcontrdを水野正隆氏(阪大)に作成していただいたとき、仲介の労を執っていただきました。また高谷氏には、今年4月に阪大で「化学、薬学、生化学者のための粉末・微小結晶解析の最前線」講演・講習会が開催されたとき、何から何までお世話になりました。今回の研究会での講演も快諾していただき、心から感謝しております。

フリーディスカッションの時間も設けてありますので、RIETAN-FP、VENUS、Gaussian、VASPなどに関する質問も十分受け付けられるはずです。多くの方々のご来聴をお待ちしています。

■ 2007年9月26日(水) 数え落とし補正に関する詳しい情報

9月22日に書き込んだ数え落とし補正ですが、井田 隆のページ

という二つのWebページが公開されています。後者では、RIETAN-FPによる補正観測強度の誤差の入力についても言及されています。数え落としの補正に興味をお持ちの方は一読されることをお勧めします。

■ 2007年9月27日(木) 結局どうしたかは秘密

「放射光・中性子散乱施設で測定したデータの解析については、施設の人に相談してください。」(9月2日参照)、と冷たく言い放った私ですが、「データ解析まではサポートしてくれません。このままでは修論が書けません。お助けください。」という悲痛なメールが届くと、さすがに心が揺さぶれます。もともと小心者ですから。

大げさに言うと、弱者に接するときの態度を神様から試されているような気分です。「お前は弱い者、悩み苦しむ者、貧しい人々の味方だったんじゃないか。」という天の声が聞こえるような気がします(2006年9月11日参照)。

選択肢は次の三つ:

だけど、最後のオプションを選択して、苦い思い、すなわち何の礼も言われなければ、レスポンスもなしを嫌になるほど味わってきたんだよね。研究階層の底辺で蠢いている人たちには、自分さえ良ければいいという輩が結構多いんですよ。おいらはマザー・テレサみたいな聖人じゃねえから、ストレスがたまるんだ。そもそも、教官でなく学生が直接、私に質問してくるのも非常識だしなぁ。

それに、己の仕事だけでオーバーフロー状態、アップアップ。こういうのを処理していると、事によっては1、2時間消費しちゃいます。

はてさて、どうしたものか —— ということで、今のところ、当該メールはMail(Mac OS Xのメーラー)の受信ボックスの中に空しく埋もれています。これくらいのことで思い煩うとは、自分も青いなぁ。

■ 2007年9月28日(金) 二つのアップグレード

Windows・Linux版に引き続き、VESTA v1.02bのMac OS X版がリリースされました。ツールバーの見かけがよくなりました。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境とDV-Xα法計算支援環境の基盤となっている秀丸エディタがv7.02にバージョンアップしました。

■ 2007年9月29日(土) NIRIM・NIMSチャンピオン

RIETAN-2000を使用して得た研究成果を発表する際に引用するよう要請している論文

の被引用数が605回に達しました。そこで600回突破記念として、ISI Web of Knowledgeを使い、この論文を格付けしてみました。

これは私が旧無機材質研究所(NIRIM。2001年に旧金属材料技術研究所と統合)に所属していたときの論文です。そこで、筆頭著者がNIRIMの研究者である論文(1970年以降の全領域)を検索したところ、被引用数で首位に立ったのは本論文でした。

ISI Web of Knowledge内のEssential Science Indicators ー Highly Cited Papers (last 10 years)において物質・材料研究機構(NIMS。独法化前の2研究所も含む)の研究者が筆頭著者の論文を検索すると、やはり本論文が被引用数でトップとなりました。過去10年間でもっとも引用された論文ということです。

2006年度NIMS研究成果によれば、材料科学分野における2002〜2006年の間の被引用数で、NIMSは世界第6位(総被引用数5,852)とのことです。同期間における上記論文(材料科学分野)の被引用数は482回ですから、わずか一報がNIMS全体の8.2 %を稼いだことになります。

今後、RIETAN-2000 → RIETAN-FPという移行が進むにつれ、本論文の被引用数は徐々に減っていくでしょう。あくまで現時点での格付けが横綱だということです。

以上で、ネタ切れになったときの恒例となっている埋め草を終わります。

■ 2007年9月30日(日) RIETAN-2000/FPの解析結果をグラフ化するためのプログラムのアップグレード

Igor Proがv6.02Aにバージョンアップしました。そういえば、gnuplotもv4.2.2が出ていました。

■ 2007年10月1日(月) 独立行政法人の整理・合理化

行政減量・効率化有識者会議における委員の指摘:

ということで、独立行政法人の統合・廃止、学術研究切り捨てが時代の趨勢のようです。

独立行政法人、国立大学法人、大学共同利用機関法人を問わず、十分な実績を挙げられず、評価の低い法人は予算と人員を減らされ、さらには統合されたり潰されたりしかねない時代に突入しました。競争的資金の割合が増え、組織間格差は広がる一方でしょう。個人間、研究室間の格差も同様です。

サバイバルレースでライバルを蹴散らすことが要求されているのでしょうが、他人と競争する意志が薄く、仕事に追いまくられるのが苦手で、おっとりした気質の自分には違和感が強いです。息が詰まりそうで、ついていけません。

延長戦をダラダラ長引かせたくはないです。といっても、肩の荷がいくつか下りていないんだよな。どれも結構重い荷物なんです。早くこいつらから解放されて、楽になりたい。

■ 2007年10月2日(火) 電子状態計算 = 助っ人 or 用心棒

公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」9月25日参照)において、高谷 光氏に「有機金属錯体の電子状態解析:X線構造解析とab initio計算の接点」という講演を依頼した背景には、非対称単位内の原子が多い有機化合物や錯体の粉末回折データのリートベルト解析がときには誤った構造モデルに基づいており、しばしば局所的な最小値に落ち込む、という事実があります。このような解析結果が多数、論文として発表されているということを忘れてはなりません。

いずれのミスも、電子状態計算による構造モデルの妥当性の検証により防げる可能性があります。とくに構造モデルの誤りは、非常に高い全電子エネルギーを与えることから、比較的容易に判明するものと思われます。金属内包フラーレンの誤った結晶構造は電子状態計算さえ行っていれば、論文として発表せずに済んだのではないでしょうか。

中性子回折にこだわらないのは、私の常套手段です。圧倒的に多いX線回折(特性X線、放射光)のユーザーを引き寄せるには、X線回折に関する話題も豊富に織り交ぜるのが効果的だからです。今回はさらにエスカレートして、回折法離れしてみました。首尾よくいくか否かは定かでありませんが、少なくとも"Nice try!"と声を掛けてもらえると思います。

■ 2007年10月3日(水) 年間5〜20億円程度の支援を10年間!

世界トップレベル研究拠点の一つに物質・材料研究機構が選ばれました。

とくに感想はありません。巨額予算を獲得して云々、という類の話に対しては、心のスイッチを切ってますから(あっ、こりゃ「セクロボ」のセリフだった)。それよりも、最近、共同研究先から報告されたRIETAN-FPの不具合の方が気になります。昨日に引き続き、バグ退治にかかりっきりです。今日中に片付けたいです。

「セクロボ」といえば、通信販売で買ったDVDを順序不同で5話観ました。片桐はいり、小林聡美、もたいまさこ、ともさかりえ、市川実日子(「セクロボ」には出ていません)といった女優たちのゆるい人間関係が醸し出す独特の雰囲気は「すいか」、「かもめ食堂」、最近の「めがね」と共通しています。ただ「セクロボ」は斜に構えた女子中学生(大後寿々花)と女好きのロボットおたく(松山ケンイチ)が主役であり、必ず怪事件が起こり、したがって各話完結のストーリーがあるところが異なっています。私が好きなのは、断然「セクロボ」です。

■ 2007年10月4日(木) 奮闘努力の末、

昨日記したRIETAN-FPのバグを退治しました。プロファイル関数を計算する2θ範囲に関するバグでして、予想以上に深刻なものでした(汗)。日本結晶学会講習会「粉末X線解析の実際」、日本金属学会関東支部講習会「高度分析機器はどこまで進んだか」、日本セラミックス協会 第20回秋季シンポジウム「無機物質の構造科学」、の参加者には、早急に最新版v1.52bを配布する予定です。しばらくお待ちください。

坂根弦太氏のブログ(10月2日)において、公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」をご紹介いただきました。また同セミナーに遠くからご参加くださるとのこと、ありがとうございます。学協会の協賛など皆無のまま、実質的に当Webサイトだけで細々と宣伝しているにすぎませんから、定員(100名)に達する盛況なんてあり得ないでしょう。RIETAN-FP・VENUSがらみの催しですし、RIETAN-FPの最新版も差し上げますので、奮ってご参加ください。

香川大学の坪井紫乃さんのブログ(10月2日)に、私が9月21日に情報提供を呼びかけたiPodのヘッドホンについての書き込みがあったと聞きつけ、さっそく拝見しました。これ以外に、3人の方々がメールでヘッドホン(イヤホーン)について色々教えてくださいました。この場を借りてお礼申し上げます。

いわき出身なのに「フラガール」を観ていない先生 —— アンビリーバボー!!! オイラはDVDまで持っているというのに(比較するなって)。

■ 2007年10月5日(金) 重要: RIETAN-FPのアップグレード

昨日予告したように、日本結晶学会講習会「粉末X線解析の実際」、日本金属学会関東支部講習会「高度分析機器はどこまで進んだか」、日本セラミックス協会 第20回秋季シンポジウム「無機物質の構造科学」の参加者向けに、RIETAN-FPの最新版v1.52bを含むアーカイブファイルをアップロードしました。RIETAN-FP_manual.pdfも改訂されています。

私の講義・講演で最後にお教えした「呪文」をURL代わりに入力して、配布Webページに入ってください。今後は必ずv1.52bをお使いくださるようお願いいたします。公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の参加者にもv1.52以降のRIETAN-FPを配布する予定です。

一時はコンパイラの欠陥ではないか、と疑ったほど、原因究明に苦しんだバグでした。●●大学—NIMS連携活動の一環として共同研究を実施した甲斐がありました。その共同研究の成果、すなわちRIETAN-FPの最新版は自由に公開して差し支えないという契約になっています。

次バージョンv1.53bでは、精密化後の抑制条件に関する詳細な情報を出力する予定です。

■ 2007年10月6日(土) なんのこっちゃ?

女神:「あなたが池に落としたのは、この金の斧ですか?」
きこり:「いいえ、違います。」
女神:「それでは、この銀の斧ですか?」
きこり:「いいえ、私が落としたのは、ただの鉄の斧です。」

結局、正直者のきこりが女神からもらったのは金銀の斧でなく、薄汚い鉄の斧だったとさ。

まあ、最良の結果じゃないでしょうか。金銀の斧を手に入れたら、まず安逸を貪りますから。鉄の斧さえあれば、食うに困りませんからね。

■ 2007年10月7日(日) 3ヶ月前のお客様にまでさかのぼってサービス

RIETAN-FPをv1.53bにアップグレードし、日本結晶学会講習会「粉末X線解析の実際」、日本金属学会関東支部講習会「高度分析機器はどこまで進んだか」、日本セラミックス協会 第20回秋季シンポジウム「無機物質の構造科学」の参加者向けに配布しているアーカイブファイルを更新しました。

幾何学的パラメーターに対して抑制条件を課して精密化した格子・構造パラメーターから計算したペナルティー項に関する詳細な情報を*.lstに出力するよう改良しました。それぞれの抑制条件が全ペナルティーに何%寄与しているかが一目でわかるようになりました。抑制条件下のリートベルト解析を行う際、非常に重宝する機能です。出力データの内容については、RIETAN-FP_manual.pdf中の8.8.2をお読みください。

■ 2007年10月8日(月) 連休中に一稼ぎ

結局、三連休の間は、ずっと仕事。ペナルティー項に関する*.lstへの出力を補強するとともに、原子間距離と結合角に対する抑制条件における重みをユーザーが個別に指定できるようにしたRIEATAN-FP v1.55bを完成させたことが収穫です。v1.5b以降の一連の改善により、有機化合物や錯体などにおける抑制条件の付加が容易になると同時に、フレキシビリティーを増しました。

■ 2007年10月9日(火) iPod用ヘッドホン

インピーダンス32Ωのヘッドホンを物色。結局、AKGK414Pを7,980円で購入しました。コスト‐パフォーマンスの高さで有名なK26P(坪井紫乃さんのお薦め品)の後継機です。見た目はK26Pとほとんど変わりありません。コンパクトで可愛らしく、仰々しくないのがいい。

まず感じたのは低音の豊かさ。さらに、iPod付属のイヤホーンだと音割れしていたSalyuの「彗星」(2005年5月30日参照)がすっきり聴けるようになり、ひとまず満足しました。十分なエージングの後、どう落ち着くかが問題です。

■ 2007年10月10日(水) 盲点

RIETAN-FP v1.55bの出力ファイル*.lst中に文字データ以外のデータが出力されていることに気づきました。ソースコードを調べたところ、なんとSTRUCTURE TIDYとRIETANで、同一名(PAR)のCOMMON領域が別な目的に使われているではないですか! 大急ぎで、このバグを取り除いたv1.56bをアップロードし、共同研究者、研究支援・協力者に通知しました。

さしたる実害はありません。瑕疵といってよいでしょう。

公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の参加者には、RIETAN-FP v1.57b以降を配布することを約束いたします。また、高谷・森分両氏のご講演で使用するスライドすべてを印刷した資料も配付する予定です。

■ 2007年10月11日(木) 「おいしい仕事」への傾注

今年度に入ってから、何度も「●●大学—NIMS連携関連の共同研究」という文言を当掲示板に書き込みました。10月9日に開催された第5回有機・粉末結晶構造解析研究会における河野正規氏の講演に、その共同研究についての説明があったので、別に隠し立てする必要はないでしょう。詳しくは「東京大学—NIMS連携協力協定に基づく東京大学 大学院工学系研究科(応用化学専攻)藤田研究室との共同研究」です。具体的には、自己組織化により生成する中空構造体の粉末X線構造解析に適したheavy-dutyかつrobustなプログラムの開発を目的としています。

2月11日に論じたように、非対称単位内の原子数が多い有機化合物・錯体の構造解析は現在、粉末回折分野における最重要かつ最先端の研究テーマの一つであり、この共同研究を通じ、今後、積極的に取り組んでいくつもりです。医薬品や機能性有機材料などの未知構造の解析に必須の技術となりつつあり、産業界にも貢献しうると確信しています。公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」における高谷 光氏のご講演は、この方針に沿った企画にほかなりません。

今年の春以降の当掲示板をお読みいただけばお分かりのように、幾何学的パラメーターに対する抑制条件の付加を中心として、本共同研究の成果が着々と挙がりつつあります。上記研究会の参加者は、DASHーRIETAN-FPの組み合わせを用いることにより、過去一年に4つの新化合物の構造解析に成功をしたという河野氏の講演に仰天されたことでしょう。なにしろ、どれもDASHで取り扱える原子数の限界すれすれか、それを超えた巨大系だったのですから。

次の目標は、Windows Vista 64ビット版の広大なメモリー空間(事実上∞)をフルに活用できる超高速MEM解析プログラムPRIMAをビルドすることです。上記研究会でも、VENUSの新パーツとして必ず配布すると約束しました。といっても、ハード・ソフトの環境さえ整えば、再ビルドなんて赤子の手を捻るようなものです。ご期待ください。

■ 2007年10月12日(金) バージョンアップ4件

VESTAのGUI構築に利用しているwxWidgetsがv2.8.6にアップグレードされました。VICS・VENDのGUI作成に用いたGLUT+GLUIの開発停止に懲り懲りした私としては、wxWidgetsが順調に進化し続けるか否かが、とても気になります。今のところ、安泰ですね。

Jedit XがRev. 1.41にアップグレードされました。

StuffIt Expander 12がリリースされました。

秀丸エディタがv7.03にバージョンアップされました。

■ 2007年10月13日(土) 別にSPring-8に限った話じゃありませんが、

第5回有機・粉末結晶構造解析研究会においてJASRIの方々と懇談する機会があったので、9月2日に書き殴ったような苦情を率直に申し立てました。ユーザーをサポートするスタッフはちゃんと揃っている、というような答えでした。しかし、当方が開発した市場占有率の高いソフトをスイスイ操れる優秀なスタッフが懇切丁寧に支援するんじゃなきゃダメなんですよ。そこまではやってない(やれない)んじゃないですか。だからこそ、しばしば私に火の粉が降りかかってくるんでしょう。

「あいつなら只で済む」なんて、SPring-8関係者やユーザーの勝手な思い込み、ないしは願望にすぎません。そう目論んでいるのだとしたら、図々しすぎます。高価な商用科学技術計算ソフトでさえろくにサポートしてくれないのが普通だというのに、無料ソフトの開発者自身が無償サービスにホイホイ応じるなんてあり得ません。なにもかも一人で背負いきれる訳はないでしょう。

今後、関係者(私の共同研究者、研究支援・協力者)以外には「無償サポートお断り!」と断固、宣告し続けるつもりです。決して「サポートお断り!」でないことを強調しておきます。Give and takeが成立しているなら、支援するのは当然のことです。また講演会・講習会の講師なら、スケジュールが許す限り引き受けますし、その場でいくらでも質問に回答します。過去2・3年、その通り実践してきました。これで、差し支えありますか。何か不足しているでしょうか。意見、感想、苦情、批判がありましたら、私に直接お寄せください。

もちろん、RIETAN-FPやVENUSのバグと覚しき症状が出たときは、話は別です。念のため。昨日もバグ報告のおかげで、RIETAN-FPをv1.57bにアップグレードしたばかりです。助かりました。

■ 2007年10月14日(日) 最新ソフトに対応したマニュアル

坂根弦太氏から、DV-Xα法計算支援環境簡易マニュアルを更新したとの知らせが届きました。現時点におけるDVSCAT、VESTA、edDV、DV-Xα法計算支援環境、秀丸エディタの最新版に完全対応するための改訂です。ページ数(126ページ)は変わっていません。このマニュアルはVESTAの基本操作を学ぶにも役立ちます。

公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」(11月19日、東京)において、私がDV-Xα法計算支援環境について紹介するのに間に合わせようというのが、改訂の動機だったと伺いました。10月4日にも書き込んだように、坂根氏は本セミナーに参加されますので、DV-Xα法やeduDVについての質問にも答えていただけます。ご協力に深く感謝いたします。

本セミナーの講師をお願いした高谷 光氏については、研究者図鑑(zukan.tv)でビデオが公開されているので、ぜひご覧ください。

「セラミックス」10月号(p. 806)に、もう一人の講師、森分博紀氏の勤務されているファインセラミックスセンター ナノ構造研究所の紹介記事が載っていました。本年4月に設立された同研究所の2本柱の一つが第一原理計算であり、森分氏はその中核メンバーです。同研究所の業務には産業支援(企業との共同研究または受託研究)とオープンラボ(企業からの派遣研究員による研究開発)も含まれており、企業からの研究員のスキルアップのために情報提供・技術訓練を行うそうです。本セミナーの講師にうってつけの方を選んだといってよいでしょう。

■ 2007年10月15日(月) RIETAN-FP v1.57b

RIETAN-FP v1.57bを含む最新RIETAN-FP配付ファイルを公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」参加者用Webページ(関係者にはURLを通知済み)にアップロードしました。*.lstの一部を整形するとともに、単位胞中の電子数(X線回折)あるいは干渉性散乱径(中性子回折)の合計がリートベルト解析前に出力されるという不具合を修正しました。RIETAN-FP_manual.pdfも少々改訂しました。

RIETAN-FPの最新バージョンに切り換える際には、入力データの変更に伴い、入力ファイル*.insの雛形ファイルが変わっている可能性があることにご注意ください。旧バージョンに付属の雛形ファイルに基づく*.insをそのまま使うと、異常終了する可能性があります。

■ 2007年10月16日(火) 日の光の戯れ

iTunesでiPodに取り込んだCDの楽曲ですが、標準の128 kbpsでなく256 kbpsですべて読み込み直しました。

AKG(アーカーゲー、俗に「赤毛」)のヘッドホンK414Pは目下エージング中です。しかし今のところ、私の耳では明瞭な変化は検知できません。

昨晩、iPodでクラシック音楽を聴いてみようと突然思いたち、「フィガロの結婚」第17曲だけCDから吸い出すことにしました。しかし、CDがどうしても見つかりません。奥方に騙されたバカ殿様(アルマヴィーヴァ伯爵)が腰元(スザンナ)を誘惑し、その目論見が成功したと思い込んで喜ぶ場面で歌われる、この小二重唱は、iPodに嫌われるんですかね。

しかし、この茶番劇に与えられた音楽には猥雑なところ、軽佻浮薄なところが微塵もありません。むしろ高貴な印象さえ受けます。それがまったく違和感を感じさせないのは、なぜなのか —— 「モーツァルト」において、A. シューリヒは次の如く説いています:

ダポンテが彼(モーツァルト)に供給した人物たち、写実的喜劇の俳優たちを彼は理想化した。彼は共作者のシニカルな台本を超越した。浮気や残忍さは彼によって優雅と戯れに、陰鬱と悲しみは感激と優しい情操に変形されている。理想も、高遠な目的も、魂の気高さも持ち合わせていない卑小な俗人たちを、彼の音楽は忘れさせる。(中略)日の光が戯れるこれらの不思議は、日沈とともに消え失せる。そして、この日の光こそモーツァルトの音楽なのである。
■ 2007年10月17日(水) VESTA v1.03bのリリース

VESTA v1.03bがリリースされました。RIETAN-FPの出力ファイル*.lst中に記録されている各原子サイトのラベルの先頭部分が元素名でない場合に対応しました。東大—NIMS連携に基づく共同研究(10月11日参照)の過程で明らかになった不具合の修正です。結合指定時のトラブルも解消しました。

万一、正常に読み込めない*.lstがありましたら、zip形式に圧縮して門馬綱一君にお送りください。よろしくお願いいたします。問題ないことがわかりましたら、Mac OS X・Linux版もリリースいたします。

門馬君は7月11日のベータ版公開以降も、月に一度は改訂するよう努めてきました。GUIの構築に利用しているwxWidgetsも含め、もう安定性は十分なはずです。旧プログラムVICS・VICS-II・VENDはもはや更新されません。今後、研究・教育の現場では、VESTAに切り換えていただければ幸甚です。

なお、日本結晶学会講習会「粉末X線解析の実際」、日本金属学会関東支部講習会「高度分析機器はどこまで進んだか」、日本セラミックス協会 第20回秋季シンポジウム「無機物質の構造科学」の参加者用配付ファイルのWebページは、本日をもって削除しました。今後は、公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の参加者用WebページだけでRIETAN-FPの最新版を配付していきます。坂根弦太氏の執筆されたDV-Xα法計算支援環境簡易マニュアルHidemaruDV.PDFへのリンクも、そこで張らせていただきました。

■ 2007年10月18日(木) ヘルプだけじゃ不便なので、

秀丸エディタ公式マニュアル Ver7対応版」を購入しました。パラパラめくって読めるってのは、実にありがたい。Windows上では秀丸エディタに頼りっきりですし、二つの支援環境の土台なのですから、3,000円の出費は惜しくありません。

完全にIrvanView、Susie、GIMP、OpenOffice.org Drawなどのフリーソフトウェアだけで製作したんですね。組版にはpLaTeXが使われました。

それはそうと、Mac OS X Leopardは10月26日発売と決まりました。もちろん、早速注文しました。

■ 2007年10月19日(金) My God!

古いWordファイルを改訂中に、3割程度の数式がWord 2003/2004付属のEquation Editorで開けないことに気づきました。「Microsoft数式オブジェクトの作成元が見つかりません。」という非情なエラーメッセージが出ます(涙)。数式がちゃんと表示されているのに、編集できないとは。旧バージョンとの互換性すら備えていないのでしょうか。いや、MathTypeの大分前のバージョンで入力したのかもしれない。

ともあれ、これらの数式はすべて入力し直すことにしました。数式だらけのファイルなので、相当な手間を覚悟しなければなりません。

Wordの使用を強制されると、ストレスがたまるなぁ。

■ 2007年10月20日(土) 尾道三部作、ごちゃごちゃ

"小林聡美のファンなので「めがね」(10月3日参照)を観ました。"というメールを知人からいただきました。"小林聡美のファンと名乗るんだったら、「さびしんぼう」を観るべきです。若き日の●ー●が拝めますから。"と返答しました。ついでに、"「セクロボ」で、小林聡美は大後寿々花に「オバさんじゃないの!」って罵られてましたよ"と付け加えておきました。

大分時間が経ってから、はたと気づきました。まずい、「さびしんぼう」の主役は富田靖子だった。小林聡美は「転校生」の方だったと。すぐさま訂正メールを送ったのは言うまでもありません。

早くも、まだらボケが出てきた?! よくよく調べると、7月8日にはボケていなかったことが判明しました。この間、記憶力の衰えが進行したのか?

"ビデオ屋に行ったけど、「転校生」はありませんでした。"という間の抜けた返事が届いたのは6日後でした。

■ 2007年10月21日(日) Open Watcom v1.7の改訂

DV-Xα法のFortranプログラム群のビルドに使用されているOpen Watcomの最新版v1.7a, release candidate 1がリリースされました。まだ正式版ではありませんが、v1.6→v1.7の移行に伴う退化(an obscure but significant regression)が解決したそうです。

Mac OS X・Linux用のVESTA v1.03bがリリースされました。

■ 2007年10月22日(月) 傍観者の弁

週末に、最近上梓された水月昭道の「高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院」(光文社新書)を流し読みしました。博士課程修了者の厳しい現状を報告しています。筆者は現在、立命館大学の研究員ですが、任期が切れる2008年春以降の身分は未定とのことです。

ほとんどが文科系の話なので、丁寧に読む気はしませんでした。理工系の分野では、外国人研究者の終身雇用が増えていますが、最近のそういう傾向についてはまったく触れていません。

博士課程修了者で定職にありつけるのは半分程度とのことです。競争率2倍のどこが悪い、とツッコミを入れたくなったのは私だけでないでしょう。一口に博士といっても、ピン(上澄み)からキリ(沈殿)までいるんですよ。大学院重点化と少子化の影響で促成栽培の博士が粗製濫造されている今、博士号取得者が全員、常勤研究者として雇用されたとしたら、それはそれで深刻な問題が発生するに決まっています。ポスドク一万人計画の実行段階で沈殿が濾過される —— 結構じゃないですか。

ただ、教授・准教授は博士課程進学希望者に対し、常勤の研究者になれる保証などない、ということをきちんと説明する責任があります。それを意図的に怠って博士課程に誘い込み、博士号取得後は知らんぷりなのだとしたら、詐欺同然と指弾されても仕方ありません。まして実力がないのを承知の上で、博士を世に出したという実績作りのために博士課程への進学を許可するのは、絶対止めてほしいです(社会人博士を除く)。

思い起こせば、若き日の私は研究職に就く気などさらさらなく、違う職種(某資格の取得)を目指していました。M1のとき国家公務員試験上級甲種に合格したため、成り行きで研究公務員として就職した口です。行き当たりばったりもいいところ。奨学金返還免除の願望も少しだけ入っていたという記憶があります。

ろくに勉強せずに40倍近い競争率の壁を突破した理由は簡単 —— 受験前日の暇つぶしに浅草寺に参拝し、合格を祈願したおかげだと信じています(お賽銭は上げなかったような気が…)。実は、2005年5月9日の掲示板に書き込んだ「私が研究の(泥)道に足を踏み入れるきっかけを与えてくれたのは、浅草寺のご本尊様なのです」という文は、このことを指しています。

そう言えば、未だにお礼参りしてないな。いずれ罰が当たるかもしれない。

恩師からは、高名な教授二名(ともに故人)の名前を挙げていただき、どちらか好きな方の研究室を選んで博士課程へ進むよう勧められたんですよ。しかし、入学金と授業料を納めた上、無給・無休の兵隊としてこき使われ、先の見通しが立たぬ博士課程への進学など、まったく眼中にありませんでした。そこで、最初からパーマネントのポジションに就ける無機材研に入所。「苦労は買ってでもするな」がモットーで、お気楽モードがデフォールトの自分にぴったりの選択肢でした。

無機材研では、結局、餌も与えられぬ放し飼いの身に落ち着きました。しかし、フリーターになるリスク、リストラされる恐れなど皆無でしたし、ほとんど制約を受けることなく自由に研究できたので、精神的には楽でしたね。博士課程にそっぽを向いた代償として、何もかも独学同然で学ばざるを得ませんでしたが、順調に成果を挙げ続け、さっさと論文博士に。以後ずっと、実質的にボスも師匠もいない状況下で、マイペースかつ勝手気ままに振る舞ってきました。大学と違って教育という激務がないため、本当に助かりました。教育にはあまり情熱が湧かない方ですから。

難局にぶち当たっても、常に、どうにかなるさ、なんとかなるさの精神で、逞しく乗り切ってきました。暗中模索でも、なんとか道が開けるものなんですね。大過なく今日に至った結果、徹底した楽観主義者と相成りました。9月21日の掲示板のタイトルをそのまま借用すれば、「この脳天気ぶり、尋常でありません」。

近年、博士号取得者が直面している過酷な状況を知らされても、研究至上主義者でない私には同情心など浮かびません。無慈悲な文言なのは百も承知ですが、「研究者として飯を食っていけそうにないと悟ったら、さっさと見切りをつけて、他の道に進めばいいじゃありませんか。」というのが率直な感想です。研究だけが人生ではありませんから。もっと自分に向いた仕事が一つや二つ、あるはずです。研究と無縁な、そちらの仕事の方が、むしろ世の中から必要とされるのかもしれませんよ。私なんか、過去を振り返って、手に職を付け(某資格を取得し)、自営業になった方がよかったんじゃないかな、と思うことが今でもあります。

見切りをつけることの大切さはパチンコで学びました。そう、パチンコはハズレ台にいつまでもしがみついていると、玉が一番下の穴にどんどん吸い込まれていき、ついには大金を失うだけのケチなギャンブルなんです。別な台に移るか、店を出るしかありません、そういうときは。

パチンコだけじゃないな。人生、大小取り混ぜ、ギャンブルの連続です。いくら頑張ったところで、運が味方してくれないと事はうまく運ばない。勝つこともあれば負けることもある —— そう達観しないと、生きていけません。

そうそう、大きな賭に出るときは、リスクヘッジも必要不可欠です。人生を棒に振ったら、話になりませんから。いざとなったら自ら起業するくらいの覚悟も甲斐性もない癖に、無謀な賭に出た人たちが今、大変な目にあっているんじゃないかな。

■ 2007年10月23日(火) 衰え見せぬ集客力

公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の人気は上々で、現時点での参加登録者数は目標値をすでに4割も上回っております。今年開かれた他の中性子関連個別研究会を、参加者数で圧倒しています。やはりこれは旺盛な需要に応えたタイムリーな好企画だった、ということが数字で証明されました。

正直なところ、ほっとしました。なにしろ己が企画した催しに2・30人しか集まらなかったら、鬱状態に落ち込む恐れがありますので(3月1日参照)。

本セミナーについては事実上、当Webサイトだけで宣伝しているにすぎません。至便の地(大手町)で開催し、しかも無料なのですから、学協会の協賛を得ていたら、とうに満員御礼となっていたでしょう。

まだ開催日まで4週間もありますが、参加希望者は早めに参加登録を済ませておかれるようお勧めいたします。

■ 2007年10月24日(水) テレビでニュースを見ながら、ついウトウト。

ふと目覚めて、寝ぼけまなこで画面を見ると、「賞味期限切れ」、「偽装発覚」の文字が目に飛び込んできました。一瞬、我がことかと思い、ドキっとしました(汗)。なんのことはない、比内地鶏についての報道でした。

そういえば、この春印刷したRIETAN-FPのマニュアルが21部残っているそうです。賞味期限が切れないうちに、公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の参加者に配りましょう。希望者に先着順で、ということになるかな。

■ 2007年10月25日(木) やっぱりオヤジも…

柴田文彦の「やっぱりオヤジもiPodが欲しい!」、買ってはみたものの、なぜか積んだままです。iPodは毎日使ってますが。

ところで、"iPodが欲しい"を別な言葉に置き換えると愉快ですね。誰でも思いつきそうなのが「やっぱりオヤジもバレンタインチョコをもらいたい!」、団塊の世代にはとんと無縁でしたが「やっぱりオヤジも合コンに参加したい!」、TXの終点はアキバなもんで「やっぱりオヤジもメイド喫茶に入りたい!」、本屋で上記の本を購入したとき、たまたまレジの上にぶら下がっていたヤツを安直に使わせてもらうと「やっぱりオヤジもガッキーのカレンダーが欲しい!」… もう止めとこ。

■ 2007年10月26日(金) 十分枯れてきました

秀丸エディタがv7.04にバージョンアップされました。

■ 2007年10月27日(土) さらに厚みを増したDV-Xα法計算支援環境簡易マニュアル

坂根弦太氏が配付しておられるDV-Xα法計算支援環境簡易マニュアルが改訂され、130ページ(!)、容量34.6 MBに増えました。DV-Xα法計算支援環境のマクロメニューから起動できるプログラムMAKEF05SCFSについて、MAKEF05との違いや使用上の注意点などが127ページ以降に書き加えられました。

これに伴い、公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の参加者向けのダウンロードページも修正しておきました。

これだけ初心者に優しい、懇切丁寧なマニュアルは珍しいです。DVSCATだけでなくVESTAを初めてお使いになる方々にもお薦めします。

さらに、eduDVOpen Watcom v1.7a、release candidate 2で再ビルドされました。

■ 2007年10月28日(日) 前進と停滞

RIETAN-FPをv1.58bにバージョンアップしました。

第一に、異方性原子変位パラメータβijの妥当性を示す符号二つを*.lstに出力するようにしました。どちらかというと、中性子回折ユーザー向きの新機能です。

第二に、キャピラリーに試料を詰めて、デバイーシェラー型光学系で測定したX線回折データのバックグラウンドを表現するための複合バックグラウンド関数(NRANGE = 3)に関する不具合を解決しました。R因子が多かれ少なかれ下がるはずです。たとえば配付ファイルに含まれている[Cr(C7H8)2]C60のリートベルト解析の場合、

Rwp: 10.5 % (GSAS) → 6.77 % (RIETAN-FP v1.57b) → 6.66 % (RIETAN-FP v1.58b)
RB: 26.5 % (GSAS) → 4.03 % (RIETAN-FP v1.57b) → 3.40 % (RIETAN-FP v1.58b)
RF: 17.6 % (GSAS) → 3.91 % (RIETAN-FP v1.57b) → 3.27 % (RIETAN-FP v1.58b)

というようにR因子が低下しました(GSASは文献記載の値)。放射光ユーザーにとっては、必要不可欠な新バージョンといって過言でありません。

第三に、RIETAN-FPのマニュアルRIETAN-FP_manual.pdfを加筆しました。ついに160ページに達しました。第一の新機能については、このマニュアルの8.8.5をお読みください。

これらの改訂を受け、公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の参加者向けページ(関係者にはURLを通知済み)で配付しているRIETAN-FPのアーカイブファイルを更新しておきました。

RIETAN-FP v1.58bのテスト中に、VESTA v1.0.3bでは、*.lstからβijを正常に入力できないことが判明しました。この不具合を解決したWindows用VESTA v1.0.4bを門馬綱一君がリリースしてくれました。v1.0.4bでは、The EXCITING FP-LAPW Code(すごい呼称!)が出力するファイルGEOMETRY.OUTを読み込めます。

このようにRIETAN-FPとVESTAは、いずれも着実にブラッシュアップされています。一方、もう大分進捗していなければならない仕事が遅々として進んでいません。焦燥感が募ってきました。頭の切り替えが遅く、集中力に欠けているため、時間が細切れの現状では、さっぱりはかどらないんだよなぁ。

■ 2007年10月29日(月) Mac OS X v10.5 Leopardの必要システム条件

自宅Macのスペックは

なので、ゆうゆう合格。Leopardにアップグレードすることに決定しました。

ついでながら、当ホームページの訪問者が使用しているOSの割合は最近、

の範囲に落ち着いています。これらの数字を示せば、私がWindows用のRIETAN-FPしか開発しようとしないのを手抜きと誹る人は、まず現れないでしょう。Java排斥主義者の私にとって、マルチプラットフォーム化は、恐ろしく手間がかかる汚れ仕事なんです。超現実主義者たる私は、Macのエンスーではあるものの、勝ち馬にしか乗る気がありません。ましてIntel Macでは、再起動さえ厭わなければ、Windows XP/Vistaがそのまま動くのですから。LeopardのBoot Campはビリーズブートキャンプに比べれば、肉体的には楽なもんです。

ところで、Windowsの世代交代はさっぱり進んでいませんね。アクセス解析によれば、XPが依然として85 %を占めており、Vistaの普及率はたった6 %です。メリットよりデメリットの方が多いですからね。不運にもVistaがインストールされた低価格PCを買ってしまった人は、XPにバージョンダウンするのが賢明です。高級機を購入したお金持ちは、その限りでありません。

■ 2007年10月30日(火) Mission impossible

公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の事務局から、あと10名ほどで登録を締め切るとの連絡が入りました。聴講希望者は至急、参加登録されるようお勧めします。

昨年12月18日に同じ会場で催した第3回データ解析技術研究会は、あっさり定員に達しました。あぶれた方々のために、今年の3月5日にNIMSでほぼ同じ内容のアンコール講習会を開催し、両者合わせて約200名もの参加者を集めました。もっとも、それらはお得意の粉末回折と3D可視化に関する講演会で、RIETAN-FPとVESTAの自作自演も含んでいましたから、人気沸騰は目論見通り。

一方、今回の公開セミナーのタイトルは意表を突いた「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」—— 正直言って、これほど多くの人々が集まるとは夢にも思いませんでした。想定外です。

しかし、呼び込みの達人として名を馳せても仕方ないですし、より優先度の高い仕事に集中したいので、来年以降、催し物の企画立案は極力減らしたいです。気が散ると同時に消耗するからです。それがお前のミッションだと言われれば、返す言葉がありませんが。

遅かれ早かれ "Mission impossible!" と叫ぶような気がします。

■ 2007年10月31日(水) 赤毛ちゃん倦怠期

AKGのヘッドホンK414Pを手に入れてから3週間たらず、早くも浮気の虫が騒ぎ出しました。Bose TriPort TP1SBやBang & Olufsen Form 2あたりはどうでしょうか。手頃な値段なので、もう一つくらい買ってもいいんじゃないかな。

■ 2007年11月1日(木) 新記録樹立

先月の当ホームページの月間アクセス数が過去の最高値を上回りました。しかし、10月の掲示板を眺めても、とりたてて有益な情報や興味深い記事は見当たりません。このところ最重要な仕事が一向にはかどらない上、様々なプレシャーをかけられ、相も変わらず体調不良で、ストレス溜まりまくり感が強いです。鈍いうめき声はいくら押し隠したところで、どうしても文面に表れます。その辺が読み取られてないのかなぁ.

金の斧がどうの、赤毛がどうの、小林聡美の■ー■がどうの、賞味期限切れがどうの、ガッキーのカレンダーがどうの、といった与太話が受けたんでしょうか(汗)。だとしたら不本意ですよ、ホント.

■ 2007年11月2日(金) 本音丸出し

古い話です。某プロジェクト(匿名希望)に成り行きで組み込まれそうになったことがありました。どうみてもお金と時間の無駄としか思えないようなショボいヤツでした。鬱陶しくて仕方ありません。我慢ならねぇ。ある日、意を決し、そのプロジェクトを取り仕切っているエラいお方に電話しました。

泉: なんで、あんなくだらないプロジェクトに入らならなきゃいけないんですか。バカバカしくて、やってられません。
エラいお方: 私だって、好きでやってる訳じゃありませんよ。上から言われたから、仕方なくやってるだけです。
泉: ・・・

ということで、半ばけんか腰の私はヘナヘナになってしまいました。好きでやってる訳じゃない —— 目から鱗が落ちましたよ、あの身も蓋もない一言で。あの方のお名前は忘れましたが、とうにリタイアされたんだろうなぁ。

今の私は、本当に自分がやりたいことをやっているんだろうか、と自問自答しているうちに、上述のサムい対話を思い出しました。やりたいことをやってないなぁ、あまり楽しくないもの。それじゃ、お前は何が楽しいのか、と問われても、答えに窮してしまいます。この年になると、もう楽しいことなど思い浮かびません。心身ともにヘタっていて、趣味に興じる元気すらなし。鬱。

■ 2007年11月3日(土) いよいよ満員男の異名が ・・・

公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の事務局によれば、同セミナーは定員まで後1名を残すのみだそうです。無届けのキャンセルが必ず出ることを考慮し、若干名の参加登録を受け付けた後、締め切ることにしました。

なお、RIETAN-FPの配付ファイルなどをダウンロードするためのWebサイトには、私の講演の最後でお教えする「呪文」をURLとして入力すればアクセスできます。参加者の方々はご承知ください。

これまで私が企画立案したデータ解析技術研究会(およびアンコール講習会)の群を抜く人気の高さは、一般ユーザーは、莫大な国家予算が投入されたJ-PARCやそこに建設される高価な装置群よりは、むしろデータ解析・可視化・シミュレーションなどの高度なソフトやそれらの利用法についての情報を入手したがっているという私の持論を見事に実証しました。もっぱら装置建設に注力している中性子散乱施設の関係者にとっては「不都合な真実」でしょうが、解析技術・ソフトの開発者たる私は大いに勇気づけられました。

■ 2007年11月4日(日) Open Watcomの更新

DVSCATのビルドに使われているOpen Watcom v1.7a(正式版)がリリースされました。

■ 2007年11月5日(月) Mac OS X Leopard

自宅iMacにLeopardを上書きインストールしました。とくにトラブルもなく完了。

さほど重くなったとは感じられません。アプリケーション・フォルダ中のファイル・フォルダをCover Flow(エンターテインメント性抜群!)で表示している際のスクリーンキャプチャがこれです。年増女の厚化粧のようにド派手なデスクトップに接すると、清楚なTigerがなつかしく思えてきます。

テキストエディットでiDisk上のHTMLファイルを編集中に、しばらく反応しなくなることがあります。そこで、Jedit Xを代わりに使うことにしました。

Mac OS X用VESTA v1.03bは問題なく動きます。なお、VESTAを起動するたびにウィンドウサイズが少し変わるという不具合はwxWidgetsのバグに起因しており、Leopardに始まったことでありません。ツールバー右上のボタンをクリックすれば、前回終了時のサイズに復帰することを指摘しておきます。

■ 2007年11月6日(火) このところ鬱々として楽しまないので、

久しぶりに映画でも観て気晴らしするか、と思い立ちました。ところが近所のシネプレックスつくばでは、オイラが観たいのをやってません。シネプレックス水戸ではちゃんと上映してるというのに…

恋空」じゃありませんよ。ケータイ小説が原作なんて代物はお断り。第一、ガッキーの主演作なんて、恥ずかしくて切符を買えません。「自虐の詩」です、観たいのは。

仕方ない、DVDが出るまで待つことにしましょう。

■ 2007年11月7日(水) Civicに乗り始めてから、ちょうど12年

実に頑丈なクルマでした。1年後の車検までこれに乗るとして、次はどうしようか。クルマには無頓着で、見栄っ張りでもない私には、1300 cc程度のベーシックカーで十分でしょう。となると、フルモデルチェンジしたばかりのFitがいいかな。いや、ガソリン価格の高騰が止まらない昨今、いっそ軽自動車にしたらどうだろうか。

今やカーナビを装備するのは常識のようです。しかし、まず遠出などしない私には、無用の長物でしょうね。

まあ、一年後に悩むことにしましょう。

■ 2007年11月8日(木) お知らせ2件

本掲示板は、時に第三者のための広告塔と化すことがあります。宣伝手段として威力を発揮するかどうかは定かでありませんが。

本日は、中井 泉日本結晶学会・行事委員長の依頼により、日本結晶学会講習会「粉末結晶解析・蛋白質結晶解析への直接法の新展開」(東京:12月10・11日、大阪:12月13・14日)の開催についてお知らせします。同講習会では、直接法の世界的権威であるC. Giacovazzo先生が粉末X線回折データからの未知構造解析とタンパク質の結晶解析、ご自身が開発されたソフトウェアについて講義されます。詳細については、これをお読みください。

ご存じのように、RIETAN-FP・VENUS統合支援環境からは、Giacovazzo先生のグループで開発された粉末結晶構造解析システムEXPO2004も起動できます。初日の講義では最新版のEXPO2007について述べられます。我が国でGiacovazzo先生自らの講義を聴講できる機会は滅多にないので、RIETAN-FPやVENUSのユーザーは奮ってご参加ください。

なお、公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」(11月19日)は定員を超過したため、参加登録を締め切りました。目標の倍近くの参加者が集まりました。茨城県中性子利用促進研究会の個別研究会がこれほど盛況になるのは希有なことであり、企画立案した者としては嬉しい限りです。当日のご来聴をお待ちしております。

■ 2007年11月9日(金) 公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の参加者の方々へ

Intel Visual Fortran For Windowsがv10.0.027からv10.1.011にバージョンアップしたので、RIETAN-FP v1.58bを再ビルドし、一部更新したRIETAN-FPのマニュアルRIETAN-FP_manual.pdf(161ページ)とともにアーカイブファイルに圧縮し、公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の参加者がダウンロードできるようにしました。前にもお知らせしたように、このWebページにアクセスするための呪文は私の講演の最後でお教えします。

坂根弦太氏が作成・配付しておられるDVSCAT、VESTA、DV-Xα法計算支援環境の初心者向き説明書が「DV-Xα法計算支援環境利用の手引き」と名を改め、更新されました。130ページもの大作です。坂根氏は上記の公開セミナーに遠路参加されますが、「DV-Xα法計算支援環境利用の手引き」を印刷し、参加者全員に配付してくださるそうです。21部しか残っていないRIETAN-FPのマニュアルの方は、希望者に先着順でお渡しします。

昨日、森分博紀氏のご講演で使うPowerPointのファイルが届きました。これまたスライド枚数63の労作で、三つのオリジナル論文のPDFファイルまで付属しています。VASPを中心とするバンド計算ソフトに関する貴重な情報源となるに違いありません。高谷 光氏のお使いになるPowerPointファイルとともに1/4縮尺印刷し、当日、参加者全員に差し上げます。

上記のように、私の企画した個別研究会はサービス精神と豊富なお土産で他の研究会を圧倒しています(11月3日参照)。ただ講演を謹聴してお終いでは、わざわざ足を運ぶ気がしませんよね(まして茨城北部まで)。講演を聴いただけでは、後にほとんど残らないということを、私は過去の経験から学び取りました。この認識が成功の基です。掲示板効果と中性子隠し? うん、確かにそれらも功を奏してるな。中性子散乱のマーケットは狭小ですから、中性子隠しは(人集めのための)必要悪です。

私はデータ解析技術研究会のメンバーですらない上、年も年ですから、長く同研究会のため尽力する気は毛頭ありません(10月30日参照)。11月19日の公開セミナーをもって一丁上がりにします。これで、延べ300人を超える人々を同研究会(+アンコール講習会)に引き寄せたことになります。並の個別研究会の10回分に匹敵しますよ、この数字は。ここまで茨城県のために尽力したのですから、「もっと頑張れ」と強制されたりはしないでしょう。後は若い世代、とくに茨城県から研究資金を調達した中性子回折の専門家に託すのが筋です。NIMS以外の方々でも、一向に差し支えない訳ですから。こういうふうに一つずつバトンを渡していかないと、身が持ちません。

■ 2007年11月10日(土) 出たがりにあらず

某巨大国際会議の某microsymposiumのchairmanを務めることになっているのですが、最近ようやく3人の招待講演者と講演タイトルが確定し、ほっとしました。日本人の招待講演者はいませんでした。

ここまで漕ぎ着けるのに、co-chairmanらとともにどれだけメールをやりとりしたことか。国際電話まで2回かけたんだよね。かなり消耗しました。

この一二年、講演会やら講習会やら、種々の研究集会に振り回され通しです。先日、とある人と夕飯を食べた折、「以前の泉先生は人前に立つのを嫌っていたのに、近頃、むしろ逆になったのはどうしてですか。」と聞かれました。私の答えは、「自発性はありません。以前から、依頼には原則として応じるという方針に従ってきたんですよ。超伝導フィーバーの最中には、2週間に1回くらい講演した時期もありました。最近、たまたま依頼件数がぐっと増えただけです。」

まさにその通り。研究者としての責務として要請に応えたまでのこと。人が大勢集まる場が苦手で、弁舌さわやかでないのは相変わらずです。人見知りがひどく、引っ込み思案で、シャイな性格が今更変わるはずもありません。

では、なぜ最近、依頼が急増したのか —— 不可解です。大衆的な人気が高いのは自覚していますが、その理由もよくわかりません。

ともあれ、来年以降は自分に残された時間を斟酌して依頼を選別します。昨日記したように、11月19日の公開セミナーをもってデータ解析技術研究会からは卒業します。

■ 2007年11月11日(日) 「働かざる者 食うべし! 自由人の挑戦」

という刺激的なタイトルを掲げ、700万円を元手に株式投資で生活費を稼ごうという世捨て人の庵各月の売買成績を拝見したところ、ほとんど儲かってないじゃないですか。人を使わず、人に使われない人生 —— 誠に結構な生き方ですが、なかなか思い通りには行かないようです。

一般に、(資本を)持たざる者にとって、濡れ手に粟の大もうけは至難の業です。古くは、井原西鶴も「古代に替わり、銀が銀もうけする世と成りて、利発才覚のものよりは常体の者の、質(もとで)を持たる人の利得を得る時代にぞ成りける。」(西鶴織留六)と嘆いています。

私は蓄財にまったく関心がありません。わずかばかりの資産とはいえ、こんなに無為無策でいいんだろうか、と自問自答することが稀にあります。あり余るほど獲得した外部研究資金の一部を投資信託に振り向けていた元早大教授のM女史に叱られそうです。お金のこととなると抜け目のない人だよなぁ、まったく。

しかし、私にとって利殖に走るのは面倒なだけ、空しいだけです。大体、儲けた金を何に使うのか。衣食住は質素で結構。贅沢とは無縁で、ブランド品になんの魅力も感じません。外国旅行はもう沢山です。

自分なりに苦労して作成したプログラムを無料で配布し、最近は講演・講義の謝礼やわずかばかりの印税さえすべてソフト開発経費につぎ込んでいる私に、利殖ほど似合わないものはありません。無頓着、放置プレイのまま、お迎えが来るのを待つことにしましょう。

■ 2007年11月12日(月) 二つ目のpptファイル

公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」における講演のために高谷 光氏がお使いになるPowerPointのファイルを受け取りました。3Dグラフィックの図が数多く含まれているため、35.5 MBもあります。さっそく印刷に回しました。

高谷・森分両氏のpptファイルをざっと眺めただけで、非常に充実した講演会として好評を博することを確信しました。それぞれGaussianVASPを用いる電子状態計算についての初歩知識を仕入れるのに役立ちます。

じゃあ、お前の講演はどうなんだ、とツッコミが入るかもしれません。私はあくまで前座にすぎません。訥弁な上、講演時間も短いです。あまり期待しないでください。

それよりも、坂根弦太氏が印刷・配付して下さる「DV-Xα法計算支援環境利用の手引き」は圧巻ですので、後日、それを丁寧に読むようお勧めいたします。

■ 2007年11月13日(火) 自宅iMacにインストールしたLeopard、その後

とりたてて重くなったとは感じません。ホームユースには1 GBのメモリで大丈夫。スーパーヘビー級に成り果てたWindows Vistaとは大違いです。

iDisk関係の不具合が二つあるのに気づきました。Finderウィンドウ内でiDiskを選択して取り出すと、そのウィンドウがしばしば消えてしまいます(Dock中のFinderをクリックすれば復活)。また、iDiskにしばしばアクセスできなくなります。その場合は、再ログオンするしかありません。

大辞泉」、「プログレッシブ英和中辞典/和英中辞典」、「使い方の分かる類語例解辞典」(いずれも小学館)を収録した辞書は実に便利です。なんとWikipediaにまでアクセスできます。

■ 2007年11月14日(水) 繊細な神経の持ち主が生き抜いていくためのノウハウ

国立大学や国立研究所が法人化してからは、やたらに数値データとしての実績が重視されるようになりました。論文数はもとより、引用回数、大学院の定員充足率、博士号取得者数、獲得外部研究資金、(国際会議での)招待講演数、受賞などが評価の対象です。組織だけでなく、個人としても申し分のない数字を達成することが要求されています。

先週、自分の論文の総引用回数を某書類に記載する必要に迫られ、泣く泣く調べました。ISI Web of Scienceに登録されている全発表学術論文の被引用数の合計は6,829でした。2月3日時点では6,380でしたから、約9ヶ月後に449だけ増えた勘定になります。7,000を突破するのは間近です。なお、RIETAN-2000を利用して得た結果を発表するとき引用すべき例の論文は、被引用数625でした。

上述のように、本掲示板には論文の引用回数やら研究会・講習会の参加者数やらが時折書き込まれますが、これはけっして自慢するためでありません。先の短い私が今更そんなことを誇ったところで、何の足しにもなりませんよ。

一つにはネタ切れ対策の埋め草としています。毎日途切れずに書き続けるには、充填剤も注入するしかありません。もう一つの目的は、自分が意気消沈し、自信を喪失するのを防ぐためです。弱い犬はよく吠える —— 精神的に落ち込まないように吠えているだけです。

かつての活力が失われつつあり、山積みの仕事でいっぱいいっぱいの私は、鬱状態になるのを本気で警戒しています。そういう羽目に陥らぬよう、日頃から注意を怠りません。リスクヘッジのため、なんとiPodまで活用してるんですよ。"大塚 愛"というプレイリストには「さくらんぼ」、「SMILY」、「PEACH」という脳天気極まりない三曲が入っています。多少なりとも落ち込んだ時これらを聴けば、ブルーな気分などどこかに吹っ飛んでしまいます。へたをしたら、常態を通り越して躁状態になりそうです。

計550円(iTunes Store)の出費で精神的安定性を保つ —— 安いもんじゃないですか。お試しあれ。

ところで、アーティストの下に"大塚 愛"という同一内容の項目が二つ現れるのはなぜでしょうか。他のアーティストは一つだけなんですが。"復元"をクリックし、工場出荷状態に戻しても効果なし。これを一つにまとめる方法を教えてくれた人には、RIETAN-FPだろうがVENUSだろうが、喜んでサポートしますよ、give and take成立ということで。

■ 2007年11月15日(木) New Algorithms for single crystal and powder diffraction

今日届いたInternational Union of Crystallography (IUCr) NewsletterにXXI IUCr Congress(2008年8月23〜31日)のSecond Announcementが掲載されていました。そこに明記されている通り、私は8月24日午前のmicrosymposium "New Algorithms for single crystal and powder diffraction"のchairmanを務めます。Co-chairmanはRichard Cooper博士(Oxford)です。9月20日11月10日に記した国際会議とは、これのことでした。

すでに決定した招待講演3件のほかに、私とCooper博士が一般講演の中から口頭発表(発表25分、質疑応答5分)2件を選定することになっています。本国際会議に出席される方はぜひご来聴ください。

■ 2007年11月16日(金) タブモード付きSDIウィンドウの強み

公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」での講演に使うPDFファイル(23.4 MB)が完成しました。同セミナーの参加者がダウンロードできるようにしておきました。

同ファイルの作成している際、後出しのDV-Xα法計算支援環境の方がRIETAN-FP・VENUS統合支援環境より出来がいいな、と改めて感じました。後者はVESTA関係のボタンやメニューが多すぎて、ごちゃごちゃしています。いずれなんとかしましょう。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境はほとんど独断で作成したのに対し、DV-Xα法計算支援環境の製作にあたっては、DV-Xα法のパワーユーザー兼eduDVの作者である坂根弦太氏の意見や要望をできるだけ取り入れました。実質的に共同作業のようなものでしたね。完成度が高いのはそのためです。

ご存じのように、両支援環境はTeXShopに触発されて開発しました。秀丸エディタのタブモード付きSDIウィンドウのおかげで、デスクトップが複数のウィンドウで散らかったりはしません。単一ウィンドウのタブをクリックするだけで、表示ファイルを切り換えられる点で、両支援環境はTeXShopに優っています。

■ 2007年11月17日(土) 自分らしく生きる

長い人生では、どちらの道を選ぶか、判断に迷うことが多々あります。iPod nano/touchのいずれを購入するか、ドコモのケータイを機種変するときバリュー・ベーシックコースのいずれを選ぶか、スタンダード・デラックス版DVDのどちらを買うか、トイレットペーパーをシングルにするかダブルにするか、などなど。両方を選ぶわけにはいかない、選択肢を誤る、どちらを選んでも後悔する、そんなことだらけです。

二者択一を迫られると、私はそれぞれについて具体的なメリットをいくつか挙げてみます。そして、どちらに転んでも自分が得をすると思い込むよう努めます。実際に一方を選択した後は、巧妙に立ち回り、自分の都合の良い方向にもっていきます。これが私の処世術です。いつもうまくいくとは限りませんが、最低限、帳尻を合わせるべく努力します。

茨城県中性子利用促進研究会・データ解析技術研究会の場合は、メンバーになるのは敬遠するが、実質的に関与・貢献するという苦渋の決断を下しました。講演・講義の依頼には応じるというスタンスです。そして、ぶっちぎりの集客力を見せつけ、アンコール講習会までやってのけ、トライアルユースには欠かせないRIETAN-FPとVESTAを宣伝しまくり、果ては専門外の電子状態に関する公開セミナーでも満員御礼をあっさり達成した後、もうデータ解析技術研究会、ひいては中性子利用促進研究会からは足を洗うと電撃的に宣言しました。腐れ縁を断ち切った上での勝ち逃げ。失礼ながら、私が集めたお客様を雨滴にたとえれば、閑古鳥が鳴きまくっている中性子利用促進研究会にとって干天の慈雨となったでしょう。実に鮮やかな身の処し方だったと自負しています。Positive thinkingとgimmicの調和といって過言でありません。

「気の進まない仕事でも、押し付けられたことでも、自分のやり方でやり通す。それが自分らしく生きるってこと。」—— 私はこのセリフ通りに振る舞っただけです。多くの人々を引き寄せるだけでなく、お気楽ドラマを漫然と見ることなく、そこから教訓を引き出す力まで備えている(2005年11月30日参照)ことを誇りに思います。

■ 2007年11月18日(日) タブチラ撲滅記念日

明日開催する公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」では、DV-Xα法計算支援環境上でベンゼンの分子軌道計算などを実演します。その準備をしている過程で、8ヶ月間にわたり悩まされてきた支援環境の些細な欠陥を取り除くテクニックを思いつきました。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境とDV-Xα法計算支援環境では、オープンされている全ファイルに個別のタブが割り当てられます。秀丸マクロが終了した後、当該マクロ中で最後に開いたファイルが表示されるとは限らないので、最初はステルスモードで、次に通常モードで読み込むようにしていました。ところが、そういう対症療法を施すと、再入力したファイルのタブが右端のタブの横に一瞬表示されてしまうのです。凝り性の私は、この瑕疵が気になって仕方なかったのですが、手をこまねいておりました。

パ●チラならぬタブチラ問題がついに解決したので、近日中に両支援環境をバージョンアップします。

■ 2007年11月19日(月) 公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」無事終了

ご参加いただいた方々に厚く御礼申し上げます。望外の盛会(講師なども含め103名)となったのは嬉しい限りです。

私のPCが液晶プロジェクターにうまく接続できなかったのには参りました。ビデオ出力に関係する部分が故障したのかもしれません。講演に使うPDFファイルをUSBメモリに記録して持参していたので、事なきを得ましたが、実演ができなかったのは残念でした。

RIETANのユーザーである京大の方から阿闍梨餅をいただきました。直接お礼を申し上げられなかったので、この場を借りて謝意を表しておきます。

なお、高谷 光氏がPowerPointファイルから変換したPDFファイル(11.6 MB)を送ってくださったので、参加者向けダウンロードWebページからダウンロードできるようにしておきました。

本公開セミナーを最後に、私はデータ解析技術研究会と縁を切ります(11月9日11月17日参照)。トライアルユースの無償サポートも終了です(有償なら話は別)。これで肩の荷がまた一つ下りました。

■ 2007年11月20日(火) 高圧誘起電子密度変化

Commission on Crystallographic Teaching, IUCrのニュースレター、No. 2に"Maximum Entropy Method - A Tool for Complete Structural Characterization of Crystalline Compounds"と題するレビューが掲載されました:

RIETAN-2000PRIMAVESTAの組み合わせを使ったMPF解析の例として、高圧下の包接化合物Ba8Si46における電子密度分布の変化に関する研究が紹介されています。Steacie Institute for Molecular Sciences(カナダ)における研究の成果です。原著論文は以下の通り:

Windows用に引き続き、Mac OS XとLinux用のVESTA v1.04bがリリースされました。Mac OS X版では、起動のたびにウィンドウのサイズが少しずつ変わるという不具合が解消しました。

■ 2007年11月21日(水) 二つの支援環境の更新

タブチラ問題が解消したRIETAN-FP・VENUS統合支援環境とDV-Xα法計算支援環境を同梱した配付ファイル二つをアップロードしました。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境とRIETAN-FPのマニュアル(RIETAN-FP_manual.pdf)の改訂版を含む配付ファイルは公開セミナー公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の参加者用Webページからダウンロードできます。RIETAN-FP_manual.pdfの修正にあたっては、名大の長崎正雅氏の貴重な示唆を反映させました。

DV-Xα法計算支援環境の改訂版を含むアーカイブファイルDV-Xa.zipはVENUSのWebページで配付しています。

なお、RIETAN-FP・VENUS統合支援環境から起動できるcharge-flipping法プログラムSUPERFLIPがv11/20/07にバージョンアップしていました。同支援環境上でSUPERFLIPをお使いの方はこの最新版に更新してください。

Jedit X Rev.2 パブリックベータが公開されました。時流に乗って、ついにタブ付きウインドウを実現したんですね。しかし、自ら両支援環境をJedit X上に構築する余裕はありません。どなたかチャレンジしませんか。

■ 2007年11月22日(木) 追加修正

昨日に引き続き、公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の参加者用Webページで配付しているRIETAN-FPのアーカイブファイルを更新しました。RIETAN-FP_manual.pdfをほんの少し修正しただけです。

■ 2007年11月23日(金) ダブルネーム問題、一件落着

11月14日に書き込んだ、"大塚 愛"がiPodに二人出現するという障害が解決しました。阪大のM2学生がこれを読むといいですよ、と教えてくれました。そこに書かれている通りでなく、"プロパティ"でなく"情報を見る"で"大塚 愛"→"大塚愛"とし、最後に"大塚 愛"に戻してからiPodと同期させたところ、見事一つにまとまりました。"大塚 愛"に戻さないとダメな理由は不明です。

動作確認のため「SMILY」を聴いているうち、

形のないもの だからおもしろくて 大切にする
今までにない 幸せ者になる

というパートに心打たれ、思わずほろっとしてしまいました。陽気な曲なのにね。

この学生は自分がiPodをもってないのに、わざわざ私のために調べてくれたのだそうです。iPod用ヘッドホンのAKG K414Pも、別なM2学生が友達から聞き込んでくれた情報に基づいて購入しました(10月4日参照)。ヘッドホンについては、他にも三人の方々からメールがいただきました。19日の公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」でも、京大の方からおみやげを頂戴したばかりです。

若い人たちが手間を惜しまず私にコンタクトしてくれるのは、私が10年ほど前からソフトウェア開発に専念し、その産物(RIETAN-2000VENUSなど)を無償配付するとともに、Web、講習会、講演会、書籍などを通じて有意義な学術情報を発信し続けたからでしょう。確かに私は形のない科学技術計算プログラムを作るのがおもしろくて、他のすべてを投げ出し、ひたすらプログラミングだけを大切にしてきました。だからこそ、数多くの研究成果に貢献し、知名度に加え人を引き寄せる力も獲得したのです。11月20日に紹介したレビューの筆者も、オタワ大学博士課程の学生のようです。

もちろん取るに足らないソフトだったら、洟も引っかけられませんよ。ユーザーのハートをがっちり掴んだということでしょう。

「幸せ者」じゃないですか、私は。普通だったら「レームダック」、「濡れ落ち葉」、「粗大ゴミ」として朽ち果て、ほとんど忘れ去られてる頃なんですから。若者に人気があるのは、とりわけ誇るべきことです。

■ 2007年11月24日(土) 定番アーカイバのバージョンアップ

最近は、もっぱらLhaplusでzip形式の圧縮ファイルを作成しています。最新版のv1.56では、LZH形式ファイルの解凍時にバッファオーバーフローが発生する不具合がなくなりました。

現在、一から設計し直した新バージョンを作成中とのことです。

■ 2007年11月25日(日) SSCEDにおけるVESTAの利用

産業技術総合研究所 ユビキタスエネルギー研究部門 燃料電池機能解析研究グループが公開している電気化学デバイス用導電性固体材料データベース(SSCED)では、導電性固体のCIF(Crystallographic Information File)をダウンロードできます。

VESTAに三つの酸化物のCIFを読み込ませ、結晶構造を3D表示するための手続きがSSCEDのヘルプに詳述されています。VESTAによる結晶構造模型作画のレッスンにも役立ちます。

ATOMS、CrystalMaker、Diamondなどの商用結晶構造作画プログラムは、電子・原子核密度分布を3D可視化できないところが発展性に欠けています。これは致命傷といって過言でありません。また、PRIMAのようなMEM解析プログラムや電子状態計算システムとの連携も不可能です。導電性固体の結晶・電子構造の研究にVESTAを積極的にお使いいただければ幸甚です。

■ 2007年11月26日(月) 自作禁止令

Jedit XがRev. 1.45にバージョンアップしました。

本掲示板に書き込む際には、Jedit XでHTMLファイルindex.htmlを直接編集しています。種々のタグを手で打ち込むのは面倒な上、入力ミスしやすいので、時代工房提供のJedit X AppleScript Macro Collection for HTMLというAppleScriptマクロ集の一部を使うことにしました。

これは便利だ!とくにアンカー入力の能率が劇的に向上しました。しかし、かつて慣れ親しんだAppleScriptへの再挑戦、すなわちRIETAN-FP・VENUS統合支援環境の構築は控えておきます。いったんこれにトラップされたら、数ヶ月は抜け出られなくなりますから。

■ 2007年11月27日(火) ねじれ角 → 二面角

公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の参加者用Webページで配付しているRIETAN-FPのアーカイブファイルを更新しました。RIETAN-FP_manual.pdf中で、「ねじれ角」を「二面角」に書き換えました。両者は互いに定義が異なっており、ねじれ角は時計回りか否かによって正負の値をとるのに対し、二面角は常に正です。RIETAN-FPとVESTAでは二面角を計算しているため、厳密な記述に改めたことになります。

執筆後、約1年を経て、RIETAN-FP_manual.pdfの完成度はますます高まってきました。

■ 2007年11月28日(水) PCのご機嫌回復

公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」で、私のノート型PCが液晶プロジェクターに正常に接続できなかった件(11月19日参照)が気になり、そのPCに液晶ディスプレイをつないでみました。案の定、問題なくクローン表示できました。あの接続トラブルは、「もう●●●●●●●●●●は切り捨てなさい。」という天の声だったようです。仰せに従い、容赦なく縁を切りましたので、件のPCは今後、上機嫌で働いてくれるに違いありません(笑)。

同セミナーに参集していただいた103名の方々の前で両支援環境を自作自演できなかったのは、誠に残念でした。しかし所詮、私は前座に過ぎなかったので、誰も気に留めはしないでしょう。

某参加者曰く「こんなに大勢、人が集まっても、パルス中性子に興味がある人はほんの一握りですね」。当方の関知するところでないので、コメントは差し控えます。

■ 2007年11月29日(木) MacNote2

最近、Mac OS X用ノートパッドソフトMacNote2を購入し、試用し始めました。Mac OS Xとの親和性の高いCocoaアプリケーションなのが嬉しい。

最新版v2.7のバグを作者に指摘したところ、バグフィックスしたベータ版v2.7.1をメール添付で送ってくれました。これほど迅速な対応は初めてだなぁ。

Universal版がリリースされる気配がないNewNotePad Proには愛想が尽きたので、徐々にMacNote2に乗り換えていきます。Macユーティリティでは、すでに両者を入れ換えました。

■ 2007年11月30日(金) wxWidgets v2.8.7

VESTAのGUI構築に使用しているクロスプラットフォーム・ツールキットwxWidgetsがv2.8.7にバージョンアップしました。v3.0へのメジャーチェンジも控えており、今のところ将来性に不安はありません。

VESTAの俊敏さと軽さを享受すると、JavaやJava 3Dのような邪道的テクノロジーに見向きもしなかったことがいかに賢明であったかを痛感します。結晶構造模型と等値曲面を単一ソフトで扱えるにもかかわらず、VICSあるいはVENDよりずっと軽快に動くのですから、大したものです。アンチJava派の私としては、得意満面です。起動が遅く、かったるいJavaソフトなんて、長く愛用する気になりませんよね。使い捨てソフトなら構いませんが。

VESTAは英文マニュアルさえ出来上がれば、正式版と名乗って恥ずかしくないくらいまでに作り込まれています。早くマニュアルを執筆したいのは山々ですが、その時間的余裕がありません。来年中にはなんとかするつもりです。当面はVICS・VENDの英文マニュアル、Commission on Crystallogr. Comput., IUCr Newslett., No. 7に掲載された英文レビュー、「三次元統合可視化システムVESTA の新機能について」という日本語文書を参照してください。

■ 2007年12月1日(土) 昔日の勢い、今いずこ

「実験化学講座」11巻(物質の構造 III 回折)は在庫僅少のため、重版となるそうです。9,135円の本がよくそんなに売れたなぁ、と驚きました。

同書の4章を執筆した際、私は勢い余って約75ページ分を書き上げ、メタボリック症候群に罹った原稿と図表をそのまま提出しました。日本化学会編、丸善発行、ハードカバー、第5版 —— いかにも権威ありそうな謳い文句が四拍子揃っている上、一章丸ごと執筆となると、怠け者の私も張り切らざるを得ず、筆が走りすぎたのです。

当然、編集委員から大幅なページ数削減を申し渡され、泣く泣く55ページにまで減量しました。知悉しているはずのTOF粉末中性子回折に関する記述に欠けているのはそのためです。

2004年当時の私は、それくらいエネルギーに満ち溢れていたのですね。今やその活力は、ほとんど失われてしまいました。

たとえば、かつての私は他人の書いた論文やレビューなどをみっちり添削しました。共著者はよくご存じのはずですが、英文のブラッシュアップにはとりわけ力を注ぎました。そこまで凝る気力はもう残っていません。手間と時間がかかり面倒なだけでなく、自己満足に過ぎないという苦い思いと賽の河原に石を積んでいるような空しさが残るからです。所詮、住んでいる世界が違うのです。

何を言わんとしているのか理解できさえすれば、多少拙い文章でも構わない —— 最近はこう割り切り、数年前とは比較にならないほど手を抜いています。投げやりな態度といってもよいでしょう。それでとくに支障を来していないのですから、以前の努力は徒労に過ぎなかったのかもしれません。

■ 2007年12月2日(日) 今、結晶学の分野で一番ホットな話題

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境からはチャージ・フリッピング・プログラムSuperflipと電子密度マップ解析プログラムEDMAが起動でき、それぞれが出力した電子密度ピクセルデータとCIFVESTAで3D可視化できます。すべて秀丸エディタから抜けることなく安定・確実に実行可能なため、スムーズに解析が進行します。

今年の2月にチャージ・フリッピングに関する記事がScienceに掲載されていたので、ここで紹介しておきます:

■ 2007年12月3日(月) RIETAN-FPの配付ファイルをアップデート

公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」の参加者用Webページで配付しているRIETAN-FPのアーカイブファイルを更新しました。RIETAN-FP_manual.pdfを加筆・修正しただけです。LaTeXで執筆した英文マニュアル以外の箇所にも、しおりを付けました。

12月14日に東京で開催されるHERMES・HRPD合同研究会「定常炉粉末回折装置の将来像を考える」(代表世話人:東北大金研、大山研司)の参加者にも、このアーカイブファイルを公開することにしました。同研究会の中心テーマはMEM解析なので、私も参加します。

■ 2007年12月4日(火) リボン

Microsoft Office 2007では、プルダウンメニューとダイアログボックスに代わってリボンという新しいGUIが登場しました。リボンはボタン群をタブの下にグループ化したものです。多少の目新しさはあるものの、さほど画期的な機能とは思えません。

リボンに慣れるまでのつなぎとして、Back to 2003というユーティリティが発売されました。これをインストールすると、Back to 2003というタブが追加され、Office 2003類似のメニューとツールバーが使えるようになります。

いくら新兵器を繰り出したところで、根本的な出来の悪さと理工系文書に不向きな体質に変わりはないでしょう。門馬綱一君と相談し、VESTAのマニュアルはLaTeXで作成することに決めました。LaTeX+BibTeX習得のためにRIETAN-FPのマニュアル一式(*.tex、*.bib、*.pdfなど)を門馬君に提供しました。

ブラウザ、Office、エディタといった基幹ソフトに軒並みタブ機能が導入され、タブ付きウィンドウ全盛時代に突入しました。ご存じのように、VESTAや二つの支援環境でもタブが本質的に重要な役割を担っています。複数のファイルを扱うソフトや高機能ソフトでタブが使えないようでは話になりません。時代の波に乗り遅れなくて良かった!

■ 2007年12月5日(水) PenrynファミリーのクアッドコアCPUと聞いただけで血が騒ぐ

5400番台インテル+5400Xチップセットを採用したPCの出荷が先月末から始まりました。しばらく静観しますが、今年度中にWindows Vista 64ビット版をインストールしたPCを購入します。広大なメモリー空間を活用するアプリケーションを開発するためです。手始めにPRIMAを64ビット化し、反射数やピクセル数が非常に多いデータを解析できるようにします。このプロフェッショナル版を一般公開するかどうかは未定です。

CPUが実質4つのPCならば、鈍重さが不評のWindows Vistaでも俊敏に動くでしょう。現在使用中のWindows XP機(Dell Precision 670)のOSをVistaにバージョンアップする気は毛頭ありません。

ビデオカードはOpenGL用に最適化されたNVIDIAのQuadroにしたい。Quadro FX 1700がいいかなぁ。Quadro FXの比較表によれば、まずまずの性能が期待できそうです。

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境とDV-Xα法計算支援環境のベースである秀丸エディタが久しぶりにv7.06にバージョンアップされました。

■ 2007年12月6日(木) 個人的には毛嫌いしているのに、

勤務先を始め、あちこちでMicrosoft Officeの使用を強制されるのは、間接喫煙に似ています。はた迷惑そのもの。ストレスがたまるだけでなく、使えば使うほど脳が退化し、前倒しでボケ始めるような気さえします。やっぱりプログラマーにはLaTeXが最適だ!

とはいえ、2008年1月16日に発売されるOffice 2008 for MacはUniversalアプリケーションなので、渋々購入します。それにOffice 2007で採用されたOffice Open XML(OOXML)フォーマットのファイルを直接読み込めないと、今後、不便で仕方ありませんから。

■ 2007年12月7日(金) 最短更新記録?

バージョンアップしたばかりの秀丸エディタ、早くもv7.07がリリースされました。原因不明の異常終了を防ぐためだそうです。

■ 2007年12月8日(土) 邯鄲の夢

最近、勤務先の役員と面談したとき、かつて霞ヶ関で科学技術庁の国家公務員(上級)初任研修を一週間、一緒に受けた仲間だったということがわかりました。片や官僚、片や研究者と、違う道を歩み、30年以上経ってから再び接点が生じたのです。お互い年を取ったなぁ、と言い合いましたが、あちらは肩を叩く方、こちらは叩かれる方というように、現在のポジションの違いは大きいです。

あっという間に終着駅近くまで来てしまったという感じです。昨日は終日、残務整理に追われました。このところ、仕事らしい仕事はできていません。ただ徒に日が過ぎていきます。

降りかかってくる火の粉を振り払いつつ、おいしい話には飛びつく —— 今後はこの態度に徹します。言い換えれば、人様よりは自分のためになることに力を注ぐということです。

放射光・中性子源ユーザーに対する無償サービスの拒否(9月2日参照)や茨城県中性子利用促進研究会の切り捨て(11月17日参照)は自分の時間や興味を最優先し、「己の頭の蠅を追う」という固い決意の表れにほかなりません。それぞれ放射光・中性子源に設置された粉末回折装置を飯の種にしている方々に下駄を預けます。独法化した組織の研究者が他の組織・人によって只働きさせられるのは基本的に避けるべきです。木枯らし紋次郎じゃないですが、「あっしには関わりねえことでござんす。」

■ 2007年12月9日(日) 無実の罪?

VICS・VENDからVICS-IIを経てVESTAに至る3D可視化ソフトは、いずれもOpenGLテクノロジーに基づいています。

これらのプログラムでは、ビデオカード(チップセット)用OpenGLドライバのバグにずっと悩まされてきました。一見VESTAのせいのように見える障害の多くが、OpenGLドライバのバグに起因しています。その可能性をチェックする最も簡単な方法は、他のビデオカードを装着している複数のPCで、問題のデータを可視化してみることです。OpenGLのhardware accelerationオプションの設定をオフにして、きちんと描画するか否か調べるのもいいでしょう。

OpenGLのドライバがバグっていると判明したならば、最新ドライバをインストール済みかどうかを調べてください。ひょっとしたら、古いドライバのままかもしれません。

チップセットをマザーボードに直付けした安価なPCはとりわけ鬼門です。ビデオチップなどに重い負荷がかかるだけでなく、一般にOpenGLドライバの信頼性と性能が低いからです。デスクトップPC上でVESTAをお使いならば、適当なビデオカードをスロットに装着するようお勧めします。

VESTAのMac OS Xバージョンは比較的安全でしょう。なにしろ、OpenGLはMac OS Xの基幹的技術の一つなのですから。

■ 2007年12月10日(月) 時計の針を元に戻そうとは思いませんが、

ちょっとやりすぎたかなぁ、いや、そんなことはない、有意義なことを実践しただけだ、と自問自答している今日この頃です。

■ 2007年12月11日(火) この年になるとフェードアウトしていくのが常ですが、

どちらかというとその逆になっているのだから、異常です。一つ仕事が片付いてほっとしていると、次の話が舞い込んできます。当分、こういう状況が続きそうです。オーバーワークを避けるため、国際会議での招待講演を一つキャンセルしました。

■ 2007年12月12日(水) RIETANの解析結果をプロットするのに役立つグラフ作成プログラム

Igor Proをv6.03にバージョンアップするアップデータがリリースされました。

■ 2007年12月13日(木) RIETAN-FPの配付ファイルを更新

RIETAN-FPをv1.6bにアップグレードし、公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」とHERMES・HRPD合同研究会「定常炉粉末回折装置の将来像を考える」(12月14日)の参加者用Webページで配付しているRIETAN-FPのアーカイブファイルを更新しました。名古屋工業大学の井田 隆氏による改訂を反映させました。最近リリースされたばかりのIntel Visual Fortran for Windows v10.1.013でビルドしました。

擬Voigt関数に含まれるローレンツ分率ηの範囲0 ≦ η ≦ 1の上限を撤廃し、0 ≦ ηに変更しました。結晶子サイズ分布の広い試料では、Lorentz関数よりも尖ったsuper-Lorentz関数となりうることが理論的に証明されているためです。この制限をはずすと、最小二乗計算の過程で"An invalid Lorentzian fraction, eta ....."というエラーメッセージを出して停止する回数が減ります。

これまでPearson VII関数については、減衰パラメーターmのとりうる範囲を0 ≦ m ≦ 35に制限していましたが、m ≦ 1/2では規格化条件を満足する解が得られないことから,1/2 < m ≦ 35に改めました。

RIETAN-FP_manual.pdfも少しだけ修正しました。

■ 2007年12月14日(金) お礼参り

30数年ぶりに浅草を散策しました(10月22日参照)。コンクリート作りの浅草寺は興ざめですが、仲見世のレトロな雰囲気は悪くありませんでした。外国人が多いのには驚かされました。

■ 2007年12月15日(土) 風邪引いちまった!

昨日、浅草寺に参拝したとき、お賽銭を50円しか差し上げなかったので、観音菩薩様の罰が当たったのかもしれません。

■ 2007年12月16日(日) 20面体クラスターの構造と電子状態の圧力依存性

岡山理科大学理学部基礎理学科の森 嘉久研究室の藤井 穣君は第48回高圧討論会におけるポスター発表「α-Boronの高圧下における20面体クラスターの構造変化2」を対象としてポスター賞を受賞しました。おめでとうございます。当該ポスターはここで閲覧できます。

藤井君は高圧下で超伝導を呈するα-Boronの放射光粉末回折データをSPring-8のBL10XUビームラインで測定し、RIETAN-2000を用いてリートベルト法で解析しました。こうして得られた構造パラメーターに基づきDV-Xα法計算支援環境を使って電子状態を計算し、結晶構造と結合状態の圧力依存性について詳しく調べました。高圧下で測定したX線回折データをリートベルト法で解析した例は枚挙に暇がありませんが、電子状態計算にまで踏み込んだ研究はごく稀です。単なる構造精密化に留まらない意欲的な研究であることが高く評価された結果、ポスター賞を受賞したのでしょう。

VESTAで作成した電子密度のカラーイメージもポスター中に含まれています。VESTAは構造解析やシミュレーションの結果を三次元的に理解し、なおかつデモンストレーション効果抜群のポスター・スライドを製作するのにうってつけです。DV-Xα法計算支援環境やVESTAが高圧力科学の分野でも活躍し始めたのは喜ばしい限りです。

リートベルト法にせよDV-Xα法にせよ、フリーソフトウェアが配布されているだけでなく初心者向き講習会もときどき開かれており、国内ユーザーを着実に増やすのに貢献してきました。後者については、今年度2回目のDV-Xα分子軌道講習会(世話人:香川大学 石井知彦氏)が2008年1月24日(木)に福岡大学(福岡市城南区)で開催されます。この講習会では藤井君のDV-Xα分子軌道計算を指導された坂根弦太氏がWindows機による実習を担当されます。VESTAによる電子状態計算結果の3D可視化も実習に含まれているのは言うまでもありません。また参加者には2冊のテキスト、「DV-Xα分子軌道計算法」(40ページ)と「「DV-Xα法計算支援環境利用の手引き」(130ページ)が配布されます。RIETAN-2000/FPやVENUSのユーザーで、結晶構造解析から電子状態計算にまで突き進む意欲をお持ちの方々は、ふるって受講されるようお薦めします。

11月19日に開催された公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」はなんと103名もの参加者を集めました。その超ローカルなセミナーについては、事実上、本掲示板でしか宣伝しませんでした。事程左様に本掲示板は人目を引く広告塔なのです。筆先三寸とはまさにこのこと。DV-Xα研究協会の末席を汚している私としては、同様の「掲示板効果」が上記の講習会も盛会へと導くことを祈っています。

■ 2007年12月17日(月) 二つのバージョンアップ

定番CD/DVDエミュレーション・ユーティリティDAEMON Tools Lite v4.11とFTPクライアント・ソフトNextFTP4 v4.81ががリリースされました。

■ 2007年12月18日(火) 二つの支援環境をバージョンアップ

RIETAN-FP・VENUS統合支援環境とDV-Xα法計算支援環境をアップグレードしました。両支援環境を使用する際、開いているファイルが増えてくると、一々閉じるのが面倒です。そこで、特定のタブ上でダブルクリックすると当該タブ以外のタブ(ファイル)をすべて閉じ、右クリックすると当該タブより右側のタブをすべて閉じるように改良しました。この機能の追加により、計算を何度も繰り返すときの利便性が大幅に向上しました。

RIETAN-FP_manual.pdfも少しだけ修正しました。現在のページ数は163です。

上記の改訂に伴い、公開セミナー「粉末回折ユーザーのための電子状態計算」とHERMES・HRPD合同研究会「定常炉粉末回折装置の将来像を考える」(12月14日)の参加者用Webページで配付しているRIETAN-FPのアーカイブファイルを更新しました。たぶん、これが今年最後のアップデートとなるでしょう。

■ 2007年12月19日(水) 規制強化

すべてのパルス中性子源を対象としてVENUS(VICS+VEND+VESTA+PRIMA+ALBA+Alchemy)の使用を規制するよう使用許諾条件を改訂しました。PRIMAALBAはパルス中性子源で測定された粉末回折データの解析を念頭に置かずに、言い換えれば角度分散型のX線・中性子回折データの解析のために開発しました。TOF中性子回折データのリートベルト解析とLe Bail解析で得られる出力がそれぞれPRIMAとALBAとの互換性(企業秘密!)を備えていると私が認定しない限り、一般公開するわけにいきません。PRIMAとALBAの作者としては、両ソフトの利用を自らコントロールし、いい加減な解析に使われないよう歯止めをかけるべきです。野放しにしておくと、不適切な解析がはびこるということを過去の経験から学びました。ここでは詳しい説明は避けますが、こういう事情が裏に潜んでいることをご理解ください。

あくまで「規制」であって、けっして「禁止」ではないということを強調しておきます。ライセンスを取得するか私の許可を得さえすれば、大手を振って使えるのですから、そう過酷な措置ではありません。

こういう使用許諾条件が不服なら、自らVENUSのイミテーションを製作すればいいだけのことです。PRIMA、ALBA、Alchemyのアルゴリズムは包み隠さず公開しているのですから。よく言えば別な選択肢、悪く言えば引き立て役が現れることを歓迎します。

■ 2007年12月20日(木) 「DV-Xα分子軌道計算と高圧放射光科学への利用」

2008年1月8・9日(火)にSPring-8で開催されるSPring-8利用者懇談会 地球惑星科学研究会・高圧物質科学研究会 2007年度合同研究会合「放射光地球惑星・高圧物質科学の現状と課題」において坂根弦太氏(岡山理科大)が「DV-Xα分子軌道計算と高圧放射光科学への利用」というタイトルでDV-Xα法について紹介されます。DV-Xα法計算支援環境VESTAの魅力と実力を宣伝してくださるそうです。まずDV-Xα法の長所、短所などについて述べられた後、CIFを出発点として、DV-Xα法計算支援環境を使ってどのように電子状態を計算し、得られた結果をどのようにVESTAで3D可視化するかを実演されます。

我が国では、高圧下の物質の構造解析にしばしばRIETANが使われてきました。DV-Xα法計算支援環境はRIETN-FP・VENUS統合支援環境と同様のGUI操作を可能とするため、高圧力科学の専門家は習得しておいて損はないでしょう。

12月16日にも書き込みましたが、坂根氏はDV-Xα分子軌道講習会(2008年1月24日)の講師としてDV-Xα法の実習を担当されます。VESTAによる3D可視化も実習に含まれておりますので、参加をご検討いただれば幸いです。

■ 2007年12月21日(金) 最大の弱点

誰でも得意なもの、苦手なものがあるはずですが、私がもっとも苦手とするのは書類を書くことです。A4一枚の書類を提出するのにさえ苦痛を感じるのですから、尋常でありません。

まだ定年になってもいないのに、本年12月31日付けでNIMSを辞職することになりました。今月初めに辞職願を出したとたん、種々の届けを連日のように提出しなければならぬ羽目に。Terrible! もう精神が萎縮しきっていて、本来やるべき仕事がまったくはかどりません。忍の一字ですね、こういうときは。

鬱防止用に大塚 愛の「フレンジャー」をiTunes Storeで購入しました(11月14日参照)。嗚呼、これで4曲目。

何かに迷ったら 思うようにして
いつだって 君の味方でいるよ
どんなストーリーも ありえる世界で
いつだって 君を受け止めてあげる

確かに、こういうストーリーは3年以上前には夢想だにしていませんでした。「思うようにして」いたら、おのずと道が開けました。昨年初めから、自分が企画を立てた催しは常に盛況 —— 味方が沢山いる、社会に受け止めてもらえている、そう考えたら、心が温かくなり、勇気づけられました。

そこで、今年の3〜9月に私が講演・講義した研究集会・講習会に参加された方々に、感謝の念を込めて、RIETAN-FPの最新版v1.6bの配付ファイルをプレゼントすることにしました。ご希望の方は(1) 氏名、(2) 所属、(3) 参加された研究集会・講習会を明記の上、「RIETAN-FP v1.6bのダウンロード希望」という件名のメールを私にお送りください。時間に余裕があるときに、ダウンロード用WebページのURLをメールでお知らせします。

■ 2007年12月22日(土) 平面4配位の鉄を含む無限層酸化物SrFeO2

RIETAN-2000を用いて得られた結果を報告する論文の649報目がこれでした(なんとか、今年中にもう一報!)。

■ 2007年12月23日(日) いきなりかい!

Intel Visual Fortran Compiler for Windowsのシングル・ユーザー・ライセンス(年間契約)を更新するため見積もりを依頼したところ、Professional Editionに変更されていました。おかしいな、Standard Editionをずっと使ってきたんだけど、と訝っていたところ、インテルの方針によりProfessional Editionのみを販売するという知らせが代理店から届きました。実質的値上げだなぁ、こりゃ。

Dual/Quad Core CPUとWindows x64 Editionの出現は64ビット・アプリケーションの本格的利用を促進するでしょう。科学技術計算の分野では、とりわけその傾向が強まります。時代の波に乗り遅れぬよう、Windows用のRIETAN-FPとVENUSの64ビット化を急がねばなりません。Intel製コンパイラはその際の必需品です。最適化レベルを上げてビルドしたプログラムが正常に動作しないことがあるのを除けば、後は申し分ありません。

■ 2007年12月24日(月) 相次ぐ褒賞

RIETAN and/or VENUSを使用して得た研究成果の発表については、8月4日にDV-Xα研究会での優秀オーラル賞受賞、8月14日に日本中性子科学会年会でのポスター賞受賞、12月16日に高圧討論会でのポスター賞受賞について書き込みました。

さらに名古屋工業大学大学院 物質工学専攻の岩田知之君(D1)が12月8日に平成19年度 日本セラミックス協会 東海支部学術研究発表会における講演「最大エントロピー法を用いたCa7ZrAl6O18の不規則構造解析」で優秀講演賞を受賞したそうです。おめでとうございます。構造解析にはもちろんRIETANとVENUSが活用されました。同じWebページの下方には「新規な層状炭化物の合成と結晶構造解析、熱電特性」というタイトルの発表で東海若手セラミスト懇話会 運営委員代表特別賞を6月29日に受賞したと記されています。一年に二回受賞というのは快挙ですね。

これらは私が知り得た褒賞に限られています。まだ他にいくつもあるのでしょう。今後、私にお知らせくだされば、本掲示板で紹介いたします(宣伝効果抜群!)。

RIETAN-FPとVESTAの正式版のリリースは来年に持ち越してしまいました。私にしろ門馬君にしろ、両者の開発やマニュアルの執筆に割ける時間に限りがある以上、仕方ないことです。一歩ずつ前進していくしかありません。

つい最近、いかにも権威ありそうな某国際研究集会で大役(計2時間以上、英語で講演・講義)を務めてくれないかというメールが米国人研究者から届きました。名誉なことではありますが、鄭重にお断りするつもりです。そんな大層なものをうかうか引き受けたら、準備にざっと一月はかかり、相当疲弊するに違いありません。茨城県中性子利用促進研究会、ひいてはJ-PARCを邪魔物として切り捨てたことからもわかるように、私は今後、省エネ走法で脇目もふらず駆け抜けようとしているのです。余計な負荷がかかることは極力避け、(波及効果・利益・メリット)/(手間・時間)比がより高いことにフォーカスすべきです。安逸を貪ろうというのとは違います。

■ 2007年12月25日(火) RIETAN-FP・VENUS統合支援環境の改訂

Bond valence parameterを記録したCIF(bvparm2006.cif)を表示する秀丸マクロBVP.macを追加し、マクロメニュー中の"その他"とポップアップメニューで利用できるようにしました。メニュー項目名はBond valence parametersです。これに伴い、RIETAN-FPの配付アーカイブファイルを更新しました。

VESTAでCtrlキーを押しながら配位多面体を選択すると、中心金属イオンのbond valence sum(BVS)が求まりますが、その際、bond valence parameterの入力を要求されます。BVP.macはこういうときに便利です。リリースが目前に迫っているVESTA v1.1b(バージョン番号にご注目ください)ではBVSに関係する入力が変更されるので、それに呼応して改訂しておきました。

■ 2007年12月26日(水) なんとタイトルは"X線回折"

2年以上前に脱稿した原稿が忘れた頃に活字になりました:

単結晶X線回折データのMEM解析で決定したNaNO2の等電子密度曲面の図(河村幸彦氏提供)が含まれています。

■ 2007年12月27日(木) ソフトウェア資産管理規定
  1. ソフトウェアの無償サポートは原則として受け付けない。
  2. フィードバックを期待できる人にしかソースコードを提供しない。
  3. 自主技術のグローバル化・陳腐化を防ぐため、ソフトウェア使用法の公開を一部避ける。
  4. 粗雑な解析が横行しないように、必要に応じて使用規制をかける。
  5. 有償(たとえば外部研究資金の受け入れ)あるいは正式な共同研究なら話は別である。

最近は、上記のルールに則ってソフトウェア資産を管理しており、それに抵触するtake & take的な申し出を断ったことは何度もあります。なんともドライな対応に見えるでしょうが、独法化した研究所は外部研究資金、とりわけ民間企業からの寄付金の積極的な導入を推奨しており、無償サービスを歓迎していないのも事実です。私にもそういうプレシャーは当然のしかかってきております。機能追加の要望は結構多いですが、一方的に利益を得ようとするのでなく、できれば資金援助や寄付をお願いしたいです。

といっても、私の集金能力は低いです。人を集めるのは得意ですけどね。逆の方がよかったのになぁ。

ソースコードを一般公開しても、フィードバックは痕跡程度ということは、過去の経験からしっかり学び取りました。アプリケーションをブラックボックスとして使おうという人たちが圧倒的に多い上、ソースコードに目を通したところで、こちらに協力してくれるとは限りません、技術やノウハウが流出するだけで,メリットよりデメリットの方がはるかに大きいです。情けないことですが。

改めるべき点があれば、修正するのにやぶさかでないのですが、今のところ個人および組織からのクレームや苦情はほとんどありません。これで一向に差し支えないということなのでしょうか。なにかご意見、ご批判、ご要望がありましたら、ぜひお聞かせください。

■ 2007年12月28日(金) 定年制職員として最後の勤務日

辞職承認書を受け取りました。

といっても、なんの感慨も湧きません。少なくとも今後3年の仕事の内容は、実質的にこれまでと何も変わらないのですから。職場もNIMS(並木地区)のままです。

過去10年はその前の10年(超伝導フィーバー以降)の自分を否定し、「ものつくり」に熱中した時代でした。「もの」といっても装置、物質、材料、特許などでなくソフトウェアや解析技術でしたが。とにかく、自ら「もの」をつくるという姿勢を貫き通しました。

「もの」(たとえば超伝導物質)をどこからか調達し、X線・中性子回折で結晶構造を解析するという論文量産指向のルーチンワークには倦怠感や違和感を感じる一方、ものつくりに強く惹かれ、それに没頭しました。RIETAN-2000の波及効果の大きさを否定する人はいないでしょう。OpenGL、GUIの構築、MEM解析など、知識も経験も土地勘もないテクノロジーを盛り込んだ三次元可視化システムVENUSの製作は困難を極めたものの、なんとか力業で乗り切りました。紆余曲折はありましたが、利用価値のある「もの」を順調につくり続けることができた10年だったと自負しています。研究者として生き残れたのが、その証拠です。

10年の間に大きく様変わりしたのが、ソフトウェア資産維持・管理の姿勢です。昨日記した管理規定から明らかなように、無償サービスを拒否して余計なコストをカットするとともに、自己の立場を強化し外部研究資金を得るための戦略兵器と位置づけるようになってきました。兵器である以上、ソースコードの公開がもたらす先端技術の拡散や理不尽な改造は防がなければなりません。外部資金の獲得はNIMSから強く要請されています。独立行政法人は運営費交付金だけに頼ってはいられないのです。

自分の住んでいるのがオープンソースの甘っちょろい理想など通用する世界でないのは明らかです。私の考えが変わったというより、国立大・国立研の独法化、研究資金獲得競争の激化、個人・組織の厳格な評価、科学技術のグローバル化といった時代の流れがそういう方向に私を追い込んだといってよいでしょう。

■ 2007年12月29日(土) 例年通り

年末年始は稼ぎ時、とばかりに大量の仕事を持ち帰りましたが、手を付ける気が少しも出ませんでした。

ゆっくり温泉でもつかりたいなぁ。

■ 2007年12月30日(日) 昨晩の某番組での曲名当てクイズ

ヒント:もう一回、4年前の曲、若手女性歌手

この答えが即座にわかった自分が恥ずかしい。

「もう一回」ってのは実に独創的ですね。いずれ自作ソフトを実演するときに使わせてもらいましょう。

■ 2007年12月31日(月) テキストファイル偏愛者の弁

エディタを使い自分でHTMLファイルにタグを記述し、多数のコマンドを駆使してLaTeXで文書を作成するのは、明らかに頭脳を活性化させます。老化・ボケの防止にも有効でしょう。

したがって、来年も毎日Jedit XJedit X AppleScript Macro Collection for HTMLで本掲示板を書き継いでいきます(11月26日参照)。RIETAN-FPの英文マニュアルは(門馬綱一君が執筆中のVESTAの英文マニュアルも)、LaTeXで記述した*.texをtypsetしてPDFを得るという方式で作成しています。ともに一定の文法に則ってコードを書くという点でプログラミングとよく似ているため、実にしっくりきます。逆に言えば、*.htmlや*.texの作成が苦手な人は、ほぼ例外なくプログラミングが苦手なはずです。