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■ 2021 年 5 月 15 日(土) 「粉末X線解析の実際」 第3版の出版

2019年11月以来、編集・執筆に従事してきた「粉末X線解析の実際」第3版が8月1日に発売されます。私は序文、8章、9章、11.2節、11.3節を執筆しました。「先端材料への応用」と「PDF 法による局所構造解析」が新たな章として加わり、25ページも増えました。昨年10月に RIETAN-FP・VENUS システム配付ファイルを久々に更新したのが本書の上梓を念頭に置いていたのは言うまでもありません(「RIETAN-FP・VENUS システム配布ファイル」の新装開店)。

カバーは金属有機構造体 (MOF) MIL-100 のイメージで飾りました。Crの3核ユニットをベンゼントリカルボン酸が架橋した構造です。



「リートベルト法入門」をサブタイトルとする初版が出た今世紀初めには、第3版の上梓など夢のまた夢でした。しかし多種多様な専門知識(集合知)と RIETAN を駆使する実戦の経験が要求されるリートベルト解析を効率よく習得するには、平易な日本語入門書が役立ちます。英文マニュアルだけでは不十分なのです。初版と第2版の刊行や充実したドキュメンテーションが功を奏したと見え、近年 RIETAN で得られた成果を報じる論文は増加傾向にあります。第3版の需要も見込めるのは、そういう背景に根ざしています。

「粉末X線解析の実際」が想定外のロングセラーとなっただけでなく、

  1. TOF 粉末中性子回折用 RIETAN を駆使し、高温超伝導体を中心とする無機化合物の結晶構造を多数解析した(中性子回折: 高温超伝導体)。
  2. 日本結晶学会講習会「粉末X線解析の実際」が他に類を見ないほど多くの参加者を集め続け、同学会に財政面で貢献した(「粉末X線回折講習会の歴史」)。
  3. 自作ソフトの無償配付と無料講習会の開催を通じて粉末構造解析の普及、外部資金と研究環境の格差是正に微力を尽くした(「無期延期となった東北初の粉末構造解析講習会!」)。
  4. 論文の被引用数が抜群に多く(2006年6月10日の掲示板「NIMS 発の論文で被引用数トップの地位を確立!」)、しかも年間被引用数が13年連続で増え続けている。
  5. 粉末構造解析に関する夥しい数の解説や書籍を執筆し、自作プログラムの普及に努めた。

といった実績も挙げたことを顧みると、充実した研究人生を送ったと躊躇なく言い切れます。研究に集中できる環境と幸運に恵まれただけかもしれませんが。

■ 2021 年 7 月 27 日(火) ハンズオン卒業の弁

「粉末X線解析の実際」第3版のテキストとする予定だった日本結晶学会講習会はコロナ禍のため今年は中止とせざるを得ませんでした。来年度以降の開催をご期待ください。

といっても、ハンズオン主体の無料講習会を全国各地に出前している内に学生から参加費を取り立てる講習会(座学オンリー)で講師を務める気が失せてしまったのは、「粉末X線回折講習会の歴史」の末段で吐露した通りです。コロナウイルスが猛威を振るっている状況下では講習会の開催など望むべくもありません。1日半もの長丁場だと、長期間休止している間に継続の意志が萎えてきます。スポンサーが付かなくなってしまい、今後は経済的負担を強いられるというのも懸念材料です。拙作ソフトのハンズオンはもう潮時なのでしょう。

ただし「萎縮」や「フェードアウト」でなく「情勢変化への適応」と言い張りたいです。別形式での社会貢献に挑戦するつもりですから。